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「なりたい自分があって、それを演じようとすることは、自分を偽ることになるの?」

「心が満たされないとき、どうしたらいいの?」女の子が言いました。誰かがこう答えました。「自分自身でなにかを、つくりだすといいよ」。

「好奇心がなくなってしまったのだけれど、どうしたらいい?」

「やりたいことがなくなってしまったのだけれど、どうしたらいい?」

女の子が、続けて聞きました。誰かが、うむ、と考えて、口を開きました。


「昔、君が好奇心にあふれていたとき。人への興味がつきなかったとき。そのときなにをもっていて、なにをもっていなかったかを、思い出してごらん」。


いまの女の子は、ぜんぶ持っていると言いました。大好きな友人と大好きな家族と恋人と、大好きな仕事と自分を大切にするための時間。そして東京で生活するのに困らないお金も。それはずっと、望んでいたものたちでした。足りないものは、ありません。

けれどどこかで、満たされないなにかがあるというのです。


女の子は前に、言っていました。

「わたしは、正直に生きたい。自分らしく生きたいの」。


数年前、女の子の周りにいた人々は、こんなことを言いました。

「あなたはいつも幸せそうだ」「あなたは人を幸せにする」「あなたが、羨ましい」「あなたは勇敢で、強い」

「あなたは、すべてを持っている」。


けれどある頭のいい人は、女の子に言うのです。

「あなたは誰にも弱さを見せない」「あなたの、ほんとうが見えない」「あなたは自分に正直なの?」

「あなたは、何も持っていない」と。


女の子は考えます。

「なりたい自分があって、それを演じようとすることは、自分を偽ることになるの?」


なりたい自分を、演じさせてくれる人が。好きな自分で、いさせてくれる人が、人間には必要なのかもしれません。


そんなことを考えた土曜日の夜です。はて、自分らしさとは。




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とみえり
いつも見てくださっている方、どうもありがとうございます!こうして繋がれる今の時代ってすごい