「夜にしがみついて、朝で溶かして」クリープハイプ。


発売日にタワーレコードで、
視聴機に向かって息を呑む。

世界で一番緊張する瞬間。

ヘッドフォンをつけて、アルバムの1曲目のイントロが流れる。

世界一嬉しい瞬間。

「もう買う」ってわかっている。
初回限定版のディスクを、右から、指で数えて、
「どれにしようかな」。

封入されている、ライブへの参加シリアルコードは、
私の整理番号に繋がる。
適当になんか選べない。

店員さんが綺麗に展開した、ポスターと
メンバーのメッセージカードを写メして、
満足げに家に帰る。

CDの袋を開ける瞬間、
歌詞カードを読みながら、
1曲目を聴く瞬間。私は世界で一番幸せ者だ。

「あ、今の、あたし、ニヤついている」。

愛している、というと、なんかちょっと恥ずかしいし、
愛なんて比べ物にもならないけど、
アルバムが発売する日が一番幸せで、
この音楽を聴いて、生きていたい。と思う。

だから、下手くそな、ライナーノーツだけど、
少しでも、クリープハイプの関係者になりたい。

「大切な音楽は、辛くて悲しんでいる人にも、
悩んでいる人にも、幸せな人にも届くといいな」



1
料理

「出来合いでも溺愛」「やっぱり横にはツマでしょ」
尾崎さんの言葉遊びが満載。
アルバムの1曲目に、ふさわしい。アップテンポで、物語の幕開けを感じる。
「そばにいてくれたら それで腹が膨れる」「眠くなってすぐに 二人で横になった」
幸せだった二人が……。ラストの「こんなに悲しいのに腹が減る」に繋がるのかな?
それにしても、どうして、嬉しい時も、悲しい時も、腹が減るのだろう。
ずっと幸せだったらいいのに。

2ポリコ

「ポリコって、ナニコレ?」パリコレ?
リズムがすごくいい。ユキチカさんのギターもギュンギュンで、
気持ちいい。気付いたら「足りない、足りない、足りない、まだ〜♪」
なんて口ずさんでいる。
尾崎さんが飼っている犬は、「マルコ」だった気がするけど、
何か関係ありますか?
ちなみに溝にこびり付いた汚れも、
傷付いた心も、なかなか消えない。
どうしよう、ポリコが犬だったら、法定速度でいつもの道を走っている…。

3二人の間

お笑い芸人ダイアンへの提供曲。
私も個人的にダイアンが大好きで、確かに二人の関係は、
「まぁなんかその ちょっとあの言葉にならないそんな感じ」
ユースケさんの「ウーマです」と津田さんの「ゴイゴイスー」の間は、
「あとうんの隙間にあるちょうど良いそのうまい空気」。
自然体で、変わってほしくない空気。
だから、本当に、そのままで、そのままでいてほしい。
ダイアンには、そのままで、二人の間でいてほしい。
ちなみに、ダイアンのYouTube、「外ロケ編」で、
津田さんが高所で体を張った「バード」という大技を繰り出して、
「幸せの鐘」を鳴らしているので、ぜひ、その姿も見てください。
でも私、クリープハイプの「間」(関係性)もすごく好きです。

4四季

「そうだ人間って、年中無休で生きているよね」って気が付いた。
そうそう、だから疲れても「しょうがないんだよ」
クリープハイプの音楽は年中無休で聴きたくなるから、
四季は関係ないかもしれないけれど、
4月の春の日に聴きたくなる曲。
4人で自転車を走らせるPVも大好きで、「ああなんか生きていてよかったな」と
思える。
尾崎さんがいつかのライブで、「忘れてしまうから、また、ライブをするわけで」
「だから、忘れてしまうことは怖くない」と言っていて、
忘れてしまうから、私は、またこの曲を聴くし、思い出せるから、
忘れてしまってもいいんだよね。

5愛す

「愛す」と書いて「ブス」と読む。
「愛しのブスがあんたにもいたんだろう」とか
ブスと愛すは対極じゃなくて、仲間だと思う。
「逆にもうブスとしか言えないほど愛しい」
この言葉が本音かな。素直になれなくて、「ブス」としか言えなくて、
でも愛していたんだよ。
不器用で、上手くいかなくて、人間らしくて、
そこが、いいんだよ。それで、いいんだよ。
でも、「ブス」じゃなくて、「愛してる」って、
今度は言ってほしいな。

6しょうもな

夏に麦茶を置いて、この曲を流したら、
なんか嫌なこと全部忘れてしまいそう。
普段クリープハイプを聴かない子が、「この曲最高じゃん」「もう何回も聴いている」
と私に声をかけてきた。
私は、「おお!ま、まぁな!!!最高だろ?」
と「ワイルドだろ〜?」をいうスギちゃんみたいにドヤ顔で返した。
「は?こんなクソみたいな詩で一体何が伝わるんだろう」
届いてます、この音楽。
「あたしは世間じゃなくてお前にお前だけに用があるんだよ」
ただ、届く人に届いてほしい。尾崎さんはいつもそう言ってくれるけど、
着実にクリープハイプのファンは増えていっていると思う。
私も願っている。どうか、この音楽が、世間様にいつか届きますように。

7一生に一度愛しているよ

最近、1stアルバムばかり聴いていて、
「この頃は、尖っていたなぁ」とか、なんとか思っていたら、
見透かされていたような歌詞に私の心は飛び跳ねた。
好きなバンドには初期の作品みたいな刺激を求めるのに、
自分の恋人には、安定を求める。
というのが対照的で、
コウキっていう名前は、「好機」なのかな?と思ったり。
「出会ったあの日は103です」とラブホテルのフレーズまで出てきて、
ギュンギュンのギターアレンジに、きゅんときて、
愛の標識の
「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」が一番よかったよな。
なんて、私の心は、見透かされてしまっていました。
今のバンドがいつだって、一番好きです。
あ、これもアルバムの7曲目くらいで、
歌われている。

8ニガツノナミダ

某携帯会社さんのタイアップ曲ですね。白い犬が思い浮かびます。
この曲がCMに使われる30秒は、
割と真面目に宣伝っぽい歌詞が使われていて、
それ以降は、「しばられるな」といつものクリープハイプ節が
繰り広げられているのが印象的。
当時、この曲がテレビから流れる度にドキッとした。
でも、大手携帯会社のタイアップがきたからって、
「魂売りやがって」なんて思っこと、ないんだからね。
どこまでも売れていってよ、クリープハイプ。
体調には気をつけてくださいね。

9ナイトオンザプラネット

クリープハイプには深夜にゆっくり聴きたい曲がある。
そのまま、朝を迎えたいような。
「5%」だったり「僕は君の答えになりたいな」だったり。
この曲は、そんな曲。
もしもクリープハイプの曲を「額縁」に入れてそのまま飾れるのなら、
飾ってみたい。
このまま時が止まるなら。
クリープハイプのライブに行くと、いつもそんなことを思う。
楽しい時間は、朝を迎えずに、ずっとそのままでいてくれたらいいのに。

10しらす

アルバムに1曲は収録されているカオナシさんの曲を
毎度毎度楽しみにしているのだ。
今回は「しらす」かー!!
「しらすのお目目は天の川」確かに、しらすって美味しそうだし、
キラキラしてるかも。
猫猫猫、かわいいあんよ。
ふわふわしてて、美味しそう。
カオナシさんって、よく動物を食べるなぁ。
「カエル」もアンダンテくらいでアルデンテして茹でていませんでしたか?


11なんか出てきちゃっている

一体、何が、何が出てきちゃっているの????
ねぇ、何?あ、何?え、何だって?
偶然、ネジがゆるんじゃってるって?え?どこ?
どこよ?
どこが外れちゃってるの?
教えてよ、じゃあ、せーの!だよ、せーのではずそうよ

せーの!!!!


12キケンナアソビ

妖艶な雰囲気で、心臓をどくどく響かせるサウンド。
私、「キケンナアソビ」しちゃってる?
口だけなんて、嫌で、口だけじゃないこともわかってほしくて、
そんなの無理だって、
あなたの一番になんてなれないって。
これ以上なんて、無理だって。
そんなこと想像するなんて、
「なんか馬鹿みたい」
あなたとの幸せな日々なんて「夢みたい」
今回もエチエチな曲をいただきました。PVもなんとも妖艶でした。
ご馳走様です。

13モノマネ

「ボーイズENDガールズ」が個人的に大好きなので、
その続編と聞いた時にはゾクゾクした。
あなたと同じキーホルダーをぶら下げて、
おんなじ空を見上げて、
おんなじ家に帰って幸せだったのに、
すれ違っていく二人の気持ち。
今はただ昔の「モノマネ」みたいな日々。
人の気持ちはどうしてすれ違っていくんだろう。
ある晴れた日に、この曲を聴いて、歩いていたら、
昔の恋を思い出して、涙が出た。
わたしたちの日々はただの恋人のモノマネだったのかな?

14幽霊失格

好きな人が幽霊だったら、どうしよっか?怖いかな。
それでも好きかな?
幽霊じゃなくて、「幽霊失格」なのがよくて。
幽霊として、うまく幽霊になりきれないところが、私は愛しいんです。
それにしても、
この曲のイントロは、深夜に聴くと怖いです。
シャッフルで聴いた時に出てきた時は「ヒィッ」。
「成仏して消えるくらいなら いつまでも恨んでて
なんて言わせる 君は幽霊失格」
丑三つ時に、この曲をスキップしてしまう私は「ファン失格」

15こんなに悲しいのに腹が鳴る

「料理」で始まって、
二人で楽しく料理をしていたのに、
この曲が最後にくるということは、
二人は別れてしまったのかな?と私は解釈した。
すごく悲しい時、苦しい時、涙がたくさん出るのに、
お腹は減って、「なんだよ、馬鹿やろう」って思う。
「お腹、空気読めよ!」って。
何か食べたくなったり、お腹が減って、
「ああ、あたし、生きていたいんだ」って生かされていることがある。
悲しいのに、苦しいのに、
「生きたい生きたい死ぬほど生きたい」
明日も、明後日も、生きていたいです。図々しいくらいに。
だから、もう、腹が鳴れよ、存分に。


生きていてよかった、クリープハイプの新曲が聴けてよかった。
アルバムが聴けてよかった。
そして、クリープハイプのライブに行きたい。
生きる理由なんて、それでいい。それがいい。

最高のアルバムをありがとう。

この想いがいつか、
クリープハイプに届きます様に。






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