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尾瀬のミニ観察~第12回~

前回は、「花びらって何?」を紹介しましたが、今回は「ミズバショウの花」についてご紹介します。

(12)「ミズバショウの花」

 ミズバショウは白い苞の中の緑色の柱が花の穂だ、と植物学では教えられる。では花はどんな形だろう。
 花は4つの緑色の花被片が、雄しべ4本と雌しべ1個を上下左右から包んでいて、菱形に見える。この花はまず、写真の左右の花のように、点のような雌しべの先を出して花粉を受ける。その後中央の花のように、下側の花被片の中に隠れていた雄しべが伸び出て、黄色い花粉を出す。翌日は上の雄しべ、次の日に左か右の雄しべ、最後に残りの雄しべがと、変化する。

筆者紹介
田中 肇(たなか はじめ)
フラワーエコロジスト
専門は花生態学
著書は「花と昆虫がつくる自然」(保育社 尾瀬の花の生態を多く取上げた)、「花の顔」(山と渓谷社)ほか多数

(2011年3月発行「はるかな尾瀬」より抜粋)

次回は、「コオニユリの雄しべ」についてご紹介します!