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尾瀬のミニ観察~第15回~

 前回は、「ヒメシャクナゲ」を紹介しましたが、今回は「ミズバショウの花に来る昆虫は?」についてご紹介します。

(15)「ミズバショウの花に来る昆虫は?」

 花が満開のミズバショウの群落には、甘く穏やかな香りが満ちている。
 この花の花粉を媒介する昆虫との最初の出会いは、テレビの撮影で訪れた福島県の湿原だった。花の姿と香りからの期待に反し、それはハエの仲間だった。その後、尾瀬で調査したさいも、花にくるのはハエだった。およそ50個の花序に1匹の割で見られたが、ハエは蜜も何もない緑色の花被をなめていた。そこに何が有るのか不明のままなので、明らかにすれば新発見になるはずだ。

筆者紹介
田中 肇(たなか はじめ)
フラワーエコロジスト
専門は花生態学
著書は「花と昆虫がつくる自然」(保育社 尾瀬の花の生態を多く取上げた)、「花の顔」(山と渓谷社)ほか多数

(2012年10月発行「はるかな尾瀬」より抜粋)

次回は、「アケボノソウ」についてご紹介します!