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山小屋グルメ

一昨日のヘリコプターの物資輸送と日頃の歩荷さんの食材運搬により、ついに尾瀬小屋自慢のやまごやグルメが全商品提供可能となった。

2023年尾瀬小屋グルメ

これが標高1420mに位置する歩いてしか辿り着けない山小屋レストランのメニューである。実はここには載っていないが、裏メニューや期間限定メニューも存在するからお立ち寄りの際はお気軽に訪ねてみてほしいい。実にこの三年間で生まれた尾瀬小屋レストランメニューは50品にも及ぶ。これまでに沢山のお客様に食べて頂き万感の想いだ。

平日にも関わらずご来店下さるお客様

お客様に言われた事がある。
尾瀬小屋さんはどこまでやるんですか?と。
僕もこれについては分からない。
提供時間を早める事、品切を起こさない様にする事などなど高みを目指せばキリがない。ここは5つ星ホテルではないし、20時消灯の山小屋だ。でも、いつだって『美味しい山小屋=尾瀬小屋』でありたい。
だからこそ終わりがあるとするならば、お客様にサービスが行き届かなくなったり、働く仲間達に無理が生じるような環境になった時が我々のチャレンジの終着点なのかなと思っている。

2020年立ち上がったあの日

右も左も分からない我々が同じ方向へと歩みだしたあの日。沢山辛い想いをさせたり、苦労や負担をかけた仲間達。今、思う事は本当に強くなったと思うし、誇れる魅力ある人間に成長したなとつくづく思う。
多くの言葉は交わさなくとも、悩んでるなとか疲れてるなとか今調子いいなとか何でも分かるくらいの関係にはなった。そうした彼ら彼女らに、今年も頑張ってくれた恩返しを何にするか、それぞれが喜んでくれそうな事を考える時間は私の楽しみのひとつでもある。

小屋明け以降体調不良の私

ついに、ギブアップをして病院へ行くため下山した。歩きながら考えていた事は小屋のことやスタッフの事、お客様の事ばかりだ。私が抜けた事でまた皆への仕事の負担が増えた事だろう。事前に連絡を頂いていて、私を目掛けて来てくれるお客様にも申し訳ない事をした。今日ほど至仏山や燧ヶ岳がかすんで見えた事はない。不甲斐ない。

体調不良の原因への不快感もそうだが、
体調不良で下山という自分への嫌悪感もあった。
そして、最寄りの大きな病院へは4時間だ。
簡単に病院へ辿り着けないのが、山小屋にいる者の宿命だよなと、そんな事を考えながら見送ったはずのツアー参加者達をごぼう抜きし鳩待峠へと降り立った。

とにかく何事もなく山小屋に戻れるようしっかりと診てもらおう。2023年の営業に差し支えないよう、心から祈りつつ待合室で記事を更新する6月の始まりだ。

尾瀬小屋
工藤友弘

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