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尾瀬のミニ観察~第1回~

 これから31回にわたり、「尾瀬のミニ観察」ということで、尾瀬に生育する植物の特徴や不思議についてのショートコラムをお届けします。第1回は「サワギキョウ」をご紹介します。毎週更新しますので、是非ご購読ください。

(1)「サワギキョウ」

 紫色が美しいサワギキョウの花に触れてみよう。
 花びらは手の指のように5つに裂けて、マルハナバチが来るのを待っている。花びらの上に弓のように伸びているのが、雄しべだ。穂の上の方に咲いている花の、雄しべの先を指で3秒ほどそっと触れていると、白い花粉がもこもこと湧き出てくる。虫メガネだとよく見える。こうやって、ハチが来たときに花粉を渡すのだ。

筆者紹介
田中 肇(たなか はじめ)
フラワーエコロジスト
専門は花生態学
著書は「花と昆虫がつくる自然」(保育社 尾瀬の花の生態を多く取上げた)、「花の顔」(山と渓谷社)ほか多数

(2008年6月発行「はるかな尾瀬」より抜粋)

 次回は、「キンコウカ」についてご紹介します!