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ホーチミンメトロの開業遅延5/6|ホーチミンメトロ1号線の開業遅延と第三者認証の課題

ホーチミンメトロ1号線は、訴訟問題や第三者認証の遅延により開業がに遅れ、さらに支援が必要です。開業は早くて年明けと予測されています。

動画

https://youtu.be/6za3Sm0kbwQ

ホーチミンメトロ1号線の現状

ホーチミンメトロ1号線プロジェクトは、訴訟問題が解決し、システム・設備一式がMAURに引き渡された後も、日本側には依然として多くの課題があります。特に、引き渡し後の開業前の支援が日本の責任範囲に含まれているため、開業にはさらなる困難があります。

開業前の支援とオールジャパンプロジェクト

最近の都市鉄道プロジェクトでは、開業前・開業後のオペレーション・メンテナンス(O&M)支援が含まれます。ホーチミンメトロ1号線もその例に倣い、システム・設備一式が施主に引き渡された後には、HURC1職員のハンドル訓練などの開業前支援が始まります。これにより、日本側の責任は開業まで続くことになります。このようなプロジェクトは、ソフト・ハード両面で日本の技術を輸出する例といえるでしょう。

第三者機関による認証の問題

開業に向けて、営業認可を取得するためには、第三者機関によるシステム・安全性評価認証が必要です。通常、営業許可は運輸省などの監督省庁が下しますが、認証能力や機能が不足している場合、施主側が外部機関に委託することになります。ベトナムには国鉄と運輸省が存在し、独自の規制を持っていますが、第三者機関に委託するというのは一種の責任回避とみなされることがあります。

外部認証機関の影響と課題

ヨーロッパ式の安全認証を導入している途上国では、第三者認証を行うのは外国人の個人商店であることが多いです。タイやマレーシアなど、物価が安く外国人の就労が容易な場所に拠点を置くことが一般的です。これらの認証機関は、しばしば「不良ドイツ人」などと揶揄されることもありますが、書類の不備を厳しく指摘する傾向があります。

このような認証機関による細かな指摘が、開業をさらに遅らせる要因となることがあります。例えば、ハノイメトロ2A号線の開業遅延も、第三者認証が主な要因でした。ホーチミンメトロ1号線においても、同様の状況が発生する可能性があります。

今後のタイムスケジュールと予測

現地報道によれば、在ベトナム日本大使がホーチミン市人民委員会委員長に外交書簡を送り、開業までのタイムスケジュールを設定しました。メーカー試験を7月までに終了し、その後、運転要員の訓練や試運転を経て、12月までに完了することを目標としています。しかし、訓練期間や第三者認証の影響を考慮すると、開業は早くても年明け以降になる可能性が高いとされています。

まとめ

ホーチミンメトロ1号線の開業遅延は、引き渡し後の支援、第三者認証の課題、そして外部認証機関の影響など、複数の要因が重なっています。これらの問題に対処するためには、関係者間の協力と早急な対応が求められます。ベトナムにおける鉄道プロジェクトの成功に向けて、引き続き注視する必要があります。


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