きみの鳥はうたえる。彼女を救う不誠実
どこからか懐かしい香りがして、立ち止まると追い越していくひとのスピードは、他の季節よりすこしゆっくりで。道行くひとたちがどこか、ちいさなふれあいを求めて街へ繰り出すから。わたしは、秋が好きだ。
人混みをかき分けて迷い込む映画館は、控えめに言って最高だ。そう、わたしは、この映画を観に来たのだ……!という目的を絶対的に叶えられる。全力100%、まっすぐに。
地元にそういうものはなくて、このあそびを覚えたのは関西暮らしをはじめてから、だったけれど。エレベーターがあまりにも古くて