八方美人
前のこと
しんどいから後回しにするのはよくない。
しんどいのは、SNSを見すぎてるから。体の血流が滞ってるから。十分な時間外に太陽光を浴びてないから。
しんどいといってはいけない。
思っててもいいけど、みんなの前でいってはいけない。
私は変えられないかもしれない
毎回来るたびに気分が悪くなる街だ。
どこを見ても広告がチラチラ私と目を合わせて来て、注意して歩かないと人とぶつかって、地下アイドルの宣伝をする若すぎる女の子たち、メン地下の宣伝を若すぎる女の子にする若すぎる男の子たちの姿を見て、電車の音も車の音も、とりわけ大都市でしか見たことない宣伝車がうるさくて、
札束をペラペラ見せつけるわけわからん動画をこんな場所で撮ってるのもイラつくし。
こんな場所で、何人かには邪魔だとかなんだあれはとか言われながらあげるシュプレヒコール。
みんな感情的になりすぎた。
私が持ってた紙には人質解放と書かれていたから、誰かに人質…?と小声で冷笑されたのが聞こえた。違うんだって。ここは私がいていい場所じゃないのかもしれない。
性格の問題かもしれない。私は誰かに自分や友達を非難されるのが怖いから、目立ちたくない。周りに変な噂もされたくない。少なくともその現場に私はいたくない。ここは私の意見を安全に言えて、議論をつくせる場所じゃないかも、ここは違うんだって直感的に思ったら、口をミッフィーにして、その場から去るのがいちばんいい。
そうすれば誰も不快にならないと思っているからなのだろうか。まあ、自分を守るためだろう。
百貨店に侵入し、地下のお惣菜コーナーを呑気に歩き回った。デーツとか売ってないかな。
見当たらなかった。
私は、矛盾している、偽善者だ。
命をかけて声を上げることを恐れ、ミドルクラスのお惣菜を眺める方を選んだ。
彼、彼女たちだった。世間に圧倒的なインパクトを与えたのは。規模が違う。羨ましい。本当に。なんで。
あなたたちは活躍すべきだと思う。もっともっと。多くの輪が広がって、世の中の認識が変わりますようにと願う。
でも私はそこにはいれなかった。戦うのが怖くて、私は逃げ出した。
私は変えられるかもしれない
何を根拠に言うんだろう。でも本当にそう思うときがある。
今日も進撃の巨人を読んで、そう思った。誰かはまた連鎖が〜とか歴史は繰り返す〜とか言うけど、私はそんなことないと思ってる。確実に変わっていることがある。それを知ったように、簡単な言葉でまとめあげようとしてはいけない。
民族の責任は民族として負うんだろうか。そうしたら都合よく民族に仕立て上げられている人は間違いなく犠牲者だ。でもその立場として果たすべき責任はあると思う。でもその取り方は?それは離散じゃない。人種差別じゃない。
「とりあえず出てけ」が国際的な取り決めに沿って行われるとして、どこの国が受け入れるのか?何人受け入れるのか?これはそれ以外の難民を受け入れない口実になると思う。きっと別の地域で火種が生まれる。
熱い想いの背後に「とりあえず出てけ」が透けて見えるから怖い。暴力を民族の歴史によって正当化したことを非難したあなたたちが、暴力を民族の歴史によって正当化してはならない。私はそっちを絶対とらない。とってはいけないはず。
わずかな希望しかなくても、非暴力の道を探さなくては。