【P!知識】ホイール貫通のドリルのサイズについて
みなさんこんにちは、P!MODEL LABOのぽらりんです。
今回はいつも頭を悩ませる「ホイール貫通」についてのお話。
【みなさんは何mmで貫通してますか?】
先日アンケートを取りました。
「ホイールの貫通のドリルのサイズは?」
非常に多くの方が1.8mmで貫通をしていることがわかりました。
でもなぜ多くの方が1.8mmのドリルで貫通するのでしょう?
今回は本当に1.8mmでいいのかの検証も兼ねてのnoteになります。
【1.8mmの使用に疑問】
今でこそ他メーカー様も含めて様々な便利ツールがあり比較的きれいに、楽にホイールの貫通ができるようになりました。
しかし10年ほど前はそういったものも、ほとんど一般化されておらず「なにかを支えにして」「慎重に」開けるしかありませんでした。で、当時から何故か「ホイール貫通には1.8mmドリルを使う」というのが通説のように、個人ブログ等でも紹介されていました。
ちなみにツール類をほぼ使わずに貫通したりする方法は以前
をご覧いただければわかると思います。
ただ個人的に1.8mmで貫通すると、自分の不器用さも相まって多くのホイールをダメにしてきました(加えて選別という壁もありますが)
タイヤ作成においては貫通は面の成形よりも遥かに重要です。
車軸がぶれていれば、タイヤ全体もブレるのは当たり前の話ですから。
でそんな苦労もあり、色んなものをぶっこんでできたのがシャフトブレードだったりするわけです。
でこのシャフトブレードを作るにあたって「1.8mmで貫通するより、1.7mmのほうがいいんではないか」と思ったのです。
【シャフトブレードを作るにあたってわかったこと】
シャフトブレードの特性上、六角にホイール貫通をすることを考えると
シャフトよりも直径を少し小さくする必要がありました。
で、そこで色んな人に聞いて注目をしたのが「対辺距離」
ここの微調整で今のサイズに落ち着いています。
そのときにわかったのが
①PPホイールと強化ホイールでは六角穴の大きさが微妙にちがう
②対角の距離よりも対辺の距離で貫通したほうが具合が良さそう
という点でした。
そのなかでちょうどいいサイズ感を得るために、何種類かシャフトブレードのサイズを0.01mm単位で試作して見た結果が今の2種類(強化用とPP用)になったわけです。
その上で個人的に「貫通するだけなら1.7mmのほうがいいのではないか」と思った次第であります。
【1.8mm or 1.7mmでの貫通】
こちらの図を御覧ください。
ホイール素材で多少の大きさの違いがありますが
1.8mmだと対辺をすこし削ってしまいます。一方1.7だとPPに至ってはほぼちょうどで、対辺をほぼ削ることなくすっぽり入ります。
いろんなドリルを試した方は差し込むときの感触でもうすでにわかっていたことではあると思います。
つまり何が言いたいかといいますと
1.7mmならツール等を特に使うことなく貫通するなら、特段PPに限って言えば、軸穴が曲がってさえいなければ、ガイド代わりにそのまま貫通することができる。
ということです。
しかしながら「貫通は1.7mmがいい!」とは一概には言い切れません。もちろんメリット・デメリットがあります。
【メリット・デメリット】
1.7mmの場合
メリット
・ホイール軸を広げにくいので、軸がへたりにくい
・軸穴さえ良ければ、ガイド無しで貫通できる、比較的容易にまっすぐ貫通できる
デメリット
・貫通穴が小さいため、シャフトの抜き差しに苦労する
1.8mmの場合
メリット
・少しだけ六角軸を削るので、ホイールの抜き差しがしやすくなる
・強化ホイールの貫通ならあり
デメリット
・六角穴を削り取っていくので、フリーハンドだと貫通が失敗することが多い
・六角穴が広がりやすいため、ホイールがへたりやすい
と、お互いにメリット・デメリットがあるかと思います。1.75mmとかホームセンターとかではあんまり見かけないですしね
【シャフトにも気を配ろう】
ただ上記の件はホイールに寄せた話で、もう一方で考慮しないと行けないのがシャフトです。
※マイクロゲージが見当たらなかったのでやむを得ずノギス計測なのはご了承ください。
ご覧のように微妙にサイズが違ってるので、そこを加味した上でドリルサイズを考えてみるのも一つではないでしょうか?
1.7で貫通したあとに、1.8で貫通し直すとかもありかもしれません。
【おわりに】
私が復帰したときには「1.8mm貫通説」がすでにあったと思います。
おそらくですが、当時は強化ホイールがセッティングの主流だったため、1.8で貫通したほうが塩梅がよかったため、「貫通は1.8mm」というのが定着していったのではないかなぁと勝手に推測してたりします。
ちなみに私の場合はPPなら1.7mm、強化なら1.8mmと使い分けていたりします。
いまでこそ便利なツールが沢山あるので、そこまでドリルサイズにはこだわらないでもいいかもしれませんが、選択肢として1.7〜1.9mmの幅くらいで持っている方が色々捗るような気がします。
以上を踏まえた上で
シャフトブレード単体で貫通と六角貫通できるツールを今作っていますのでお楽しみに!