【P!知識】電圧戻りについて
みなさんこんにちは、P!MODEL LABOのぽらりんです。
今回は放電時における、いわゆる「電圧戻り」についてのお話
もともと私は文系の営業職の人間だったので、この辺実はあまり得意ではなく…でも頑張ってお話できればと思います(予防線)
【電圧調整は今では当たり前】
ことにバトル方式でのレースや大会において、放電器片手にレースを見られている方を目にするのは、もはや割と当たり前の風景になってるかと思います。うちの方でも
なども扱うくらいに一般的になってきた「電圧調整」。
「いつだって電池満タンブイブイや!」という方もいらっしゃいます(タイムアタックなんかだとそれでいいかもしれません)が「レースの速度域に適した電圧」に調整して、レースが「うまい」人はやってるイメージがあります(当社調べ)
その電圧調整なんですが、放電器で目標の電圧を設定し、放電をかけて、特にうちでの取り扱いのあるHeatExchagerやnoteでも掲載したマルチ充電器など、パネル等でしっかり数値が確認できるもので放電した場合、放電完了時に
「あれ?指定した電圧よりも高い値が出てる?」
なんてことがあるかと思います。これがいわゆる「電圧戻り」というものです。ちなみにこの電圧戻りという名称に関しては通称みたいなものだと思ってください。人によっては「戻り電圧」とかの「電圧の戻り」などと言っている気がします。(調べるときに検索ワード入れまくったけど納得行く答えがどこにもなかった)この現象の正式名称分かる人いれば教えて下さい。
じゃあこの現象ってなんなの?何が原因?というお話
私もこのあたりは「なんかよくわからんけど、とりあえず戻る」くらいの認識で、たまたまこの事について考える機会があったので、某氏にご教示いただきながら、勉強させていただいた話を備忘録的に残しておこうと思いました。
【電圧戻りの正体】
結論から言うと、電圧戻りの正体は「内部抵抗」です。
機器の仕様とかではありません。
じゃあ「内部抵抗」ってなんなの?という話ですが、「あーあれね」
な感じの人、わりといると思います。(私もそう)
内部抵抗と聞くと「電池の反応のしやすさ、流れやすさ」みたいな認識の方は結構いらっしゃるかと思います。実際にはもっとややこしい話ですが、とりあえずざっくりとした認識でOKです。
電池の中では電気を作るために化学反応が起こっています。その際の化学反応の中の
抵抗がいるような化学反応=内部抵抗 だそうです。
内部抵抗=電池の反応のしやすさ、流れやすさですので
反応しにくい、流れにくい分が、電圧になって現れているということらしいです。
説明ヘタでごめんなさい。実際もっとややこしい話ですw
わかりにくかったら
内部抵抗が電圧になって現れてる、それが電圧戻りの正体や!
って思ってたらだいたいあってると思います。
【電圧戻りの数値について】
電圧戻りの正体は内部抵抗だということであるならば、内部抵抗の値が電圧戻りの数値に影響すると言えます。
内部抵抗が高ければ、戻る電圧の数値は高くなり
内部抵抗が低ければ、戻る電圧の数値は低くなります。
例として、ミニ四駆でいえばニッケル水素電池とアルカリ電池を比べたらわかりやすいかと思います。
内部抵抗の大きさは アルカリ電池 > ニッケル水素電池
つまりアルカリ電池のほうが電圧戻りが大きく、ニッケル水素電池のほうが電圧戻りが少ない、ということになります。
せっかくなのでHeatExchangerを使って試してみました。
条件:指定電圧2.83V 絞り0.5A
ニッケル水素
アルカリ電池
ニッケル水素が戻り0.06Vに対して、アルカリは0.16Vとわかりやすい結果になりました。
これを踏まえた上で考えると、ニッケル水素電池で指定電圧に放電したとき、電圧の戻りの大きさで電池のコンディションが推察できます。
先にも述べたように、電圧戻りが大きい=内部抵抗が高い、つまり電池がヘタってきている可能性が考えられます。
使用3ヶ月の電池と1年の電池(使い方にも寄りますが)で電圧戻りが違うのはそういうことだと言えます。
【まとめ】
・電圧戻りは電池の特性
・内部抵抗が電圧戻りの正体
・内部抵抗の高さは電圧戻りの数値に比例
ということがわかったかと思います。私もただなんとなく「そういうもの」という認識でやってきていたのでいい勉強の機会だったと思います。
それでもってニッケル水素電池はやっぱり短いサイクルで回して行くほうが立体においても、電圧調整する場面で考えたら、ベターなんだろうな、ということもわかりました。
ネットで調べても、満充電の電池を指定の電圧まで放電して使うなんてことするのはミニ四駆界隈くらいしかないっぽいので、何も出てきませんでしたwわかってる人はいまさらな話で恐縮です。
知らなかった人は、一つの知識として覚えておくといいと思います。電池の入れ変え時のタイミング指標にもなるかもしれませんね。
スペシャルサンクス:PEF
【ちょっと追記】
ちょっと検証で抜けがあったので追記します。
放電条件は同じで、放電前と放電後の比較を乗せておきます。
ニッケル水素放電前
ニッケル水素放電後
2.99Vスタート→設定電圧2.83V→放電終了電圧2.9V
アルカリ放電前
アルカリ放電後
3.13Vスタート→設定電圧2.83V→放電終了電圧3.02V
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