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尾瀬のミニ観察~第21回~

前回は、「ヒツジグサ」を紹介しましたが、今回は「ニッコウキスゲ」についてご紹介します。

(21)「ニッコウキスゲ」
(花期 7月)

 「花は1日花だ」と書いている図鑑や記事を時々見る。しかし「この花は2日間咲いている」と1995年に野原精一氏が報告しており、私も同じ結論を1999年に書いた。また写真家の猪狩貴史氏は連続写真で確認し2005年に提示している、のにである。
 前回のヒツジグサの開花時刻の話と同様、自然界は先人が見落とした事実に満ちている。皆さんはその自然の只中で活動しており、発見のチャンスに取り囲まれているのだ。観察し発見しよう!!

筆者紹介
田中 肇(たなか はじめ)
フラワーエコロジスト
専門は花生態学
著書は「花と昆虫がつくる自然」(保育社 尾瀬の花の生態を多く取上げた)、「花の顔」(山と渓谷社)ほか多数

(2014年9月発行「はるかな尾瀬」より抜粋)

次回は、「カワラハンノキ:雌の赤い穂」についてご紹介します!