2022.6.19 高円寺で光る陰を見た
※「お笑いライブ行ってきましたー!」ぐらいで書こうと思ったら、長文になってしまいました。胸熱だった記録用でもあるし、知って欲しい話でもあるし。
6月19日㈰
その日の興奮を投稿しようとSNSを開くと、日本中が注目していたという那須川天心 対 武尊戦の熱狂に湧いていた。
「とんでもねーもん見た!」「伝説の試合!!」「二人とも最高だ!!」「ありがとう!!」という興奮と感謝が連続で流れ込んできて、この一戦の事が全く頭になかった自分は、凄く失礼な奴なんじゃないかと疑心暗鬼になるほどだった。
東京ドームでそんな伝説の試合が行われていた夜、
僕は、高円寺で『ムラムラタムラ単独ライブ「組曲」』を観戦していた。
ムラムラタムラは、僕が現役当時、ライブで一緒になったり、飲みに行ったりしていた後輩芸人の一人である。(貴重な圭之介軍団の一人でもある笑)
バラエティ番組に出る事もあるので、知ってる方からしたら、あの暴走系アングラ芸人の単独ライブってやばいんじゃない?って思う方もいるかもしれない。
妻と友人(女性)と三人で見ていたのだが、帰り道の感想は、
「とんでもなく面白かった!」
「伝説のライブ!」
「ムラタムもサスペンダーズも牛女も涼宮ハルヒ も最高だ!」
「ありがとう!」
不思議なもので、SNSで見かけた熱狂のビッグマッチとほぼ同じ感想だった。
暴走系アングラ芸人がまず見せたのは、80分の漫談だった。
衝撃だった。
ただそれは、マイク一本の漫談では無く、アングラらしいシャウト系のネタもあれば、モノマネ、ショートネタ、生い立ちトーク、そしてトーク中の描写として舞台を走り回ったり、匍匐前進したり、舞台を広く使って、かなりの体力を使った80分だった。それでいて普通にトークが上手い。
何より衝撃だったのは、その間一切水分補給をしていなかったことだ。
ゲストのサスペンダーズと牛女の二組はめちゃくちゃにされていた。
ムラタムの暴走に巻き込まれ、気の毒な面もあったが、その中で必死に戦って、爆発的な笑いを生んでいた。
おそらく芸歴後輩にあたるコンビかと思うが、
すっごくかっこよかった。
サスペンダーズは最近ネタ番組で見る機会が多くて、毎度ネタを見るのを楽しみにしているコンビだが、ムラタムにめちゃくちゃにされる中でより魅力が爆発して、もはや普通にファンになった。
東京ドームで世紀のビッグマッチが行われていた同時刻、高円寺では、まだ売れてるとは言えない芸人たち五人が、格闘家のそれとは違う、薄いトランクス一丁で『涼宮ハルヒの憂鬱』のエンディング曲を踊っていた。
ゲストの四人に至ってはムラタムから無茶振りで踊らされていて、はたから見たらそれは地獄絵図だったかもしれない。
ただ、会場はめちゃくちゃ盛り上がっていた。
その姿は充分にかっこよかった。
もしかするとゲストの四人は、
年代的にも那須川天心vs武尊の試合をリアルタイムで観たかったかもしれない。
しかし、彼らはその時間、トランクス一丁で踊っていた。
そしてその姿で、その場にいた僕を含めたお客さんに笑いと感動を与えていた。
果たして僕はどの立場で言っているのか分からないが、彼らにはその事を誇りに思って欲しいと思った。
言われるまでもないし、言われる筋合いもないと思う。
6月19日は僕にとっても伝説の日になった。
ステージに立つ、全然引き締まってないパンツ一丁の芸人たちはかっこよかった。(ムラムラタムラがやけに体締まってるので、ここに関してはちょっとブレる笑)
妻も、友人の女性も、下品だという感想は無かった。
少しでも彼らの事を知って欲しいと思って、こんな記事を書きました。
ムラムラタムラを始め、サスペンダーズ、牛女を是非応援して欲しいです。
芸人には読んで欲しくない記事。。。🤦