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ベトナムの出生率低下と影響|持続可能な発展に向けた新たな提案

動画

https://youtu.be/nyCcXCn1VG4

教育と経済状況による出生率の差

ベトナムでは、教育水準と経済状態が出生率に大きく影響します。教育水準が低い人々、特に小学校以下の学歴の人々は、平均2.35人の子供を持つのに対し、高校教育以上の人々は平均1.98人となっています。

経済的にも、裕福な家庭は貧しい家庭よりも子供の数が少ない傾向があります。2023年の統計によれば、裕福な家庭の平均子供数は2人であるのに対し、貧しい家庭では2.4人です。

都市と農村との格差

都市部と農村部でも出生率には違いがあります。都市部の女性は農村部の女性よりも遅く少ない子供を持つ傾向があり、都市部では25~29歳の女性の出生率は1000人中127人と最も高く、農村部では20~24歳で1000人中147人と最も高くなっています。

特にホーチミン市では、20年以上にわたって出生率が代替水準を下回り、現在は1.32と全国で最も低い数値です。これは、都市部での高い教育水準、良い生活条件、遊びを重視する傾向が影響しています。

性別に対する偏見と出生率の不均衡

2019年のデータでは、裕福で高学歴のベトナム人は息子を持つ傾向が強く、出生時の性比は男児が女児を上回る傾向にあります。読み書きができない母親の場合、性比は107人の男児に対して100人の女児で、大学教育を受けた母親では114人の男児に対して100人の女児です。この性比の不均衡は、性別に対する偏見と先進技術の利用が原因です。

出生率低下と影響

ベトナムは2006年に代替出生率を達成しましたが、2023年には1.96に低下。この低下が続けば、35年以内に人口の負の成長が予測され、2069年には高齢者3人に対し子供2人という人口構成になる可能性があります。これは社会保障費の増大や労働力不足など、さまざまな社会的課題を引き起こす原因です

出生率向上に向けた政策提案

こうした課題に対処するため、専門家たちは持続可能な発展政策の必要性を提案しています。特に、子供を持つ家族を支援する政策への転換が求められています。国家議会のメンバーであるグエン・ティエン・ニャン教授は、最低賃金政策から生活賃金政策への移行を提案し、さらに週40時間、1日8時間の労働時間の短縮も提案しています。これにより、家族生活や子育て、個人の時間をより重視した社会の実現が期待されています。

参照

Vietnam's birth rate declines amidst disparity
https://vir.com.vn/vietnams-birth-rate-declines-amidst-disparity-114095.html


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