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ルポ 宗教二世当事者が語る『不都合な事実』第一回

宗教二世当事者Aさんの許可・監修のもと書き起こしています。
当記事は特定の団体・組織・この世のを貶める意図は一切ありません。

宗教に疎く、当事者ではない筆者に話を伺わせてくれたAさん。この機会に伺っていると、筆者の知らない世界が見えてきました。

改めて、Aさんよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。

Aさん「プライベートに関わるデリケートな話題だし、言うのも辛い。思い出すのもしんどい出来事のきっかけ…というか、原因になっているのが宗教だったりする。言いたくても言えないし、聞いてもらえない。そういう環境に置かれている人が宗教二世には多い。
世間が宗教二世と政治に関心がある今しか、こういう声って届かないと思うんです。」

漫画にさせていただけた部分以外にもあるってことですか?
あります。

――Aさんは親が旧統一教会信者ということですが、どのようなことがありましたか?

Aさん「正確には、元親。母親と父の弟一家が信者で、自分らしく生きるためには親族を捨てるしかないと気づいて、数年前に兄弟とも絶縁しました。親族と関わっていると、人生が悪いほうにしかいかないんです。」

――絶縁おめでとうございます。

宗教と関わったきっかけ


Aさん「親と暮らしていた幼い頃に母国を離れて、日本に住んでいる父の弟である叔父夫婦の家で暮らすことになりました。叔父とは小さい頃よく遊んでたので「叔父さんと暮らせるんだ!」って嬉しく思いました。
叔父の家にお世話になることになって、そこで初めて叔父の結婚相手に会いました。この結婚相手が私の人生が悪いほうに向かうきっかけだったんです。

父の弟が結婚した女性、叔母にあたる人物が統一教会の信者だった。なので、会った時には叔父夫婦は統一教会信者。いつの間にか実の親も入信していました。」

そのことについて何か思ったりしましたか?
いえ、当時は特に何も思わなかったです。

Aさんが日本で暮らすことになったのは1990年代後半。大規模な事件のあとで、宗教関係の話はタブー視された。
数ある新興宗教が「怪しくて悪いもの」として一部で扱われるようになり、政治・宗教・野球の話は気軽にしてはいけないものになった空気を作り上げた時期と一致している。

外国人コミュニティループ

Aさん「叔母の話の前に説明しておきたいことがあって。いいですか?
漫画でも話した『外国人無限ループ』のことなんですけれど、海外…主に欧米では「家族は大事」という価値観が強く存在します。
それと同時に「なにがあっても家族は味方でいないといけないから、家族から離れることは許されない」ことも存在してる。
私の周りは「家族」という概念から精神的に離れてなくて、親が奨学金や学費保険を使いこんだとか、給料を管理されているとか、私の周りでは当たり前だったんです。
その「家族」っていうのが、親兄弟だけじゃなく親戚一同になってくるから……。」

――それ家族やない、一族や。

Aさん「ですよね!(笑) 中学から日本に住むようになって、言葉も喋れないし見た目も違うので、浮きました。孤独を感じなかった日がなかったです。何か言われても分からないけど、自分が目立っているのだけは肌で感じてました。すごくいじめられたし…あ、でも今思えば叔母に孤立するように仕組まれてたかも。」

――というと?

孤独な子供って、悪い大人の良い養分になるんですよ。世間が分からないから。

孤独と弱者が狙われる


Aさん「叔母は在日韓国人で、かなり長く日本に住んでる人だったんです。周りの人とも普通に話していたし、多言語を話せる人だった。なので教えるのも上手いだろうと信じ切っていたんですね。

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