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⑦爪フェチな男 前

アプリで知り合ったTくんは
まだ大学生だった
身長は175センチくらいで
写真はとてもかっこよかった

その頃私は27歳
21歳のTくんがとても可愛く思えた

しばらくアプリ内でやりとりして
会ってみることにした
学生なのでお金がないと
ちょこちょこやり取りの中でも言っていた

なので待ち合わせは彼の地元の駅に
お昼頃集合することにした

ふらっと現れたTくんは
とても爽やかで白Tにデニムという
シンプルな格好だった

珍しく遠出をしてまで会いに来たのには
理由がある
とにかくイケメンなのだ
会ってみると
写真でみるよりイケメンだった
芸能人で言うと
野村周平似な感じだ

話しながら彼の隣を歩いていたら
彼の実家に着いたのだ
『今誰もいないから』
と、まさかの初対面での実家
その辺はまだ学生なんだなぁと
若いなぁと思った
危機能力か低い
私なら初めて会う人に絶対
家は教えない
なんなら最寄り駅も教えない

彼の部屋はとてもシンプルで
ベッドと勉強机くらいしかなかった
『ベッドに座って』
『爪きれいだね』
『なんかエロいね』

ネイリストだった私は
お気に入りの真っ赤なネイルを
手と足に塗っていた
『ちょっと写真撮りたい』
と言った彼は
机からいいカメラを出してきた
えっ?こわっ
何撮る気だよ!?

と思っていたら
手と足の爪の写真を撮り始めたのだ
そう、彼は爪フェチだ

まぁでもネイリストの私は
悪い気はしない
顔とか撮られなきゃいいや
と彼のポージングの指示に従った
『手はこういう風に重ねて』
『足はこう!』
彼はとても楽しそうだった

彼は爪の写真に満足したのか
急に私を押し倒した
その後そのままされるがまま…

事が終わると
近くの海に散歩に行くことにした
観光地ということもあって
海には人がたくさんいた

Tくんと手を繋いで
海を散歩した
なんだか少し恋人みたいな
気持ちになれて嬉しかったのを
覚えている
今から恋が始まりそうな
フワフワした気持ちだった

夜になりTくんは駅まで送ってくれた
『またね!』

なんだか夢心地な私は
気分よく家に帰ったのだ

27歳と21歳だし
もうこれっきり連絡はないかもなぁ
なんて、経験から思っていたが
数日後Tくんから
『また会いたいんだけど会える?』
と連絡が来て
ニヤニヤするほど嬉しかったのを覚えている

続く



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