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DTMが上手くなる音ゲー、ポップンミュージック
突然だが、今回はDTMが上手くなる音ゲーについて話していきたいと思う。
サンプルはもちろんこの私である。小学生~高校生の間、今回紹介する音ゲーを遊び続け、現在は作曲家として仕事をしている。
その音ゲーとは……
pop'n music(ポップンミュージック)だ。
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待ってくれ、ブラウザバックしないでくれ、最後まで話を聴いて欲しい。私は大真面目である。
今回はpop'n musicをプレイするとDTMが上手くなる理由について、とても真面目に書いていこうと思う。
ポップンミュージックとは?
pop'n music(以下ポップン)はコナミが開発しているゲームで、1998年から現在に至るまで稼働している歴史の長い音ゲーだ。
赤、青、黄、緑……といったカラフルな9ボタンをリズムに合わせて押すことで、様々な楽曲を演奏する。
可愛らしくライトな見た目とは裏腹に、難易度はかなり高い。初心者はまず9ボタンの配置や手の距離感を覚えるところで苦戦するはず。
私は初代~12くらいまでを中心によくプレイしていた。
特に7~12あたりはPS2の全盛期だったため、学校から帰るなり日々狂ったように専用コントローラーを叩きまくっていた。ちなみに推しキャラはかごめちゃんである。
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ポップンは音楽を演奏する音ゲー
ポップンは、昨今の音ゲーにありがちな、ただ歌メロのリズムだけを叩くような生ぬるい難易度ではない。
9ボタンを駆使し、複数の楽器を同時に演奏させるような譜面になっているのだ。叩いたら実際にそのタイミングで楽器が鳴る。
ミスタッチすれば余計な音が鳴ってしまうし、うっかり叩けなければその部分の音は鳴らないまま曲が進行していく。
ポップンは1曲につき、基本的に「ノーマル」「ハイパー」「エキストラ」という3段階の難易度の譜面が用意される(初期の曲だと「エキストラ」がないものもあるが……)。
「ノーマル」は1~2割、「ハイパー」は3~4割、「エキストラ」は5~7割程度の楽器を演奏させられることになる。
最高難易度「エキストラ」の譜面はかなり忙しく、ミスりまくると曲の原型が分からないくらいにメチャクチャになってしまうこともしばしば。
そのようなゲーム性であるため、単にメロディのリズムを覚えるだけでなく、楽器のリズムパターンに向き合う必要がある。
特に「ハイパー」あたりの難易度、楽器編成のバランスはちょうどよく、ボーカルのバックで鳴っているおいしいフレーズ、特徴的なドラムパターンなどが自然に耳に入ってくるように出来ているのだ(「エキストラ」は音符が多すぎて、どの音符で何が鳴っているのか考えるほどの余裕はない……)。
例えば以下の曲、「フレンチポップJ LONG」une fille dans la pluie の「ハイパー」の譜面を見てみよう。ワンコーラス程度聴いていただければ問題ない。
左の白・黄・緑あたりの大半はバスドラムとスネアに割り当てられている。ドッカドドッカ、というリズムを実際に演奏しながら覚えることができる。
歌いだし部分の裏ではチェンバロのアルペジオを演奏する。「なるほど、チェンバロという楽器はこんな風に使うこともできるのか」と気付くことができるのだ。
サビ前の「ドドドドド、カカッド」という勢いづけるドラムフィルのリズムも、実際に手を動かすので自然と引き出しに入ってしまうことだろう。
サビ中盤の木管楽器の合いの手的フレーズも実際に演奏しなくてはいけないため、嫌でも注目することになる。
このように、普段なら聴き流しているような楽器の動きに注目させられるため、どんどん引き出しが増えていくのだ。
ポップンは万国博覧会
ポップンはとにかく楽曲のジャンルの幅が広い。まるで万国博覧会のようだ。ボーカル曲が中心だが、インスト曲も決して少なくないし、どれも名曲ぞろいだ。
特にワールドミュージック系、エスニック系の曲にマニアックな曲調が多く、普段聴いたことがないような楽曲に出会えるのも良い点だ。
自分が高校生のときに聴いてとにかく衝撃を受けた曲を1曲紹介したい。
「コンテンポラリーネイション」BEYOND THE EARTH だ。
エキゾチックさと神秘的な雰囲気を併せ持つ旋律、キャッチーな力強いビートが融合したまさしく超名曲だ。
もちろん、このような複数のジャンルを融合させたような曲だけでなくオーソドックスなワールドミュージックなども幅広く揃っており、プレイしながら楽器の編成、旋律、リズムパターンなどに向き合うことができるだろう。
自分で言うのもなんだが、私は比較的作れるジャンルの幅が広い方だと思っている。昨日アイドル曲を作っていたが、今日はエスニックな曲を作っていたりすることも多い。
ポップンをプレイしていたことによって様々なジャンルの音楽に触れてきたことが少ながらず影響していると思いたい。
いまからプレイするには?
ポップンミュージックはゲームセンターで遊ぶことができる。
……が、ゲームセンターだと周りの音がうるさく、正直言って音楽に集中しながらプレイすることは難しい。プレイごとにお金もかかるため、DTM力を高める目的では家庭版で遊び倒すのがおすすめだ。
月額課金制ではあるが、以下のようなサービスもある。ただ、こちらも月額料金は1600円程度とやや高め。
こちらはPCでもプレイできるため、ゲーム機を持っていなくても始めやすいかもしれない。ただしPCに繋げる専用コントローラーがないと快適にプレイできないだろう。
私が圧倒的におすすめするのは、中古のPS2版を買ってしまうことだ。
自分は高校生のときに友人にポップン一式を借りパクされてしまったため、コロナ騒動のときにすべて中古で買い直した。
以下そのときのアホなツイート
どうぶつの森買いました
— OzaShin おざしん/書籍2冊目出ます (@OzaShin_Music) April 14, 2020
コロナの間やります pic.twitter.com/yF2Qup7WYi
昨夜どうぶつの森やったら面白かったので旧作全て買いました!
— OzaShin おざしん/書籍2冊目出ます (@OzaShin_Music) April 15, 2020
これで年単位で遊べるぞー pic.twitter.com/kc55jxf3Ax
現在もコントローラー含めメルカリで比較的カンタンに入手できる。
PS2時代のポップンは7~8作ほど出ているが、数本のセットであれば5000円程度で取引されているようだ。コントローラー、PS2本体も合わせれば20000円程度で始めることが可能。
複数のソフトを買うのはちょっと……という方は、PS2版のポップン9を買ってくれれば問題ない。9は本当に名作で、楽曲数は100曲以上、初期の名曲をしっかり抑えており、ロング譜面はどれも名曲揃い。もちろんかごめちゃんもいるよ。
興味を持っていただいた方はぜひポップンの世界に足を踏み入れてみてほしい。
あー書いてたらポップンやりたくなってきたよ