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【金魚】オーロラ導入てんやわんや〜ウオジラミ編

金魚が欲しい。
ひと月ほど水槽に金魚が入っていない。

水槽歴約一年半。金魚に縁深い某推し達に影響を受け、「金魚ちゃんなら小さいから飼ってもいい」と金魚すくいですくった2匹を飼い始めた。がしかし、すぐに死んだ。
その後も知識不足から一年半で合わせて6匹ほどの金魚を星にして来た。そろそろ星座が出来そうである。

ひと月前まで30cmキューブにいたコメット。この子は一年ぴったり我が家で暮らしてくれていた。30cmキューブという水量の少ない水槽で飼育していた為、水質悪化を恐れて餌を少なめ少なめに与えていたところ、だいぶ痩せて弱らせてしまったのが死因な気がする。

うっかりぽちゃんしてしまった推しのアクスタを突くコメット。改めて見るとめちゃくちゃ痩せている。

良かれと思って餌の量を完璧管理していたつもりが、弱らせ死なせてしまうなんて……!こんなことなら餌をしっかりあげてガンガン換水すればよかった。
あげ過ぎは良くない。だが、あげな過ぎもよくない。世界の理(ことわり)である。

今度は水量を気にせず飼える60cm水槽にしよう。
終生飼育を目標に、でっかい二段式の上部フィルターを載せて、更に底面濾過もつけて、最高の環境で金魚を飼おう!

そんな訳で60cm水槽を立ち上げたのだった。

金魚水槽はレイアウトとか存在しないのだ

わたしはとにかく長物が好きだ。シュッとして細長くて美しいのだ。というわけで当歳のレモンコメットと恐らく二歳のLサイズ和金ミックスを迎え入れた。

後ろに見えるラミノーズテトラはパイロットフィッシュとして入れていたが、どんなに頑張っても網で掬えないので救うのを諦めた奴らである。大丈夫大丈夫!!混泳出来るよ出来る!!頑張れ!!

デカい。とにかくデカい。小さくて栄養不足のコメットしか見て来なかったのでこんなデカい魚がうちの水槽にいていいのだろうかという気持ちになる。

とにかくデカいしこれからもっとデカくなるのだ。終生飼育を目標にするなら2匹でやめておこうかな……そう思っていた矢先、少し遠方まで足を伸ばした先のショップで運命の出逢いを果たしてしまった。

志村産の五色オーロラに……

気付いた時には連れて帰ってた

美しい!ボーテ!
見よ、この天女の如し御姿を!

美の化身、その名はオーロラ。

結論から言うと、この子は導入から20日と絶たず星になった。なんて悲しい急転直下。

60cm水槽の2匹と合流する前に臨時で30cmキューブ水槽に入れた数日後に身体の右側が膨らんで来て、そのまま全身松かさ状態になった。
加温した、塩浴もした、エプソムソルトも試した、リバースリキッドゴールドも、もちろん薬餌も。松かさ病に効くというもの片っ端から試したが、治療の甲斐も虚しくそのまま星になった。

今改めて見てみたら、お迎え初日のバケツの写真も右側が膨らんで見える。ふっくらしてるからメスなのかな、もしかして抱卵してる?とか思っていた頃が懐かしい。
わたしの導入トリートメント対応がよろしくなかったのかな……餌をあげ過ぎてしまったかな……と凹んでいたのだが、元々内臓が弱かった可能性もある。なんにせよ、わたしが購入して目まぐるしく環境が変わったことで元々抱えていた爆弾が悪化して死に至ったのかもしれないと今では思う。

だが、この経験+後述するてんやわんやから、トリートメントは「しばらく塩浴すればオッケー」ではなく、「あらゆる菌類、寄生虫を持ち込んでいるものとして徹底的に抗菌薬+駆虫薬そして様子を見つつ色素剤を使用する」という方針に変えた。

導入時の薬浴トリートメントに関しては他に詳しく書いてる方がいるのでそちらを参照して欲しい。

これで今後、導入してすぐに調子を落としてお星様……ということが無くなるといいな。


オーロラ、ああオーロラ。いつか夢で会ったその美しさ……。わたしはもうすっかりオーロラの虜になってしまった。失ったオーロラの姿が瞼の裏から離れない。
だが検索してみてもヤフオクくらいしか販売情報が出て来ない。流通量が少ない品種なのだそうな。超大手通販ショップでも図体も値段もデカい子が一点出品されているのみである。どちらにせよ通販は利用しないと決めている。

つまりこの少し遠方だが行こうと思えば行けるショップにオーロラが居るうちに再度お迎えしないと、もう二度と出会うチャンスは無いかもしれないのだ。
そこの店員さんもそろそろ別店舗に移動しちゃうかもと言っていた。

初代オーロラ姫の崩御に濡らした枕も乾かぬうちにショップに転がり込みオーロラ達の入った水槽に小一時間かぶりつく。しかしなんかこう、いまいち元気無いのだ、みんな。
背びれは力無く垂れてるし、ぬぼーっとして泳ぎにキレが無い。普段なら絶対に選ばない個体達だ。

でも、恋をしてしまったので。夢で会ったその人に。

今度こそ失敗しない。もはや祈るように初代オーロラ姫に似ている子を選び連れ帰った。

ああやっぱり美し……うつく……いや待って

ヒレになんか付いとるわ!!

憎き白点病かゴルァ!!と脳直で加温しマラカイトグリーンをぶち込んだものの、翌日バケツを覗くと何か様子がおかしい。

何かがぴこぴこ動いているのだ。

なに、何よこれ……。スポイトでぴこぴこを吸い取ってよくよく観察してみる。確かに動いてる。泳いでる。小さ過ぎてよく見えない。

ここで秘密兵器を取り出す。在庫一掃セールで1000円になっていたのをとりあえず買ったものの、そのまま肥やしになっていた学習顕微鏡である。ぴこぴこをプレパラートに移し、レンズを覗く。

どちら様ですか

なんかシャカシャカ動いてる〜!ヤダ〜〜!!

見た目的に多分ウオジラミだと思う。だがネットではウオジラミは3〜5mmだと書いてある。コイツはどう見ても1mmもない。

ヤダ〜!!と叫びながら自転車をぶっ飛ばし、オーロラを買ったのとは違う自宅から近い方のショップへ向かう。何故なら買ったショップで「お宅で買った魚になんか付いてたんですけど!?」する勇気が無かったのである。

そして店員さんを捕まえてオタク特有の早口で、
「すみません先日別のところで買った金魚をトリートメント中にヒレに何かついていて顕微鏡で見てみたところこんなものがry」

店員さん「あ〜ウオジラミです」

即答!!ショップのオーロラみんな元気無かったのこれか〜!!

店員さん「これは子虫なんでそこまで焦って駆除しなくても大丈夫です。バケツで隔離して水際で止められてるのでこのまま駆虫薬使えばオッケーですよ。ただ身体の見えにくいところに親虫がいるかもなんで注意して、いたらピンセットで取ってください。うちで置いてる駆虫薬はレスバーミンだけですが、これは基本どんな虫にも(※脱皮するものならなんでも)効きます。ただ少し強いんで量少なめから様子見つつ入れてください」

あまりにも有能。本当にありがとうございました。
という訳でレスバーミンを買って帰り早速駆虫を始めることにした。

駆虫してやる……!!

で、いざ薬を入れようとしたところ、思わず手を止めた。説明書がすんごく大雑把なのだ。

長期継続使用禁止って……どのくらいが長期?

本品使用例の表を見て欲しい。
30ℓが0.1〜0.2gならば、60ℓは0.2〜0.4gじゃないのか……?
ていうか最初に100ℓあたり0.4〜1gって言ってない?

店員さんは少なめで様子見てと言っていた。10ℓのバケツで薬浴をするので、最小量の0.1÷3で0.03g……いや0.3÷6=0.05g……?

素手で触るなだの防塵マスクを付けろだの、0.01g単位で計量を強要してくる薬品で、この大雑把さである。頭がおかしくなるのでとりあえず一番割合が少ない10ℓあたり0.03gの計算で薬液を作ることにした。

0.01g単位で測れるキッチンスケールはたまたま持っていたのだが、流石に0.03を測るのは難しく、ある程度の重さがないと0としか表示されない。そこで、

①ペットボトルに100mlの水を入れる
②レスバーミンを0.3g入れてよく振る
③上記希釈液10mlをバケツに入れる

これで0.03g分をバケツに入れられるはずである。本当に合ってる?書いてて不安になって来た。金魚は無事だったので大丈夫だった。そういうことにする。

レスバーミン投入後、オーロラも特に変わった様子は無いのでこのまま薬浴を続けて行くことにした。

因みにレスバーミンは脱皮を阻害することで虫を殺す薬だ。ウオジラミの成虫はそれ以上脱皮することがない為レスバーミンは効果がない。その為ピンセットで取ることが基本とされている。うちのオーロラには幸い子虫しか付いていないが、出来ることなら見える分は取ってあげた方が楽になるだろう。しかしこの子虫、ピンセットで摘んで取れるようなサイズじゃないのだ。どうしたもんかと考えあぐねて、綿棒で取る作戦を展開する。

魚体をむんずと掴んで水面に固定し、綿棒で子虫を絡め取る。この時横着してバケツの中でやると子虫がバケツ内に逃げ出してそれを捕まえ損ねるとまた魚体に取り付くので良くない(経験談)。本当はバケツから完全に出し濡れタオルの上などに載せ、顔を黒いものなどで覆って処置した方が良かったと思う。その方が暴れないらしい。

見たところ10匹近くは付いていた子虫を数回に分けて取ってやると、買って来てからずっとバケツの底にぐったりへばりついていたオーロラが嘘のように泳ぎ出したではないか。やっぱり虫にちゅーちゅー体液吸われてたら嫌だよね!!!飼い主らしいことが出来た気がして少し嬉しい瞬間だった。

体表の色柄に紛れて目視では確認しきれない子虫が付いている可能性もあるので、レスバーミンはもちろん続ける。
更に綿棒で捕まえたウオジラミ達をレスバーミン入りの水と共に瓶に詰めて……。

観察してやるよ、お前らの死に様をなぁ!!

ご覧、ここがウオジラミの墓場。

こうすることで、魚体から離れて以降何日生きるのか(餓死)、脱皮の時期がいつ来たのか(脱皮不全による死)が見極めることが可能となり、レスバーミンの切り上げ時期も分かるというもの。

ここでわたしが調べたレスバーミン&ウオジラミに関する情報まとめ。

・レスバーミン+塩浴はok。

・ウオジラミは魚体から離れて4〜5日生きる。墓場のウオジラミ第一陣はちょうど5日目に死亡した。恐らく餓死である。

・ウオジラミは水温によって脱皮サイクルが変わる。詳しいサイクルのソースは見失ってしまったが、大体◯℃前後なら1ヶ月程度で◯回の脱皮を経て成虫となる……と見て「ああ約1週間で脱皮サイクルが来るな」と思った記憶があるので、多分弊環境と同じ25℃前後ならレスバーミンを7日+数日投与すれば脱皮不全を起こさせ全滅させることが可能だと思われる。親虫がいて卵が産み付けられていた場合は数日開けて2セット目、3セット目の投与が必要になってくる。この辺はウオジラミの生体をよく調べて欲しい。
墓場のウオジラミ第二陣は魚体から離れて3日後のレスバーミン投与から7日後に死亡した。

・「レスバーミンは強い薬である」と「レスバーミンは水草を入れた本水槽に入れて問題ない。魚毒性もほぼない、バクテリアにもほぼ影響ない」という情報が錯綜している。どちらを信じるかはあなた次第だが、本水槽で寄生虫が発生したならどちらにせよ丸ごと薬浴しないと意味がないし、水草にも卵が着いてる可能性がある。
実際には卵にはレスバーミンは作用しない為、2週間おきに複数回レスバーミンを投与する必要がある……となるとやはり本水槽で水草を入れたまま投与することになるだろう。

・リフィッシュの後継で代替品として使用可能と書く人がいるが正確には間違い。レスバーミンは脱皮阻害剤であって、トリクロルホンがメインのリフィッシュとは別物である、と思う(レスバーミンの成分は公表されていない)。トリクロルホンはかなり強い薬らしく、レスバーミンも強い薬という話はここから来ているのでは……?
実際使ってみたところ、計量さえしっかりすれば、そこまで怖がらなくてもいいような印象を受けた。もちろんエビには絶対使ってはいけない。脱皮不全で死ぬ。

・他の薬品との併用は可能かニチドウさんに問い合わせた。
Q.ウオジラミによる傷口からの二次感染予防の為に他の薬品を同時使用したい。手元にあるのは「グリーンFゴールド顆粒」「グリーンFゴールドリキッド」「エルバージュエース」「ヒコサンZ」。
A.最初の4つはいずれも併用可能。二次感染予防目的ならグリーンFゴールド顆粒が良いでしょう。
※ヒコサンZはマラカイトグリーンがアウトと言うよりもニチドウさんの商品では無かったので回答頂けなかった可能性もある(ニチドウさんの同成分のマラカイトグリーン溶液は『アグテン』)。

・その他もろもろ、分からないことは直接ニチドウさんにお問い合わせください。それが確実です。迅速なご回答、本当にありがとうございました。


そんな訳で、ウオジラミによる傷口からの二次感染予防&ショップから持って来たに違いないその他菌類感染症の予防または治療の為にグリーンFゴールド顆粒を併用することにした。

レスバーミン&GFG顆粒の薬浴にも耐えるオーロラちゃん。強い!さすが図体がデカい!!

墓場のウオジラミ達はレスバーミン投与後7日後に死滅し……、バケツのレスバーミン投与も無事終了。

その間に初代オーロラ姫が入っていた水槽(新規で立ち上げた60cmではなく、臨時で入れていた30cmキューブの方)は熱湯で完全リセットした。
二代目オーロラはバケツからこの30cmキューブに移して引き続き隔離トリートメント期間を設けることにした。更に今後も急な塩浴や薬浴が発生する可能性を考えて、初めてのベアタンクに挑戦することにする。

憧れのベアタンク!絶対上手く行かせるぞ!

次回!「ベアタンク 死す」

二代目オーロラは死なないから安心して欲しい

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