6歳の子供に説明できなければ理解したとはいえない#23「小数点を含むかけ算」
このシリーズで、整数(自然数)しかみてこなかった。なので、かけ算を足し算にすることは簡単だった。今度は、小数点を含むときどう理解すればよいか考えることにする。
まずは簡単な例から。0.2 X 1は?これは、現実世界で0.2という数が1つあるので、そのまま0.2だ。0.2 X 2 は?これは0.2が2つある、という意味なので、0.2 + 0.2 = 0.4だ。ここまではいいかな。
じゃあ、0.2 X 0.1 は??わからない。… わからなくなったら、すでに理解していることに置き換えてみよう。置き換えてもわからないなら、理解していない、ということなので、もう一回、理解しなさい。
このシリーズでは、かける「X」の意味を別の世界へ移す、ということで説明しようとしてきた。今回もその方針でいく。0.2 X 0.1 というのは、0.2 を0.1という別の世界へ移しなさい、と考える。理解しやすいように、現実世界を「メートル」の世界とする。0.2 X 0.1をメートルの世界で理解しなさい、ということになる。ただ、0.1という小数点が出てきてわけがわからない。なので、単純に理解できるように、しかもすでに理解している整数のかけ算にしたい。そうすれば、整数のかけ算は足し算になるのでもうわかったも同然だ。どうするか?メートルをセンチメートルにしてみよう。0.1メートルは10センチだ。なので、0.2 X 0.1 を 0.2 X 10 と置き換える(表題参照)。
ただし、置き換えると同時にセンチメートルの世界の話になる。センチ世界では、0.2 X 10の計算はもう簡単だ。これは、0.2が10個あるのと同じ。0.2足す0.2、、、と10回足すと「2」になる。これが答えだ。ただし、センチ世界での話。質問は現実世界、つまり、メートル世界での話だったので、センチ世界からメートル世界へ移らなければならない。そのときに、1メートルは100センチメートルという関係があるので、移るときに100で割る。センチ世界で「2」だったものを100で割るので、メートル世界では「0.02」となる。行ったり来たりして面倒だが、「わからない」で止まっているよりはましだ。
じゃあ、0.2 X 0.3 はどうする?これは、0.2 X 3 X 0.1 と考える。そして、「X0.1」は、今説明したようにセンチメートルの世界に移って考えるので、「X 10」という意味になる。センチ世界だと、0.2 X 3 X 10 = 0.2 X 30 となる。センチ世界で、0.2が30個あるので、「6」だ。これは、センチ世界の話だったので、メートル世界に戻して、100で割ると「0.06」となる。
なんだか、わからないなー、という諸君。じゃあ、今、千円札を1枚もっているとする。100円玉に両替すると何枚になるかな?10枚だ。千円の世界で1枚だったものが、100円の世界だと10枚になる。じゃあ、クイズ。100円の世界で100円玉20枚だったものを千円の世界にすると何枚になる?2枚だ。どう考えたか?20枚(100円世界)から千円世界に移るには10で割る必要がある。なので、20割る10で「2」がでてくる。メートルの世界とセンチメートルの世界と似てるでしょ?知らず知らずのうちに、実はそういった実際に計算できてしまっていることなのに「わからない」とあきらめてしまってはいないか?わからなくなったら、わかっていることに置き換えて考えてみよう。