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尾瀬のミニ観察~第29回~

前回は、「ミツバチを増やすな」を紹介しましたが、今回は「ズミ(別名 コリンゴ)」についてご紹介します。

(29)「ズミ(別名 コリンゴ)」

 6月に林縁を真っ白な5弁の花で彩るズミ、分類上はリンゴと同じ仲間だという。この花は甘く香っているので、登山者に楽しんでいただける。
 花には体長13mmのヒメハナバチの一種と、より小さいズマルコハナバチとが頻繁に訪れ、雄しべや雌しべを抱え込むようにして花粉を集めていた。
 山の鼻田代で見かけるハチは、マルハナバチ類が最も多いのだが、ズミの花を訪れた昆虫の80%はこの2種の黒くて目立たないハナバチであった。

筆者紹介
田中 肇(たなか はじめ)
フラワーエコロジスト
専門は花生態学
著書は「花と昆虫がつくる自然」(保育社 尾瀬の花の生態を多く取上げた)、「花の顔」(山と渓谷社)ほか多数

(2017年3月発行「はるかな尾瀬」より抜粋)

次回は、「アオヤギソウ」についてご紹介します!