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このバンドの主人公は誰か。 「BanG Dream! It's MyGO!!!!! 」感想

BanG Dream! It's MyGO!!!!!。バンドリ未履修のオタクがなんとなく観た1話は意外にも先の読めない展開。あっという間にジメジメウジウジ女女複雑矢印の虜に。本感想はネタバレありなので、未視聴の方は是非。




おもしれー!!

最初はジメジメした関係性がいいなーと思って観ていたんですが、なんだかそよさんがどんどん曇って曇って、終いには燈に「バンドなんて、やりたくなかった」と言わせる始末で、最早アニメがハッピーエンドで終わるのか疑うレベル。からの10話。いやあ、見事です…。気持ち良すぎてすぐ二周目観た。

迷ったっていい。あの娘が追いかけてくれるから。



主人公は誰?

物語には元気な主人公が必要不可欠である。わがままで、周りを戸惑わせてばかりだけれど、どこか憎めない、周りを巻き込む、そんなカリスマ性を持った主人公が。もっと言えば、バンドにも主人公は必要である。みんなを引っ張るリーダーとしての主人公である。

第1、2話、周りをどんどん巻き込んでバンドに誘っていく愛音はどこから見ても主人公。メディアミックス美少女モノの定番である。
「はは〜ん、無邪気さというカリスマを備えた主人公が、部外者として、壊れた関係を修復する物語という構造だねえ?」と思うわけだ。

ところが、OPが流れれば歌っているのは愛音ではないし、物語が進むにつれ才能を持っているのは燈であることがなんとなく分かっていく。同時に段々と愛音の”見栄”が剥がれ、愛音が主人公ではなく、主人公になりたい一般人であることがわかる。じゃあ燈が主人公なのか、それも違う。この時点では燈には周りを巻き込む主人公的なパワーはない。

そんな中、第5話、二人がようやく通じ合う。燈が愛音もまた迷子であることに気付いたことで、二人は手を取り、共に立ち向かうことを決意する。そこで初めて、やっと、これまで不在だった主人公が生まれる。

決意

そう、この物語の主人公は愛音と燈、二人で一人だ。そよに手を差し伸べたのも、想いを伝え続けて周りを巻き込んだ燈と、強引に手を掴んだ愛音、どちらが欠けてもいけない。何かが足りない同士、補い合うことで主人公が生まれようやくバンドという物語が始まる。そんな二人の関係性が本当に、本当に素敵だ。

もちろんこの後の展開も最高なのだけど、ある意味MyGoの始まりとも言えるこのシーンについて、どうしても語りたかったのです。



残された人々

MyGoで一番拗らせて救われたのはそよさんだったわけだけど、作中、まだまだ救われてない人たちがいる。結局どうしてバンドを辞めたのかわからない祥子、何気に一番報われようがない睦、彼女達はどうなってしまうのか。

…というか、調べてたら知ってしまったんですが、Ave Mujicaというグループに彼女らがいるんですね。仮面や音楽から、マスカレード、秘めたる凶暴性的なコンセプトを感じてしまいます。ドロドロしながらも何だかんだ報われたMyGoの裏で、ある意味Bad Endとなった人たちの物語。そのエネルギーがどんな形で音楽にブチ撒けられるのか、楽しみで仕方ないですね…。


おわり

追記:アニメ、最終話まで観ました。MyGo!!!!!が魂の音楽だとすれば、Ave Mujicaは商業主義音楽といった感じでしょうか。うーん、色々妄想が捗ります。続編楽しみ。

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