[ベトナム951日目]2023年投資促進プログラム:先進技術とテクノロジー分野に注力
2022年12月16日、計画投資省は2023年投資促進プログラムに関連するオフィシャルレター第9174/BKHDT-DTNN号を発行し、社会経済地域への投資誘致の可能性と重視される投資領域について概要を公表しました。
計画投資省
ベトナム政府の一部門で、国の経済発展に関する政策や計画を策定し、投資促進や産業振興を推進する役割を担っています。
計画投資省は、国内外の投資家や企業と連携し、投資環境の整備や投資プロジェクトの調整・評価、投資促進イベントの開催などを行っています。
また、経済分野の成長を促進するために、国内外の経済動向の分析や調査を実施し、投資政策の改善や新たな投資機会の創出を目的にしています。
2023年の投資促進
先進技術やテクノロジーを活用するプロジェクトを優先し、経済成長の観点から効果的ではない小規模投資、オフショアや単純労働を主とした産業プロジェクトは慎重に審査されます。
また、技術革新ができずに環境汚染を引き起こしている古い技術を使用するプロジェクトは誘致しないことが明記されています。
例えば、ハノイ周辺、ホーチミン周辺地域については以下のように述べられています。
①紅河デルタ地域
ベトナム北部に位置する地域で、ハノイ(Hà Nội)、ハイフォン(Hải Phòng)、フンユエン(Hưng Yên)、バクニン(Bắc Ninh)などの都市や省を含みます。
この地域は紅河(ホンハ/Sông Hồng)の流域に広がり、工業団地や経済特区の開発に有利な条件が多く、工業化と近代化に向けた発展した経済構造と優秀な人材を有している地域とされています。
紅河デルタ地域では、自動車や電子機器などの裾野産業、技術応用分野、環境技術、水処理、廃棄物処理、交通インフラ、都市工学などが投資の優先分野とされています。
将来の可能性
工業団地や経済特区の開発に有利な条件が多く、工業化・近代化に向け発達した経済構造と優秀な人材を擁する地域とされています。
投資誘致の優先分野
裾野産業、イノベーション、技術応用分野、環境技術、水、廃水・廃棄物処理、交通インフラ、都市工学など
②南東部地域
国の南部に位置し、ホーチミン市(Thành phố Hồ Chí Minh)を中心としていて、いくつかの重要な都市や省があります。
ホーチミン市(Thành phố Hồ Chí Minh)
ベトナム最大の都市で、経済・文化の中心地です。
活気溢れる都市であり、近代的なビルや歴史的な遺産、美味しい食文化が魅力。
経済成長が著しく、外国からの投資やビジネスチャンスが豊富で、観光スポットも多く、魅力的なショッピングや美しい街並みを楽しめます。
ビンズオン省(Bình Dương)
工業地帯として知られていて、経済成長が著しく、多くの工場や企業が進出しており、就職やビジネスの機会も豊富です。
また、現代的な都市開発と自然環境のバランスが取れた地域であり、住みやすさも魅力とのこと。
ドンナイ省(Đồng Nai)
ホーチミン市の東に位置し、工業化が進んだ地域で、工場や企業が集積し、経済が活発になっています。
また、自然環境も豊かであり、国立公園や美しい景観が広がっていて、住みやすい街並みや生活の便利さも特徴といわれています。
バリア-ヴンタウ省(Bà Rịa-Vũng Tàu)
ベトナム南部の海岸に位置し、観光地として知られていて、美しいビーチやリゾート地が広がり、観光客にとっての魅力が豊富です。
また、石油やガスの産業も盛んであり、経済的な重要性も持っている上、海の幸や豊かな自然環境が魅力の地域です。
将来の可能性
多様なインフラ接続システム (海港、国際空港、道路、水路、鉄道など) を備え、高いスキルを持つ優秀な人材に容易にアクセスできる地域と評価されています。
投資誘致の優先分野
ハイテク産業、最新技術 (IT、精密機械、オートメーション、新素材など)、高品質サービス (金融、銀行、物流、電気通信、輸送、観光)など
上記以外にも、全国の各地域についての概要が記述されています。
投資政策、特に将来の外資の投資プロジェクトに関するベトナムの受け入れ方針の一端を示すものとして、今後の追加投資や新規進出の参考になると考えられます。
余談
「高品質サービス(金融、銀行、物流、電気通信、輸送、観光)」にインフラと観光が両方含まれていて、個別に課題と対策が違うと思うんですけど!と感じました。
漠然と計画!と宣言してあとは地域の担当者が対応するとしたら、いつまでたっても現状維持だと思いました。
参照
9174/BKHDT-DTNN
2023年投資促進プログラム
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