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RoonでPC/ネットワークオーディオ

Roonやネットワークオーディオに関心をお持ちの方に向けて、私のオーディオシステムをご紹介させていただきたいと思います。

オーディオシステムの構成


現在のオーディオシステムの全体像は下図の通りです。

システム構成(2022年夏)

住居は都内の狭小マンションなので、大型の機材は置けません。
音源はTIDALがメイン、再生ソフトはRoon (+ HQPlayer)になります。
いわゆるネットワークオーディオと呼ばれる体裁で、楽曲の選択・再生指示は主にiPhoneでコントロールしています。

ご想像通り、ケーブル類は収拾がつかずカオスの海になっていますが……..。

【動画】iPhoneでRoonを操作


Roonの構成


Roonの肝となる Core 〜 Outputを構成するソフトと機材について、拙宅での組み合わせ事例を紹介させていただきます。何かの参考になれば幸いです。

音源データは 「Intel Nuc(Roon Core)」 〜「 WindowsPC(HQPlayer)」 〜 「ZEN Stream」 〜「 DAC」という順にネットワークを介して流れます。

ストリーミングのフロー

■Source(音源)

TIDALがメイン。音源ファイルはNAS(Synology)に保存。

■Core

インテルNUC に Roon Optimized Core Kit をインストール。

Roon Optimized Core Kit とはRoon専用のOSで、Roonに関する処理以外は何も出来ない仕様です(PCのリソースは全てRoonの為に使われます)。
モニターは接続せず、WEBブラウザで経由で管理します(とはいっても、管理の必要性はほぼありません)。

CorePC(NUC)は音源に接続してライブラリを管理し、Controlアプリからの指示により楽曲データをHQPlayerに送信する機能を担います。

■Output

小型PC(Core i3 Win10 Pro )にHQPlayerをインストール。

HQPlayerは強力なアップサンプリング(最大1536kHzまで)機能と多彩なフィルターを備えた再生ソフトですが、プレーヤーとしてのインターフェースが弱く、これだけで使う気にはなれません。
HQPlayerをRoonのOutputとして使うことで、HQPlayerの高音質をRoonの洗練されたインターフェースで再生することができ、さらには、アップサンプリング機能をHQPlayerが担うことで、CorePCの負荷を下げることにもつながります。
モニターは接続しておらず、MACからRemote Desktop接続で管理しています。

HQPlayerはCorePCからの音源データをアップサンプリングしてZEN Streamへ送信。

ZEN StreamはLinuxベースの独自OSで動作するネットワークトランスポートです(ストリーマー機能に特化したPCとも言えます)。
ZEN StreamはHQPlayerの通信プロトコルNAA(Network Audio Adapter)に対応しており、なおかつNAAの排他モードで作動させることができます。
これも、HQPlayer PCの負荷を分散させることになります。
CorePCと同様、管理画面はWEB経由となりますが、通常は何も管理することはありません。

最終的に、ZEN StreamからUSB接続でDACに出力してアナログ変換します。

界隈ではPCの負荷を分散することでノイズの影響を抑えられる(音質がよくなる)とされており、拙宅のシステムもその考えにならっています。
尚、PCは小型の低発熱・ファンレス仕様のPCを選択していますので、物理的な騒音はほぼ皆無といってもよいかと思いますし、起動したままの運用ですが、問題なく作動しています。


*拙宅のNUCは第7世代で既にディスコン。オークション等で探せば安い個体が入手できるかもしれません。ファンはありますがほどんど廻りません。



Roonは難しい?


「よくわからいけどRoonに興味がある」と考えている人の中には、ここまでの説明で「Roonは難しい・面倒」といった印象をお持ちななった方がいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、Roonはパソコン1台あれば始めることができます。
お持ちのパソコン(Win、Mac)にソフトをインストールするだけで、とりあえず音は出ます。

ROONを最小構成で音出し(Mac Mini の例)

DACやアンプなど、手持ちの機材があるのならそのまま使えます。

手持ち機材があればより高音質に

Roonは高機能なアップサンプリングやイコライザ機能を内蔵していますので、音質を調整して楽しめます。

PCM 768kHZ DSD512までのアップサンプリングに対応
10バンドのイコライザ



最近ではオールインワンタイプのリーズナブルな機材も発売されているようです。

WIHI・有線LAN・DAC・アンプ全部入りでRoon対応、PCも不要です。
ミニマリスト気分を満喫できそうです。


Roonには14日間のFree Trialがあるので、気軽に始めることができます(アカウントを作成しクレジットカードの登録を求められるのでちょっととまどいますが、14日経過するまでに解約すれば費用は発生しません)。

「難しそうだから」という理由でRoonの導入をためらっているのであれば、とにかくFree Trial から始めて体感してみることをお勧めします。


価格に見合うか


再生ソフトとしてのRoonの価格は安くありません。

2023年1月より値上げされました。
年契約で月額約1700円(1ドル=135円)。
買切りだと11万オーバー!

導入すること自体は難しくありませんが、価格に見合ったパフォーマンスを引き出すとなると、追加の機材等が必要となることが想定されます。

Roonはネットワーク化する(Roon独自のネットワーク伝送プロトコル RAATを使用する)ことで音質が良くなると謳っています。PC1台で使うだけでは真価が発揮できません。

また、ストリーミングサービスを導入することで洗練されたライブラリー機能の楽しさを享受できるようになります。TIDAL等のハイレゾストリーミングと併せて使わないともったいないと思います。

価格に見合うかどうか、人により判断が分かれるところですが、音質はほどほどで手軽にPCオーディオを楽しみたいとうのであれば、他の選択肢があります。

私がこれまで使ってきたプレヤーソフトの特徴を一覧にしてみました。

評価はあくまでも個人の感想です

他のソフトに比べると高価にはなりますが、インターフェースの洗練度、ライブラリー機能の充実度、システムの安定性、将来的な拡張性など、現時点では総合的な完成度においてRoonが抜きん出ていると思われます。

Roonの音質改善は沼


音質にこだわるのであれば、機材を吟味し納得のいくシステム構築を追求するという楽しみ方があります。
デジタルリテラシーがあり、機材・オーディオアクセサリー沼をエンジョイできるメンタルをお持ちであれば、進化途上のネットワークオーディオの世界はマニア心理を満たしてくれるのではないでしょうか。

Roon ネットワークオーディオの音質改善で検討対象となる機材

・オーディオ専用ルーター(一般回線からの分離)
・光メディアコンバーター(LAN回線のノイズ対策)
・オーディオグレードのハブ
・オーディオグレードのLANケーブル
・オーディオグレードのUSBケーブル
・USBアイソレーター
・ネットワークトランスポート
・Roon CORE の分離(COREを担う専用PCの導入)
・HQPlayerおよび専用PCの導入
・NAS(オーディオファイルの保管)
・各機器用の電源

などなど(まだまだあると思います)。
物量も費用もばかになりません。


パソコンは苦手、雑多な機材は不要、ゴチャゴチャしたケーブルは見たくないという方には、「Nucleus(Roon Labs社が開発したRoon専用サーバー)」という選択肢もあります。



趣味としてのオーディオですから、楽しみ方は人それぞれですね。
マニアックな内容の長文におつきあいいただき、ありがとうございました。


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