集合の不思議#1
「集合」にまつわるパラドックスは多い。そちらに興味がある方は、検索して別サイトをみてください。自分は、”6歳の子供に説明できる”程度に理解していないので、以下のような素朴な疑問だけに絞ります。
カントール集合という変わった集合について考える。この集合は、表題の図のように、長さ1の線を3等分し、真ん中を取り除く、という操作を無限に繰り返すことでできあがる集合のこと。まあ、難しく考えずに、図をみて、1本の線があり、まず、真ん中を除く、次、その下のように、残った2つの線をさらに3等分し、真ん中を除く、、、とずっと切っていくイメージを感じてもらえれば。これをずっとやっていくと、かなりスカスカな点列みたいな図になることは容易に想像できる。
スカスカなので”ルベーグ測度”というもので測ると0になる(この測度は普通の線ならば1とか有限の数になるが、このようにスカスカだと0になるような指標だと感じてもらえればいい)。
スカスカだけど、集合なので大きさがある(要素数といってもよい)。1から5までの数なら、5個というぐあいに。
スカスカなので、その大きさもかなり小さいとおもいきや、実数全体の大きさと同じ!なのだ。実数とは、小数点とかも含んでいい数のこと。数えきれないほどあるので非可算無限という大きさになっているが、カントール集合も実数の大きさ(濃度)と同じ非可算無限集合なのだ。
さらに驚くことに、さきほどルベーグ測度が0といったが、この測度がない、ということは、任意の実数がカントール集合に属する確率は0ということを意味する。実数と同じだけの個数があれば、どれかには一致しそうなものだが、そうはならない。
実数というものを人間の具体的な実体(頭であったり、体重、身長であったり)とする。カントール集合というものを人間の精神や意識と考えてみる。各人間に対して、実体と精神が1対1で対応づけられる(つまり、大きさ(個数)が同じだけある)にもかかわらず、精神はどこにある?と探してもどこにも”ない”という(測度ゼロ)イメージに近い。以下、以前の記事を2つ紹介しておく。