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尾瀬のミニ観察~第3回~

 前回は、「キンコウカ」を紹介しましたが、今回は「エゾリンドウ」についてご紹介します。

(3)「エゾリンドウ」

 花は閉じていることが多く、昆虫が来るのか心配になるが、それには理由がある。
 山の天候は変わりやすく、うっかり咲いていると、にわか雨が花に入り、花粉を水浸しにして生殖能力を奪われてしまう。花はそれを防ぐためちょっと曇ると閉じるが、頭のいいマルハナバチに受粉を任せているので安心だ。マルハナバチは花びらをこじ開けて入り、蜜を吸う。
そして「こんにちは」と出てきたときパチリ。
チャンスを狙おう!!  

  

筆者紹介
田中 肇(たなか はじめ)
フラワーエコロジスト
専門は花生態学
著書は「花と昆虫がつくる自然」(保育社 尾瀬の花の生態を多く取上げた)、「花の顔」(山と渓谷社)ほか多数

(2008年11月「はるかな尾瀬」より抜粋)

 次回は、「リュウキンカ」についてご紹介します!