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青春と挫折の苦悩/映画『AWAKE』

新宿武蔵野館で鑑賞してきました!
練り上げられた脚本はまさにお手本のようでした…!
《予告編!》

【ストーリー】

《公式サイトより》
辞めたあと、何をしたらいいのか全然わからなかった。 でも、もし誰も思いつかないような自由な将棋を指す プログラムを育てることができたら―
将棋を辞めたことにも意味があるかもしれない。

大学生の英一は、かつて奨励会(日本将棋連盟の棋士養成機関)で棋士を目指していた。
同世代の圧倒的な強さと才能を誇る陸に敗れた英一は、プロの道を諦め、普通の学生に戻るべく大学に入学したのだった。
幼少時から将棋以外何もしてこなかった英一は、急に社交的になれるはずもなくぎこちない学生生活を始める。
そんなある日、ふとしたことでコンピュータ将棋に出会う。
独創的かつ強い。
まさに彼が理想とする将棋を繰り出す元となるプログラミングに心を奪われた英一は、早速人工知能研究会の扉をたたき、変わり者の先輩・磯野の手ほどきを受けることになる。
自分の手で生んだソフトを強くしたい―。
将棋以外の新たな目標を初めて見つけ、プログラム開発にのめり込む英一。
数年後、自ら生み出したプログラムを<AWAKE>と名付け、コンピュータ将棋の大会で優勝した英一は、棋士との対局である電王戦の出場を依頼される。
返答に躊躇する英一だったが、相手が若手強豪棋士として活躍するかつてのライバル、陸と知り―。

【感想】


まさに青春映画の名にふさわしい一作!
見始めた当初は「挫折する主人公に吉沢亮さん…?イケメンすぎない…?」と疑っていたんですが、やはり演技派。猫背になりながら常に体を揺すっていたり、目を見開いて常に一点を凝視する様などからある種「狂気」を感じられる。

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そんな彼が挫折によって打ちひしがれ、やがて再起していく様はまさに痛快!

そしてもう一人の主人公に若葉竜也さん!
映画『葛城事件』で初めて見た時は役どころも相まってかなり衝撃を受けた俳優さんなのですが、今作でも「勝ちにこだわる」新進気鋭のプロ棋士として登場。

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今や破竹の勢いでプロの階段を駆け上っていますが、幼い頃に一度主人公・清田に敗北し苦汁を舐めたことも。

その他、清田にプログラミング開発の手ほどきを教える大学の異端児・磯野役には落合モトキさんや、清田の良き理解者である父親役には中村まことさん等が熱演!

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将棋を知らない人(私もまったく詳しくありませんが…)でも楽しめる青春の王道ストーリーは『ヒカルの碁』や『クイーンズ・ギャンビット』に通ずる面白さ。
どこか映画『ピンポン』のペコとスマイルに似た、2人の若者の挫折と才能の物語でもある。

【気になった点】


少しだけモヤるところがあるとすれば、出てくる女性陣が揃いも揃ってそれぞれの主人公達を支える「聖母キャラ」だった事だろうか。あまりのステレオタイプなキャラクター付けに、なんとも勿体なさを感じる。
あとは「棋士」という「孤独に戦う象徴」から、「人工知能」という「皆で協力して作り上げる象徴」へと変化したのであれば、もっと協力者の「磯野」や「将棋部の面々」とのエピソードがあっても良いように思ってしまった。

【総括】


一度は挫折するも再び勝負の世界に立ち向かう主人公VS勝ちにこだわる新進気鋭の天才棋士の世紀の対局の結果は──!?
練り上げられた脚本と演出を堪能できる120分。
ぜひ劇場でご鑑賞ください!!

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