天国にいるジョンヒョンへ

先月の韓国旅行で、SHINeeジョンヒョンの追悼スペースを訪れました。

場所はSMTOWN@coexartium。地下鉄駅構内には、4月8日の彼の誕生日をお祝いする広告がまだ掲示されていました。

coexartiumの最上階にある追悼スペースを訪れると、Twitterで見た通りの景色が広がっていました。

壁中に貼られている無数の付箋や手紙は、ここを訪れるファンが残していったものです。韓国や日本からだけでなく、様々な国のファンからのメッセージで壁が見えないくらいびっしり埋まっていました。追悼スペースは2月頃からあったので、ここに貼りきれない程のメッセージが届いたのでしょう、目に入るのは、最近訪れたファンが書いたと思われるものばかりでした。

スペースでは彼のソロ曲がずっと流れ続けていましたが、とても静かな空間でした。夏日と言えるほど日差しの強い日でしたが、この部屋には温かい光が降り注いでいました。彼の写真を見つめる人、座り込んで泣き崩れる人、メッセージを書き残す人、いろいろなファンがいました。

スペースの端にはファンが置いていったと思われる付箋とペンが置いてあったので、私もつたない韓国語で彼へメッセージを残してきました。

（ジョンヒョン、お疲れ様。永遠に愛してるよ。そして、29回目の誕生日おおめでとう。）

Google翻訳を使えばなんだって書ける時代ですが、自分でもびっくりするほど、ありきたりな言葉しか出てきませんでした。

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ジョンヒョンは、2017年12月18日に自ら天国へ旅立ちました。

身近な人（と言わせてください。）の死は、これが初めてでした。

私は彼より1週間だけ早く、この世に生まれました。同い年だけど私よりもだいぶ早く世に出て活躍していた彼が、28歳（満27歳）で生きることをやめてしまったなんて、今でも信じられません。

1週間前にはソロコンサートでファンに素敵な姿を見せてくれていたジョンヒョン。生と死は紙一重で、死を選ぶ人についてよくイメージしがちな「24時間ずーっと重く沈んでいて、身体も何も動かない」なんて状況ではなく、心の重荷が臨界点に達したそのときに、ふっと境界線を超えたのではないでしょうか。

アイドルとファンは互いに支え合う存在でありたいと思っていましたが、いちファンはこんなにも無力なのかと思い知らされました。私はこれまで彼の歌声にたくさん元気づけられて、癒されてきました。ですが同時に彼がずっとずっと前から苦しみながら生きているサインを出していることに気づいていました。

今でも彼を想うと「どうして」と言いそうになってしまいますが、ぐっと唇を噛んでこらえます。きっと彼の中では幾度も逡巡した上での結論だったはずだし、その言葉は家族の方々やメンバーにとってはとても辛く刺さってしまうはずです。出棺の日のメンバーの憔悴しきった苦しそうな顔は今でも忘れられませんし、思い出すと涙が出ます。

残された4人で行なわれた2月の東京ドームでのコンサートでは、彼の不在と苦しそうにしているメンバーを目の当たりにし、嗚咽がとまらないほどぐちゃぐちゃになりました。コンサートに行く前は「SHINeeに会いにいくのはこれが最後かもしれない」と覚悟していましたが、ジョンヒョンを忘れないでほしい、これからも頑張ると口にした4人を前にして「彼らへの応援をやめることなんて許されない」と覚悟を決めました。SHINeeから離れない、そんなカルマを背負ったような気持ちです。

来月、SHINeeはデビュー10周年を迎えます。それと同時にカムバック（音楽活動）するようです。彼らにとっての幸せが何かというのは数字に表れるものではないかもしれないし、はっきりはわかりませんが、少しでも前に進めるように、幸せな時間を過ごせるように応援したいです。

ジョンヒョンも天国から応援してくれていたら、嬉しいです。次に同じ場所で一緒に時間を過ごせるのはいつかわからないけど、それまで苦しまずに安らかに過ごしてほしいです。