【パーマカルチャーデザイナーvol.41】Tatsuya Fukuoka
これはパーマカルチャーデザインコース(以下、PDC)を修了したパーマカルチャーデザイナーたちのリレーコラムです。
※パーマカルチャーとは
"Permaculture is a dance with nature, in which nature leads."
パーマカルチャーとは自然に導かれる自然とのダンスのようなもの。
Bill Mollison
ビル・モリソン
#41 Tatsuya Fukuoka
子どもの誕生を機に仕事を離れ、これからの暮らしへフォーカスしていくタイミングでPDCに参加した達也くん。
穏やかに思慮深い想いを伝えてくれる姿は若き哲学者みたいだなと印象的で、PDCの後に移り住んだ集落であの時に描いていた未来を家族と仲間と一つずつ少しずつ確実なものにしている。
彼ならではのパーマカルチャーへの視点が興味深くて、これからの福岡家の活躍が楽しみでならない。
Q1.あなたについておしえてください
2019年にPDCを受けた後、パーマカルチャーを実践するために横浜から千葉の鴨川に移住。先輩移住者の林良樹さんと建築家の塚本由晴さんと共に法人を立ち上げました。
その名も「小さな地球」。
https://small-earth.org/
地球のようにすべてが循環する小さな社会圏を目指して、棚田・茅葺再生・蔵サウナ・古民家改修・資源的人会議など、多数のプロジェクトを手掛けています。
Q2.パーマカルチャー デザインコースを通して
当時ふたりの間に子どもが産まれて、その奇跡を目の前にした後、どうしたらこの子が生きていける世界に向かっていけるだろうと真剣に考えはじめたタイミングでした。
きっかけは妻の梓で、「みんなのちきゅうカタログ」の文章と担当したりと僕より先にパーマカルチャーの世界に足を踏み入れていました。
そんな妻に誘われて、コースを受けることにしました。
コースを終えてみると、コンポスト作りや火・土・水などのエレメントへの向き合い方、技術としてパーマカルチャーを知ったのはもちろんですが、何より同じように大きな挑戦に向かっていく仲間たちに出会えたのが収穫だったように思います。
Q3.あなたにとってパーマカルチャー って
★菌糸のような巨大ネットワーク
地球環境という身体感覚的にはスケールアウトした課題と無力感。
大きなシステムに何かしらの抵抗をしたいと思った時、システム全体に向き合うのは本当に難しいことです。
パーマカルチャーはそんな時に可能性を照らしてくれます。
自分の暮らしから、変えていけるんです。
そうした動きが世界中にあるというのも、希望です。
それぞれがそれぞれの土地で実践しながら、菌糸のように巨大なスケールのネットワークを作り上げていくことが、パーマカルチャーの営みだと思います。
★健全に腐らせる存在
パーマカルチャーのもう一つの特徴は"腐る"ことに重きを置いていることだと思います。
人間がだしていくものは何かと腐りがちですね笑
キッチンから出てきた残渣も、
長年やれれてきた地方政治も、
腐敗から発酵に転換させていくことが大事だと思います。
僕ら家族は鴨川に移住して、築100年の古民家と農園を引き継ぎました。
そのままであれば誰も住みつかず腐ってしまうところに移り住んだ僕らは、家を新品のように新しくリノベーションさせるのではなく、発酵させるように暮らすことを好みました。
都会に住んでいたときは、なんでも新品、言うなれば新品文化の中で暮らしていましたが、今ではだいぶ感覚も変わってきました。
次の僕らのプロジェクトは、自分達の家づくり。
棚田の一番上に自分達のスケールにあった小さな家を作ります。
パーマカルチャーで学んだアイディアをたくさん盛り込んで、美しくて美味しくて楽しい世界にチャレンジしていきたいと思います。
Q4.PDCの中で次にバトンをつなぎたい人とその人の印象
次のバトンはPDC同期のあっくんに渡したいと思います。
あっくんからは純粋さ、そして実現していくエネルギーを感じています。
元々、東京の某電力会社に勤めていた時に震災を経験。そして移住。
たくさん悩んでたくさん苦労したと思うのですが、それを感じさせない前向きで魅力的な人です。
カラフルで遊び心たっぷりにセルフビルドしたお家にもいつかお邪魔してみたいです。
2022/11/22 小雪