見出し画像

Ocra-Note という手帳型・日記アプリ


こんにちは。
今回は、Ocra-Note というアプリに関してです。

最近、ノートアプリの探求を始めて以降、ノートアプリを探して30 件ぐらい試して、自分の使い方が適用できそうな SiYuan-Notes にたどり着いて、それを1か月使ってみて、なんですけど。
ごりごりのLogseq ユーザーの自分が、いまさら階層構造によるノート整理に戻すのは、きついと感じました。
やはり、ノートアプリに関しては、悩ましいですね


階層構造をもつ必要がないノートアプリとなると、選択肢は限られてきます。その中で、最近リリースされた Orca-Note がけっこう面白い存在です。

なぜなら一般的な「ノートを扱う」ノートアプリではないからです

その理由は、後ほど分かるかと思います。

このアプリの呼び方に関しては、今までの「ジャーナルアプリ」、「デイリーノートアプリ」という呼称ではなく、「手帳型・日記アプリ」とさせていただきました。
このアプリに関しては、Orca-Note という手帳があって、そこに日記を書くというイメージのほうが合うからです。

以下、このアプリのアウトライン論理構造に合わせて、その日のページを「デイリーノート」と呼ばず、「日記エントリー」と呼ぶことにしました。

「エントリー」  ---  手帳の各ページ、あるいは付箋

( ※12/25 記事修正
「エントリー」という言葉に統一しました )


Orca-Note

Orca-Note その日の日記エントリーを開いた状態

(トピックのためのブロックを作成し、Favoritesに追加済み)

アプリ概要

  • ローカルに、データベースで保存。

    • 現時点では、マークダウンファイルでのインポート・エクスポートは対応していない

    • デスクトップアプリのインストールが必要

  • 個人開発のアプリ

    • Logseq プラグインで実績のある Sethyuan 氏 が単独で製作中。

      • 新規アプリを興したのは、Logseq の構造設計では不可能なことを実現するためだと考えられる

      • オープンソースではないが、コミュニティでユーザーの意見を聞き入れてくれるため、良い提案ができれば、改善の見込みもある。

    • 2024/9/10 に製作サンプルを初公開
      2024/12 不安定だったエディター記述が改善
      (開発状況については、かなりアクティブ)


Logseq とは論理的に異なる部分

  • ノートは扱わない

    • その代わりに、ブロック単位を、エントリーとして扱える

    • 新規ノートを作成できない

  • 基本的にほとんどが、日記エントリーの配下にあるブロック

    • アウトラインの上位階層に、作成日情報があるという特性がある

    • Logseq の場合は、日時ページ以外のところにページが存在する

    • ※タグのエントリーにもブロックが存在する


日記エントリー

  • Logseq の日誌機能と同様に、1日1ページの日記エントリー

    • ブロック単位での記述

      • 2つのタグ機能

        • # tag ハッシュタグ

        • @ Aliased 呼称タグ

          • 組織や人物、ものに対する言及

          • Aliased --- 直訳だと別名定義

        • どちらもサブブロックを含めてリンクとして機能する

        • タグをクリックすると、そのエントリーが表示される。

          • エントリーには自由に記述でき、参照クエリーがデフォルトで設置される


ブロック単位のエントリー (トピックの扱い)

  • 主な使い方

    • 新規エントリー作成方法

      • 日記エントリー内で

        • 1. @呼称タグ を使う

        • 2. 自分でヘッダーブロックを作成する
          (現時点では、マークダウン記述に対応していないため、スラッシュコマンドからのみ)

          • ヘッダーの配下に、サブブロックで、文脈を記述していく

          • 任意で関連付けをする

            • ハッシュタグをつける

            • ブロックのメニューから Favorites に追加する

  • メリット

    • 結果的に、日記エントリーにその日の成果物が残る

    • 時系列で、ログをつけるのに最適

      • Logseq の日誌機能と同様に、エントリーに書いた時点で、作成日のアウトライン配下になる

        • あとから、いつ考えた事柄なのかがすぐに分かる


備考

  • 参照ログ表示機能

    • 日記エントリーのほか、#ハッシュタグや@呼称タグのエントリーに、デフォルトでクエリーが設置される

    • 該当する行ではなく、ブロック単位の表示

      • (Logseq の機能性を引き継いでいる)

      • デフォルトでは、ブロックが折りたたまれているので、Expand ボタンを押して展開する

    • エントリーやブロックを開かずに、その場で編集などの操作が可能

    • 並び替えや絞り込みなどが可能

      • (Logseq の Linked References よりも高機能)

Orca-Note の ブロック単位のログ表示機能
Expand ボタンで、ブロックを展開。ここで、そのまま編集ができる
  • バックグラウンド動作

    • アプリの起動後に✖ボタンで閉じても、通知領域でバックグラウンド動作になる。終了させるには通知メニューを開かなくてはいけない。

  • 標準で #ハッシュタグ の色付けに対応

ハッシュタグをクリックすると、メニューがでる
  • #ハッシュタグ と @呼称タグ の違い

    • 見た目

    • どちらもエントリーをもつ

    • タグを指定するときのエディター候補

      • ハッシュタグは、作成したタグのみ

      • 呼称タグは、キーワードに一致するブロックも含めて候補にでる

見た目が違う

#ハッシュタグ と @呼称タグ どの場面でどちらを使うべきなのかは、かなり難しい。

  • 操作方法

    • ブロックの参照や引用

      • ブロックをドラッグ操作すると、メニューがでる

    • サイド表示

      • ブロックやタグなどに対して、Shiftキー + クリック で右側に開く


現時点では

  • 未実装 ✖

    • マークダウン記述

    •  [[ ]] によるノートリンク

      • ノートが存在しない

      • 代わりに、@呼称タグ をつかう

    • 一週間分のエントリーをレビューする機能は なし

    • テンプレート機能

      • ブロックのテンプレート化は可能になっているが、テンプレートとしての挿入は未実装

      • 日記エントリーもテンプレートを適用できない

  • 整理方法が不十分

    • #ハッシュタグ の分類が出来ない

      • #ハッシュタグ の全体数を、計画的に抑制する必要がある

    • オブジェクト整理のような手法は採用していない

    • 階層構造での使用が想定されていない

      • ブロックを手動でアウトライン化すればOK

  • 初期の開発段階のため、バグが存在する
    メニューにあっても実装されていない場合がある


ライフハック

  • #ハッシュタグ や @呼称タグ の工夫

    • 絵文字を使ってカテゴリ分けする

  • 日記エントリーをまとめて閲覧する方法

    • @呼称タグ でエントリーを作成し、クエリーをつかう

      • ブロックでスラッシュコマンド「/ Query」を呼び出す

クエリーを設置し、+ボタンを押す
「Match all conditions」をクリックし、メニューから「Match journal」を選択
「Relative date」にチェックを入れると、日数で指定できる

Expand ボタンを押すと、各エントリーの内容が展開される
そうすると、Logseq の 日誌機能のように、複数のエントリーをスクロールしつつ閲覧できる


Orca-Note のインストール方法

上のリンクを開くと、READMEというドキュメントページが開きます。

README

右側にあるメニューの Releases をクリックします

README --> Releases

このページでは、上に新しいバージョンの情報が載っています

Assets をクリックして、トグルを開きます

インストールファイルのダウンロードをおこないます

  • Windows の場合は、「.exe」という拡張子のファイルです

  • Mac OS の場合は、
    M系プロセッサ 「arm64.dmg」
    それ以前のプロセッサ「x64.dmg」
    を選択してください

インストールファイル以外は不要です。

少し注意が必要なのが アプリのデジタル署名がなされていないことです

アプリのデジタル署名に関しては、ほかのアプリでも同様に、実施していないケースが多いです。というのも署名のコストが高いからです。各デバイスごとに年間 1万円ぐらいかかるようです。

アプリのデジタル署名に関して

※ Windows の場合 (警告の解除)

ダウンロード途中で、次のように表示されます

カーソルを合わせるとメニューが出て、それで保存をおこないます

署名がされていないことを示すブラウザからの警告です

「 保持する 」 を選択します

ダウンロードが完了するので、
あとはインストールファイルを実行してください

※ Mac の場合 (警告の解除)

まだ署名されたアプリではないため、実行するには、アプリのインストール後にシステムのターミナルを開き、次のコマンドを実行する必要があります。

xattr -r -d com.apple.quarantine /Applications/Orca\ Note.app

ターミナルで実行するコマンド


バージョンアップデートの方法

初期開発の段階です。頻繁にアップデートがおこなわれます。
インストールと同じ手順で、インストールファイルをダウンロードして実行する必要があります。

現時点では、アプリ内でアップデート情報の通知はありません。

Discord コミュニティから情報が得られます



Logseq からの移行に関して。
製作者 sethyuan 氏もLogseq ユーザーだった訳ですが、Logseq からの移行に関しては、一部をコピー&ペーストで移行したそうです。
アプリ間のインポート機能の実装に関しては非常に難しいとのこと。
(Orca-Note には、ブロックしか存在せず、ノートの概念がないため)