私たちが「コミュニティづくり」の一番最初にしたこと|@GVチームランチ
ジェネシア・ベンチャーズの吉田です。
先日、Gazelle Capitalの近藤さんにお声がけいただいて、ウェビナーに登壇しました。(本当に貴重な機会をありがとうございました!)
私はコミュニティ・マネージャーという肩書の持ち主ではないですし、コミュニティづくりの専任担当者でもないのですが、ジェネシア・ベンチャーズでは、メンバー一人一人がコミュニティづくりにオーナーシップをもって取り組もう!という方針があるため、個人的にも「コミュニティ」というテーマについてはこれまでいろいろと考えたり試行錯誤したりしてきた経緯がありました。
その経緯を踏まえて、視聴してくださっている方々に一体どんなお話ができるだろうか?価値を感じていただける話題提供はできるだろうか?とあれこれ悩みながら臨んだのですが、当日お話しさせていただいた、「私たちがコミュニティづくりの一番最初にしたこと」というお話が、思いのほか(!)ご興味を持っていただけたかなと思ったので、こちらにも残しておきたいと思います。
これさえやっておけばうまくいく!というようなテクニック論ではありませんし、コミュニティづくりにおいて必ずしも不可欠なフローではないかなと思いますが、個人的には、一緒にコミュニティづくりに関わるメンバー同士でそれぞれの意識や認識を確認し合う一つのきっかけになったかなと思っています。
これからコミュニティを作りたい、何から始めたらいいだろう、という方のご参考になればうれしいです!
ワークショップをしよう!
ジェネシア・ベンチャーズでは、チームビルディングの一環として、月に一回オンラインでのランチ会(Team LUNCH)を開催しているのですが、これからコミュニティづくりを始めようかという昨夏、そのランチ会で「コミュニティって何だろう?」というテーマでおしゃべりする機会を設けました。
ランチ会(ワークショップ)にあたっては、こんなイントロをつけました。
▼ワークショップの前提
私たちは、「アジアで持続可能な産業がうまれるプラットフォームをつくる」というミッションを掲げていますが、この「プラットフォーム」は“目的に向かう人と人の有機的な集まり”といったニュアンスで、「コミュニティ」と解釈することもできるのではないでしょうか?
ジェネシア・ベンチャーズの施策の軸となる一つのキーワードとして、また、各メンバーのアクションプランや施策の中にこれまでにもしばしば登場している、この「コミュニティ(プラットフォーム)」という言葉ですが、まだまだ実現への伸びしろが大いにあると思います。
今後さらなるコミュニティづくりを目指す上で、「どんなコミュニティをつくりたいか?」という目線はもちろんのこと、「そもそも「コミュニティ」をどんなふうに捉えているか」、また一方で、「自分が参加する側だったらどんなことを感じているか?」「作られたコミュニティに参加させられるとしたらどんなコミュニティがいいか?」という目線も私たちにはあるはずです。そして、その目線や捉え方にはそれぞれ違いがあるはずです。
その違いを認識することが、コミュニティづくりの一歩目になるのではないかと思います。
そこで、今回改めて、「コミュニティ」とは何か?私たちはそれをどう捉え、その上でどんな「コミュニティ」を目指していくのか?というテーマにみんなで向き合ってみたいと思います!
▼ワークショップの目的(ふんわり)
・これをきっかけに、今後のコミュニティ(プラットフォーム)づくりに関するアクションプランやその成果/成果の設定がよりシャープになること
・(私たちはできるだけその主宰・マネジメント側を目指しますが)人それぞれでコミュニティとのいろいろな関わり方や付き合い方があるという点を、視点を変えながら相互認識していけるといいかなと
改めて見ると、至極まじめな感じのイントロですが(笑)、ランチ会というカジュアルな場が前提だったので、わりと軽やかに提案できたような気がします。あんまりガチガチにならないことも、実は大事だったりするのかなと。
ワークショップのテーマ
ワークショップの開催にあたっては、事前に以下のような問いをワークシートに書き起こしておき、回答も事前に書き込んでおいてもらいました。
そして当日は、参加メンバー10名で1.5時間ほどをかけて、それぞれの考えを共有しました。(もちろんランチを食べながら^Q^)
1.あなたが「コミュニティ」を一言で表現するとしたら何でしょう?
どんな目的?何人くらい?どんな頻度で接する?どんな場がある?どんなツールがある?などもヒントになるかも。参考にした資料やWEBサイトなどがあれば、一緒に貼っておきましょう!
2.あなたが“所属”している「コミュニティ」を挙げましょう!
3.中でも、あなたが“参加”している「コミュニティ」を挙げましょう!
4.あなたが“主宰”側にいる「コミュニティ」があれば、挙げましょう!
5.それぞれの「コミュニティ」の中で意識していることはありますか?
“所属”、“参加”、“主宰”しているそれぞれのコミュニティで意識していることがあれば挙げてみましょう!
6.それぞれの目線で、「いいコミュニティ」の条件は何でしょう?
“所属”、“参加”、“主宰”しているそれぞれのコミュニティの「いい」ところがあれば挙げてみましょう!
7.その上で、ジェネシア・ベンチャーズが目指す「いいコミュニティ」とは何でしょう?
私たちは今後、コミュニティを“主宰”していきます。“参加”、“所属”する目線も踏まえて、「いい」を“主宰”するとはどういうことか/どんなことが必要か、考えてみましょう!
改めて見ると、なかなかたっぷりなボリュームですが(笑)、それぞれの回答もたっぷりで、メンバーがみんな真剣に考えてきてくれたのがよくわかりました。感謝感謝!
ワークショップを振り返って
詳細は割愛しますが、「いいコミュニティ」については、概ね意見が合っていたように思います。
一方で、「コミュニティ」というものの捉え方は本当に人それぞれで、「そもそも“参加”や“所属”という区別をしていない」「参加するときも主宰するときも同じことを意識している」「いや、やっぱり主宰する側とそうじゃない側ではマインドが違う」など、いろいろなコメントがありました。住んでいる国や地域をコミュニティとしたメンバーもいれば、家族をコミュニティにしたメンバーも、そうでないメンバーもいました。
今回のワークショップの目的は、それぞれの考えをまずは認識し合おうというものだったので、良し悪しの判断などはせず(そもそもそういうものはありませんし)、お互いの考えをじっくりと聴く機会にしました。
実際にコミュニティをつくろう!運営していこう!となれば、ルールなどの“ハード面”の設定が必要になりますが、まずこうした“ソフト面(マインドの部分)”を共有することで、「いいコミュニティ」の姿がなんとなく共通認識として持て、“ハード面”の設定にも入りやすくなっていくように思います。
参考資料
1.FoundX 馬田隆明さんのスライド
コミュニティの虎の巻!といえば、ご存知の方も多いであろうこちらのスライドじゃないでしょうか!本当に実践的な学びが大きいです。
私も実際にワークショップの中で、こちらのスライドを参照させていただくコーナーを設けました。
「コミュニティとは何か」
「コミュニティは衰退する」
「コミュニティは変化する(人もしくみも)」
特にこのあたりは、当日の参照コーナーで全員で確認しました。
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2.「最高の集い方 記憶に残る体験をデザインする」
これは2020年頃に読んだ書籍です。コミュニティというよりはファシリテーションにフォーカスした内容ですが、大きな意味での場づくりやイベント設計についても触れられています。
個人的にかなり影響を受けた書籍で、ワークショップやプロジェクトも含めた、「場」にまつわる何かを考えて実践するときに今も意識しているポイントがたくさんあります。いくつか抜粋です↓
■特殊性と独自性:
この会はほかの会とどう違うのか?「強烈な主張」があるのか?ゲストの(ホストの)心をザワつかせるような仕掛けはあるか?あれもこれも盛り込んで全員を満足させようとしていないか?
「強烈な主張」は必要。集まりとは「自分の主張を宣言する場」と考えてみてほしい。そうすれば、その集まりならではの目的がはっきりと見えてくる。何かを切り捨てることは、誰かに疎外感を与えることではない。
■自然体にNOを:
「自然体(チル)」がいいという世間一般の感覚があるが、アラナ・マッセーは「チルになるな」という。それは、「受け取るばかりで何も与えないこと」だと。
(著者の意見としても)「自然体」は、集まりの主催者として最悪だ。実際それは責任を放棄している。ゲストの満足感よりも、自分がどう見られるかを優先しているから。
■その場限りのルール:
世界が多様化している中で、その場に合わせたルールが増えてもおかしくない。マナーが不変で押し付けがましく排他的で抑圧的だとしたら、その場限りのルールは逆に、実験的で謙虚で民主的で自由であり、新しい作法の実験である。ルールのおかげでひとときの別世界が生まれ、遊び心を持つことができる。
おわりに
私も、私たちチームも、まだまだ試行錯誤の最中ですが、前提としてそれぞれの視点の合っている部分や違っている部分を認識し合い、その上で目的を共有してプロジェクトを進めていくことが、チームにとってはとても大切なのではないかなと思っています。
これからもこうしたテーマにいろいろな角度から向き合っていきたいと考えていますし、ぜひたくさんの方と情報交換していきたいと思っていますので、ご興味があればぜひお声がけくださるとうれしいです!
Twitterこちら。
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最後に、お知らせです。
ジェネシア・ベンチャーズは、「すべての人に豊かさと機会をもたらす社会を実現する」というビジョンを掲げ、次の大きな産業を生み出すための「共創」の場=プラットフォームをつくろうとしています。そして、そのためには、社会全体が一つのチームとしてそれに向かう必要があると考えています。TEAM by Genesia.は、そのためにつくったコミュニティです。ご興味をお持ちいただけるようでしたら、ぜひ以下のリンクからご登録ください!
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