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[KNOT] PARADISE AIR×インド
世界中のまだ見ぬ価値をAIR事業を通して発見し、解きほぐして時代に呼応して結び直していく 「PARADISE Knot」は海外のAIRとアーティストがつながるノット(=結び目、結び方)に対してPARADISE AIRがAIR同士の結びつきやAIRとアーティストのより良い出会い方の個別解を丁寧に模索することを目指しています。
これまでの移動し、制作するという従来のAIR像にとらわれることなく、PARADISE AIRが構築してきたネットワークの強みを活かしAIRの現場のアップデートを目指す。 そしてアーティストの制作機会はもちろんのこと、AIR事業に関わる仕事を創出し、関係を作り、さらなる発展へと結び直していく。
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インドで連携のある団体は、インド南部のカルナータカ州の都市で南アジアを代表する都市のひとつ、ベンガルールにある1Shanthiroad Studio/Gallery(以下、1Shanthiroad)。ベンガルールは「インドのシリコンバレー」とも呼ばれる、IT産業やバイオテクノロジーの拠点となっている都市である。
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この土地でギャラリー/レジデンス・スペースとして各国のアーティストを受け入れる1Shanthiroadは、2003年にオープンした。PARADISE AIRとの交流は、2016年にさかのぼる。PARADISE Knotとしては、2018年に1Shanthiroadディレクターのスレッシュ・ジャヤラニがPARADISE AIRに滞在して以来、毎年プロジェクトを行い、相互交流を続けている。
PARADISE AIR×インド|KNOTのきっかけ
そもそもPARADISE AIRと1Shanthiroadがつながったのは、PARADISE AIR設立当初から関係の深いアーティスト大和田俊が1Shanthiroadに滞在し、展示やパフォーマンスを行うことになったことに由来する。なんと大和田がYoutubeにアップした作品映像を見て面白いと思った1Shanthiroad側から、大和田にインド滞在への招待が届いたのだ。その話を面白く思ったPRADISE AIRディレクターの森純平も同行。
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PARADISE AIRと1Shanthiroad—遠く離れたレジデンススペース同士として、相互に何かをやっていこうというきっかけは、自然に生まれた。それが2016年のことである。日本に帰国以降もやりとりを重ね、2018年にまずは1Shanthiroadディレクターのスレッシュ・ジャヤラニが来日することになった。
これまでのプロジェクト一覧
2018年1月~3月 1Shanthiroadディレクターでアーティストのスレッシュ・ジャヤラニがパラダイスに滞在
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松戸・東京のほか、京都へ訪問した。自然の造形物を素材にした作品をよくつくるスレッシュは、滞在先で植物や枝を拾ってきて、作品制作を試みた。素材はインドに持ち帰り、インドに戻った後にも制作をつづけている。
2018年2月27日(火)には、公開トーク「世界のアーティスト・イン・レジデンスから|インド編」を開催
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スレッシュによる1Shanthiroadの紹介のほか、日本滞在の体験についてのトークに加え、アーティストの大和田俊をゲストに迎え、アーティストが体験した1Shanthiroadでの体験も話した。1Shanthiroadでは、ご飯の時間になると、スレッシュをはじめとするスタッフたちが料理をして、どこからともなく人が集まりみんなでご飯を食べるという。そんな雰囲気も再現するために、当日はスレッシュが料理した南インド料理がふるまわれた。
2018年10月~2019年3月 大和田俊がベンガルールを再訪
2019年1月~2月 アーティストのサンディープ・T・Kがパラダイスに滞在
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翌年には、1Shanthiroadからの推薦を受けて、バンガロールを拠点とするアーティストのサンディープ・T・Kが来日。写真家でもあるサンディープは、開催中のKYOTO GRAPHIEにも訪問した。
2019年1月22日には、アーティスト・トークイベントを開催
当時SHORTSTAY Programで滞在中だったスウェーデンのアーティスト、アナ・キンボムのパフォーマンスイベントと共同して開かれた。ここでもサンディープがベンガルールから持ち込んでいた食材を用いて、南インド料理(カレーやビリヤニ)がふるまわれた。
2020年1月~2月 アーティストのアイシュワリヤン・Kがパラダイスに滞在
さらに1年後、再び1Shanthiroadの推薦を受けて、ベンガルールを拠点とするアーティストのアイシュワリヤン・Kが来日。
紙を素材にするアーティストであるため、広島の千羽鶴に注目し、広島を訪問して、千羽鶴をリサイクルした紙を入手。インドにも持ち帰り、現在でも作品の素材にしながら制作を進めているところだ。
2020年2月7日、8日、11日には、同時期にSHORTSTAY Programで滞在していたフランスのアーティスト、ニコラ咲菜恵との共同でオープンスタジオとして、作品の公開制作を行った。11日にはアイシュワリヤン・Kによるアーティスト・トーク、そして再び、おなじみのカレーがふるまわれた。
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2020年3月 フードアーティストの古平賢志が1Shanthiroadに滞在
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この年には、インドからアーティストを受け入れるだけではなく、PARADISE AIRから日本人アーティストをインドへ派遣した。これまでにベンガルールを訪れたことのないアーティストをPARADISE AIRから派遣するにあたり、初めての試みだったため、PARADISE AIRの取り組みをよく知ったひとであることと、松戸という街から送るということを念頭に置いた。そこで選ばれたのは、松戸を拠点に食にまつわるプロジェクトを展開し、「tiny kitchen and counter」という飲食店を運営しているフードアーティストの古平賢志だった。彼のインド滞在時の出来事は、PARADISE AIRのnote記事『【料理は勉強じゃなくて楽しむもんだ、と踊りだす】CROSS STAY Program|古平賢治(Teshigoto) ベンガルール滞在日記+スタッフとのやりとり』に詳しく記録されている。
その後、現在に至るまで古平は自身の店でインドで手に入れたスパイスを使用したチャイやインド料理コースを提供するなど、インド滞在の体験を多方面で展開している。
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2021年2月23日(火)〜8月31日(火)展覧会「JAPAN + INDIA – FROM THERE AND HERE – ALLI-ILLI – ACHI‐KOCHI」 の開催
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2020年春以降、アーティストを相互に送り合うという活動が難しくなった状況で、これまでの蓄積を探ることになった。これまで、日本からは3名のアーティストが1Shanthiroadに滞在し、インドからも3名のアーティストがPRADISE AIRに滞在している。それぞれが、インド/日本での滞在をきっかけにした作品制作をおこなった展示を開くことになった。展覧会の名前は、「FROM THERE AND HERE – ALLI-ILLI – ACHI‐KOCHI」タイトルは、英語・カンナダ語・日本語で、いずれも「あちら側とこちら側から」という意味だ。松戸で展示会場になったのは、tiny kitchen and counterで、ベンガルールで会場になったのは1Shanthiroadだ。それぞれの展示は、地元の人をはじめ、一般に公開されたものだが、同時に、オンラインでインドと日本をつなぎ、それぞれお互いの展示内容を紹介し合うオンラインイベントを開催した。その様子は、PARADISE AIRのウェブサイトからみることができる。
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2022/3、現在進行形のプロジェクト
現在は、1Shanthiroadとの新しい交流のプロジェクトとして、京都を拠点にするアーティストユニット「副産物産店」とのコラボレーションが進行中だ。彼らは、アート作品制作の中で出てきた廃材等を素材にした製品をつくり、販売している。これまでは京都をベースに日本のアーティストからの廃材を集めてプロジェクトを展開していたが、現在世界中のアート作品廃材を集めるべく、プロジェクトを進めようとしている。その最初のコラボレーション先として、1Shanthiroadと行うことになり、アーティストのマラヴィカ・P・Cの他、過去にPARADISE AIRに滞在したアーティストを中心に協力してもらった。
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日本からインドへ大きな箱を送り、そこにインドのアーティストに廃材を詰め込んで送り返してもらった。集まったものがどのようなものなのか、オンラインで教えてもらいながら、副産物産店での製品化の準備を進めているところである。実際に人が渡航することなく進められる交流として、模索中だ。
執筆:渡辺文菜
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