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Gojekベトナム撤退 | 2018年からのサービスに幕

配車サービスの"Gojek"がベトナムから撤退です。Grabのシェアが42%に対し、Gojekのシェアは7%でベトナムの単価が低いことも原因のようです。

ひとことまとめ

動画

https://youtu.be/vFqOk7QCcic

アジア新興国市場における配車サービス業界の変動

アジア新興国市場で急成長を遂げてきた配車サービス業界に激震が走っています。インドネシアの大手配車サービス企業Gojekが、ベトナム市場からの撤退を電撃発表しました。

Gojekの成長とベトナム市場への進出

Gojekは2010年にインドネシアで創業し、当初は二輪車による配達サービスに特化していました。スマートフォンアプリの普及とともに急成長し、2015年にはアプリベースの配車サービスを本格的に開始しました。インドネシア国内での成功を受け、2018年にはベトナム市場に進出。GoVietというブランド名でサービスを開始し、2020年にはGojekブランドに統一しました。

ベトナム市場での競争と撤退の決断

ベトナムでは、二輪車や自動車による配車サービス、食品デリバリー、小口配送など幅広いサービスを展開していました。ホーチミン市やハノイといった大都市だけでなく、ビンズオン省やドンナイ省など地方都市にも進出し、急速に事業を拡大していきました。しかし、ベトナム市場での競争は激しさを増していきました。特に東南アジア最大の配車サービス企業であるGrabとの競争が激化し、市場シェアの獲得に苦戦を強いられていました。

GoToグループの戦略的判断

市場調査会社Q&Meの調査によると、バイク配車サービスの利用者の42%がGrabを選択しているのに対し、Gojekの利用者はわずか7%に留まっていました。Gojekの親会社であるGoToグループは、この状況を受けて経営資源の選択と集中を進める決断をしました。ベトナム事業の総取引額が全体の1%未満に過ぎないことも、撤退の判断を後押ししたと考えられます。

インドネシアとシンガポール市場への集中

GoToグループは今後、インドネシア国内市場とシンガポール市場に経営資源を集中させる方針です。インドネシアでは第2四半期のGojekの総取引額と完了注文数が過去最高を記録し、シンガポールでも市場シェアを伸ばしています。特にシンガポールは平均注文額が高いことから、収益性の高い市場として注目されています。

ベトナム市場の今後の展望と競争の激化

Gojekのベトナム撤退は、東南アジアの配車サービス市場の成熟化と競争激化を示す象徴的な出来事と言えるでしょう。各社が収益性を重視し始め、無理な拡大路線から撤退する動きが出てきています。一方で、ベトナムの配車サービス市場自体は依然として成長が続いています。市場調査会社モルドール・インテリジェンスによれば、2024年に8億8000万ドル、2029年には21億6000万ドルに達すると予測されています。年平均成長率は5%と、安定した成長が見込まれています。

ベトナム市場での新たな競争の行方

Gojekの撤退により、ベトナム市場ではGrab、Xanh SM、Beなどの企業間の競争が一層激化すると予想されます。特にローカル企業のXanh SMやBeが、Grabに対抗してシェアを伸ばせるかが注目されます。

Gojekの地域戦略の変化

Gojekは2021年にはタイ市場からも撤退しており、東南アジア地域でのプレゼンスが縮小しつつあります。一方で、インドネシア国内では依然として強固な地位を維持しています。今後は本国市場でのdominanceを固めつつ、シンガポールなど収益性の高い市場に注力していく戦略と考えられます。

業界の変革と将来の展望

配車サービス業界は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響も受けて大きな変革期を迎えています。各社の経営戦略の違いが明確になってきており、今後も業界再編が進む可能性があります。ユーザーにとっては、より使いやすく効率的なサービスが生まれることが期待されます。

関係者への影響と対応

Gojekは撤退に際し、「適用される法律や規制を遵守しながら、影響を受けるすべての関係者に必要な支援を提供する」と表明しています。ドライバーや従業員、取引先企業などへの配慮が求められる中、その対応も注目されるところです。

Gojekの今後に注目

東南アジアのテクノロジー企業の成長と変遷を象徴するGojekの動向。今後も目が離せない展開が続きそうです。

参照

Gojek rút khỏi Việt Nam
https://vnexpress.net/gojek-rut-khoi-viet-nam-4789095.html


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