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「初」

最初からビリビリに引き裂かれた感覚がした。

彼女の歌声を聴いた瞬間、涙が零れた。

私は興奮している時、鳥肌といっしょに口の中が少し痺れて、酸っぱい感じになる。

甘酸っぱいってきっとこうゆうことだ。

恋してるんだ、私は。あなたに。


「待ってたよ、」



椎名林檎レベルのLIVEを見てしまうと、他がつい痩せ細く見えてしまう。(とは少し大袈裟かもしれないが)
愉快に飛び抜けた映像演出の数々、名だたるプロフェッショナル達の神器をかき鳴らすような演奏っぷりたるや、そのクオリティと美しさにふわりふわりと見惚れてしまう。

コロナなんてかわいい名前を引っ提げて世界をドン底にまで突き落としたあいつを、
リンゴは吹き飛ばすくらいの勢いと嘆きと勇ましさを解き放つ。
今日も眩しかった。もはや恐ろしかった。

「私たちはこの状況を傍観していてはならない」


そんな、抗う心を秘めたような、儀式のような。


すごいよ、椎名林檎は。

流石だよ、禁断の果実。そして仲間たち。

最高だよ、復讐。(今回の個人的ベストヒットソング。この時の浮雲さまの麗しき姿といったら。)



コロナになってから初の映画館は、
隙間や距離さえあれど、あの時はヒトツになれた気がする。
どんなに違った人種、性格、環境だとしても、
どんなに悪意や殺意を持ったニンゲンであったとしても、
あの時だけは、
誰もが同じ喜びと幸せに満ちた
華々しい瞬間。

そしてそれこそが、LIVEの醍醐味なのだから。


また、いつか必ず生のLIVEに行く。


今宵もタマシヒの歌声と叫びを、

本当にどうもありがとう。

いついつまでも、愛々々しておりまする。


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