わたしのギラヴァンツ戦評|北九州 vs YS横浜 : 第10節(2022/05/28)
はじめに
この記事を書く目的
筆者がサッカーを”観る”目を養いたい
戦術的な見方での楽しみも知ってもらえると嬉しい
お願い
筆者はただの素人サッカーファンです。多分に個人的見解が含まれますので、ご了承ください。「こんな見方もあるんだな〜」ぐらいに受け取ってもらえると嬉しいです。
観戦記録
今日は藤谷選手、前川選手らがサブスタートでした。
入りは良く相手の守備の距離感が広かったこともあり、DF間や幅を使って攻め込む形になりました。
前半の雑感としては、相手が針谷選手に出させずにSBでハメにくるプレスを剥がしながらボールを前線に持っていき、裏抜けしていくといった流れは作れてたように感じました。
ただ、トランジションに関しては攻→守、守→攻に関わらず認知できてないように見えました。ポジティブトランジションでは反応が少なく前線に入り込んでいく選手が少なくなり選択肢が少なかったです。
逆にネガティブトランジションに対しては意識しすぎてライン下げすぎて重心が低くなりすぎるところもあったので完成度はまだまだ低いようです…
0-0で迎えた後半も終始押し込みながら、動きだしが少なくなり裏へのスルーパス一辺倒となっていきました。裏抜けの1対1で攻撃が作れてしまえばいいのですが、無難に対応されていました。
失点シーンでは、前線でのプレスを剥がされて数的不利を作られ失点しました。その後すぐに交代カードを切っていきました。狩土名選手をいれた辺りでおそらく監督の意図としては高さを生かして放り込むパワープレーになると思ったのですが、どうやらプレーはすぐには変わらずビルドアップを始めてしまったり共通認識が取れてなかったように見えました。
そのまま今までのデジャブのような試合で今節を終えました。
データで見るギラヴァンツの現状
結局のところ、今何が起こっているのでしょうか。
正直に言えば、煽ってチームが勝ってくれるようになるのであればこのイライラをぶちまけたい気持ちでいっぱいなのですが笑
そうはいかないのでここは冷静に(?)データを見ながら探ってみたいと思います。
参考サイト:Football LAB
ボール支配率 57.8%
まず基本的なStatsで目立つのがボール支配率の高さです。
現在リーグ1位の試合平均保持率です。逆に言えばボールを持ちながら、得点を奪えていない。そして相手に少ないボール保持のチャンスでゴールを奪われているということですね。
この現状はポゼッションを志向しながらも相手チームにボールを「持たされている」といった状態に近いですね。ボールを保持される相手にどう勝つのかというのは現代サッカーにおいて対策し尽くされているポイントでもあります…
リーグ最下位の攻撃回数/クロス/シュート
基本Statsの中で現時点で試合平均の攻撃回数、クロス、シュートの回数はリーグ最下位です。ここは無得点が続いている現状を見れば感覚的にも合致するデータですね…
ボールを持ちながらも攻撃は少なく、結果的にシュートも少ない。なんとも面白くないサッカーです…
ちなみに数字はこんな感じです。
攻撃回数:120.9
クロス:11.3
シュート:9.9
攻撃する回数は少ないが、攻撃される回数は多い
ボール保持率は高いのに、攻撃回数は少ない。しかも被攻撃回数は多くなっています。現時点でリーグ1位の被攻撃回数です。
被攻撃からシュートされる回数はそこまで多くないのですが、それでも試行回数が増えれば決められるのは当然ですよね。
不思議なのは保持率では優位なのに実際に攻撃はしておらず、逆に攻撃されているというこの皮肉です。まさに現代サッカーの縮図のようですね…
ボールを持って何をやっているのか
この現状を紐解くにはAGIとKAGIという数値がヒントになりそうです。
AGIは要するに「攻撃の際にどれだけ相手ゴールに近づけたか」、KAGIは「守備の際にどれだけ相手を前進させなかったか、相手を自陣ゴールに近づけなかったか」を表す数値です。(詳しくはこちら)
この二つがリーグ平均でAGI:17位、KAGI:18位となっています。J3は18チームですからね…
要するにボールは持っているけれど前線で持てていない、後方、中盤で持っているので失った後に攻撃される。そんな推察ができそうです。
ハイプレスは機能していない?
奪取ポイントが17位です。
奪取ポイントとは↓
この説明を見る限り、北九州のようにハイプレスを敷くチームは奪取ポイントが高くなるはずです。しかし数字はそうなっていない。
感覚的にも前線のプレスは連携ができているようには見えず、スイッチがよくわからないままな感じはしますね。今節の失点も起点はハイプレスを剥がされてからですし…
文字通りの”守護神”
現在試合平均のGKセーブが1位です。まぁ攻撃されてなければそもそもセーブの必要性がないのですが、それはさておき。
これは試合見ている方であれば気づいているのではないでしょうか?
本当に吉丸選手に救われたシーンは多いです。吉丸選手が調子悪かったらもっと悲惨な状況になっていることを考えると北九州の守護神を体現している吉丸選手は評価されるべきでしょう。
最後に
流石にもう我慢できる時期、試合数ではありません。1年でのJ2昇格は現実味を失いつつあります。
勝利だけが現状を打開できる薬ですが、そのための変化をどう起こしていくのか。何かを「変える」アクションを取らなければ、大きく変わらないでしょう。
それは今日のベンチの雰囲気を見ていても伝わりました。「闘っている」というよりも「見守っている」に近い空気です。サッカーは競争ではなく闘争です。闘う選手で闘うチームでなければ勝てないのです。
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