Apple Silicon製Mac発売
日本時間の11月11日の未明にApple Silicon製のMac3機種が発売されました。
詳細については公式ウェブサイトや各種レビューサイトを見ていただくとして、ここでは約20年間Macを使ってきたベテランMacユーザーとして所感を書きたいと思います。
私が初めて使ったMacは知人からもらったQuadraだったので、個人的には86k、PPC、Intel、Apple siliconと4回目のCPU変更になります。
PPCからIntelへの変更は当時、衝撃をもって迎えられました。私を含む強烈なMac信者は「IntelなんてWindowsの使っているCPUを使うなんてなんてことだ」「PPCは最強、Intelの性能なんて信じられない」と強く反発したのを覚えています。
事実、多くのPPCユーザーは所有しているMacを壊れても直して使用していましたし、強者になるとアップルのサポートが終了しても自力で修理するものが現れるほど。私もインテルMacを初めて買ったのはIntel Mac誕生から3年も過ぎた2009年でした。
しかし、今振り返ってみると、PPCの卒業は必然でした。PPCを作っていたモトローラは本来コンシューマ向けCPUを作ってはおらず、発熱もさる事ながらCPUのロードマップは1年単位ではなく5年単位と遅いものでした。
PPC最後のG5に至っては発熱問題を抑えられず、ついにノート型CPUができることはありませんでした。
今回のApple Siliconへの移行は前回Intelへの移行と比べると、ソフトウェアの互換性への懸念があるものの、ユーザーにとても受け入れられていると思います。
それはひとえにiPhoneでの成功のおかげだと思います。今まで見たことのないCPUではなく、既存のCPUが単にMacに搭載されると言うことは成功することは間違いなし、と言えるのです。
しかしながら今後の課題もあります。
それはソフトウェアの互換性です。アップルは今回の移行に際し、前回のIntel Mac移行でも使用したユニバーサルバイナリ、Rossetta2を用意していますが、ネイティブ化されないとソフトウェアの進化は発揮できないでしょうし、うまく動かずクラッシュすることも多いと思います。
次にサードパーティ製のハードウェアの互換性です。今回発表の3機種はいづれもGPUを搭載しないものです。つまり、現時点では高性能なグラフィックボードを搭載できないと言うこと。アップルは2年間で移行を完了すると言っているので、その間に解決するものだと思われますが、しばらくはApple Slicon製Macに高度な処理はさせられなさそうです。その他にも周辺機器によってはうまく動作しないものも出てくるでしょう。それについては先行して使用しているユーザーからの報告を待ちましょう。
このように懸念事項はあるもののとても心躍る新製品の発表です。iOS向けに作られてアプリケーションも動くとの話ですで、Macで使えるアプリが飛躍的に増えることが予想され、Macユーザーにとっては朗報です。
私も移行できる環境が整い次第導入しようと思います。