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36歳になるカーメロ・アンソニー

「もうダメだ」と言われながらも今季ブレイザーズで安定した活躍を見せているカーメロアンソニー。まだまだNBAでプレーできることを証明したがそれと同時に、超えられない年齢の壁の存在も感じさせるシーズンになっている。今回はそんなカーメロについて書いてみる。

全盛期のカーメロ・アンソニー

カーメロの全盛期はいつなのだろうか。オールスターに初出場した2006~07シーズンからニックス最終年となった2016~17シーズンあたりまでだろうか。ジャブステップからのモーションが速すぎるジャンプシュート、美しいフットワークでのターンアラウンドなど多彩なスキルでミドルレンジを支配する生粋のスコアラーだった。特に2012~13シーズンのケビン・デュラントとの得点王争いは印象に残っている。この頃を知っているNBAファンはみんなカーメロのこと大好きだと思う。それくらいかっこよかった。

生粋のスコアラーの皮肉

これまで輝かしい実績を残してきたカーメロだが、彼のような生粋のスコアラータイプのスーパースターは全盛期を過ぎてしまうと途端に肩身が狭くなるような扱いを受けてしまう。カーメロもニックスの次に所属するチームがなかなか決まらなかった。一体なぜだろうか。それは、


主役にしかなれないからだ。


選手の補強をする際、どんな選手をチームの中心に据えたいと考えるか。きっと若くて伸び代のある選手(ルカ・ドンチッチやザイオン・ウィリアムソンなど)、もしくは今すぐチームを優勝候補に押し上げてくれる選手(レブロン・ジェームズやカワイ・レナードなど)だろう。当時33歳のカーメロは残念ながらそのような選手ではなかった。

もしカーメロがビンス・カーターのようにベテランになるにつれてプレースタイルを変化させることができたらカーメロを欲しがるチームはいくらでもあったと思う。ただ、カーメロはカーメロ。彼は主役になることを望んだ。ファンとしてもそうあってほしかった。ベンチ出場を受け入れるカーメロなどまだ見たくなかった。サンダー、ロケッツを経て結果的にカーメロらしいプレーをある程度させてもらえるブレイザーズに落ち着いて嬉しかった。ただ皮肉だなと感じるカーメロの移籍劇だった。

ブレイザーズでの現在

ブレイザーズの中心人物はデイミアン・リラードとCJ・マッカラムの2人だ。カーメロはオフェンスで第3オプションを任されており、カーメロの1対1能力がバックコートコンビの負担軽減に一役買っている。今シーズン20得点以上を14試合で記録するなど持ち前の爆発力はまだまだ健在なようだ。特にインパクトが強かったのはブレイザーとしての4試合目、25得点の活躍を披露した11月26日のブルズ戦。この試合でやっぱりカーメロはまだまだできるんだよなと確信した。

ただ

ディフェンスはやはり限界があると感じざるを得なかった。

これは分かっていたことだし、高速化した現代バスケについていけるようロケッツ在籍時より明らかに体を絞るなどカーメロもできる限りのことはやっているのでしょうがない、と言って終わらせても構わないことであるが、諦めたくないので考えてみる。

カーメロのディフェンス

「あぁカーメロぉ」と嘆きたくなってしまうディフェンスのシーンで一番多いのはスクリーンの対応をする時。特にオンボールの失点に直結してしまう場面で目立ってしまう。カーメロは基本的にPFのポジションで起用されることが多いのでスクリーンをかける選手をマークしているのを想像してほしい。

スクリーナーをマークするディフェンスがとる選択肢はいくつかある。チームディフェンスがどういう決め事になっているか次第で変わるが、大きく分けてドロップ、ショウ、トラップ、スイッチの4つだ。ただどの守り方を選択するにしても素早くポジションについてボールハンドラーを待ち構えなくてはならないことに変わりはない。中途半端なピック&ロールディフェンスは確実にディフェンスの崩壊を招く。

これがカーメロは甘い。的確なポジショニングで激しいプレッシャーを与えられたらボールハンドラーの自由を奪うことができるが36歳になるカーメロにこれはなかなか期待できないように思える。どのチームもスクリーンを起点にオフェンスを組み立てる今の時代、平均30分以上出場する先発PFがピック&ロールをうまく守れないのはチームディフェンスの明確な弱点になってしまう。胸が痛い事実だ。

ディフェンスにおけるPFの重要性

現代バスケはスクリーンを起点にオフェンスを組み立てるのが常識だ。オンボールかオフボールか、どの位置でどんな角度でやるのか、誰が誰とやるのか、工夫次第で無限のレパートリーを作ることができる。

その無限のレパートリーをどう守るか、これがディフェンス側の至上命題になる。先ほども紹介したがスクリーンの対応のパターンは基本的にドロップ、ショウ、トラップ、スイッチの4つ。これらを駆使してオフェンスの仕掛けてくるスクリーンの無効化を目指す。

スクリーンに対処する際、最も嫌なのはミスマッチが発生すること。スピード、サイズのミスマッチができるとそのマッチアップがオフェンスの狙いどころになってしまう。だから複数のポジションを守れるユーティリティーな選手がいるとチームとしてはとても頼もしい。

そこで、そういったユーティリティーな活躍を一番期待できる、そして求められるのがPFだ。

いくつか例を出すとすればバックスのヤニス・アデトクンボやラプターズのパスカル・シアカムなどになる。スピードのあるガード、パワーのあるビッグマンどちらもマークできる彼らのような選手がいるかどうかがチームディフェンスの質を左右する。PFの潤滑油としての貢献はチームディフェンスにおいて極めて重要なポイントだと思う。

カーメロの役割

カーメロに話を戻そう。PFのディフェンスでの重要な役割について述べたがカーメロはディフェンスの要になることを求められている選手ではない。カーメロに求められているのは得点力だ。なのでブレイザーズは別のポジションの選手にディフェンスリーダーとしての役割を任せる必要がある。

じゃあ誰に?

ホワイトサイドとヌルキッチ

Cのホワイトサイドかシーズン中断によりギリギリで復帰が先延ばしになったヌルキッチがディフェンスでリーダーシップを発揮してくれればカーメロを補える存在になる。今シーズンはヌルキッチが怪我していたのでホワイトサイドが当然のように先発出場していたがヌルキッチ復帰後はどちらが先発を務めるのか。「カーメロを補えるのはどっち」という観点で考える。

「どう考えても今シーズンリーグ2位の14.2リバウンド、同1位の3.1ブロックを記録しているホワイトサイドだろ」

分かる。この数字はとてつもない。

ただ、果たしてそうなのだろうか。

カーメロを補えるセンタープレイヤー

「カーメロのディフェンス力を補う」=「チームディフェンスのバランスをとる」

この方程式が成り立つとして、ホワイトサイドが当てはまるのだろうか。ホワイトサイドのリムプロテクターとしての能力はピカイチ。言うまでもない。ただブロックを狙いすぎるあまりポジショニングを誤ることがよくあるのも事実。ディフェンスが不安なカーメロの隣に諸刃の剣のディフェンダーを並べるから安定しないのかもしれないなと今シーズンのブレイザーズを見ていて感じる。

だからヌルキッチを推したい。ヌルキッチは昨シーズンのプレーオフ、ニコラ・ヨキッチとのフィジカルな争いで献身的なディフェンスを見せていたのが印象深い。なのでカーメロとの相性はヌルキッチの方が良いと予想している。この組み合わせを見る時がいつになるのかは分からないが楽しみにしていたい。

ホワイトサイドは、こちらも怪我からの復帰が待たれるコリンズと組み合わせて出場させると相当な威力を発揮すると思っている。堅実で割と機動力のあるビッグマン、コリンズとホワイトサイドのコンビはこれまた強力だ。

つまり、カーメロ×ヌルキッチ、コリンズ×ホワイトサイドの2組を交互にプレーさせるのが良いと考えている。こう見ると怪我さえなかったらブレイザーズのフロントコートはかなり充実のラインナップだ。プレーオフ圏内は余裕でしょ。

最後に

カーメロに期待できることと期待できないこと、これがはっきりしているのでうまく補えばカーメロの魅力を最大まで引き出すことができるはず。36歳の誕生日を迎えてもなお一線級のプレイヤーであることは間違いないカーメロ・アンソニー。まだまだ輝いてほしい。

あーーーーーー。優勝してくれカーメロ。全力応援!


今回はここで終わります。noteの記事としてボリュームちょうど良いのかどうかよく分からないけどまあいいや。

では。


YouTubeあるので是非

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