尾瀬のミニ観察~第13回~
前回は、「ミズバショウの花」を紹介しましたが、今回は「コオニユリの雄しべ」についてご紹介します。
(13)「コオニユリの雄しべ」
夏、湿原でコオニユリのオレンジ色の花が咲くと、キアゲハが訪れて蜜を吸い花粉を運ぶ。
雄しべは、ゆるい曲線を描いて花の下にのび出た花糸の先に、濃いオレンジ色の花粉を出す葯をT字形つけている。その葯はゆらゆらと揺れやすく、電気掃除機の吸い込み口のようだ。掃除機の吸い込み口が床に平らに接するのと同様に、葯はチョウの羽が触れたとき、ピタッと羽に接して、粘りの強い花粉をつける。私は「これはチョウ汚し機だ」と言っている尾瀬ヶ原が最も美しいのは雨の日だ。そして植物たちは晴れた日とは違う振る舞いを見せてくれる。
次回は、「ヒメシャクナゲ」についてご紹介します!