ZOOM B6を買いました
MS-60B+予約した言うとったやろがい
方針転換の理由
もともとコンプ選びの(ひとまずの)着地点としてMS-60B+に決めたのですが、連休中の練習や部屋掃除をしている中でいくつか解決したい課題があったことを思い出しました。
解決策を考えていた結果「B6があれば解決するのでは?」となったためMS-60B+はキャンセルし、B6購入へと舵を切りました。
もうちょっと熟考しようね、2週間前の俺。
いやまぁMS-50G+の時もそうでしたがZOOM製品は初回出荷分を逃すと数ヶ月待ちという印象があるので半ば勢いで予約したってのもあるんですけどね。(ポツポツと即納品が出ているようです)
かれこれ1年近く様子を見ていた32bit float対応のUACシリーズの開発状況(832の開発中止や出る気配の無い423)を見ていると、いろいろな情勢が影響して厳しい状況なのかもしれないですね。
それはそれとして改めて方針変更の理由をまとめました。
ちなみに購入からまだ5日しか経っていないことや筆者はバリバリの初心者なので的外れなこと書いてるかもしれないのでその点はご了承ください。
曲中で個別にエフェクター操作したい
練習している中で「スラップのときだけコンプや掛けたい」とか「基本的なセッティングはそのままで、この曲だけ軽く歪ませたい」という場面が最近増えてきました。
MS-60B+はコンパクト故にそのあたりが難しそうでしたが、クソデカ筐体であろうとB6のフットスイッチであれば容易に実現できそうだと考えました。
既存のペダルや今後買う(かもしれないペダル)との拡張性を持たせたい
現在プリアンプ兼歪みペダルとしてNUX MLD Bass Preamp + DI(NBP-5)を所有しています。
しばらく触っていなかったのですが改めて触り始めたら面白くてこれを音作りにも活かしたくなりました。
またダイナミクス系と空間系の間に歪みとしてNBP-5を挟みたいという場面も出てくると考え、SEND/RETURNがあるB6にしておいた方が手持ちの機材も最大限活かせそうだなと。
前回の記事でも「仮にコンプとして使わなくてもマルチは1台持ってれば便利でしょ」みたいなことも書きましたが、そうなったときにこそシステムへの組み込みやすさが重要と考えました。
ギターの練習/録音環境をシンプルにしたかった
現在ギターの方はブースター→歪み→プリアンプ/キャビシミュ→リバーブ(※) →VOX Pathfinde10という順番で接続しています。
※キャビシミュにドライブがあるので後段をリバーブとしてます
これまでギター練習動画の撮影ではオーディオインターフェースにコンデンサマイクで録音していました。
ただ、ベース練習とギター練習を行き来するたびに繋ぎ直したりする手間や、マイク録音なので余計な音が入らないよう配慮しなければならず「気軽に練習する」という観点から無視できないレベルで面倒でした。
そこで、B6のブロック図を眺めていたところ以下の構成で解決できないかと考えました。
この構成であればギターアンプは不要なのですが、あれはあれでいい音なのので一応残している感じです。
といっても基本的にはモニタースピーカーやヘッドホンからの出音のみで練習し、しばらく使ってみて不満がなければギターアンプは切り離そうかなと考えています。
と、ここまで読んでピンときた人もいるはず、「そこまでするならB6のエフェクトも網羅されているG11を使えばいいのでは」と。
全くその通りなのですがあくまでベースがメインであることを考えると、予算/サンプリング周波数(B6の方が高い)/ベース用のエフェクトの選びやすさということを踏まえ、B6の方が適していると考えた次第です。
使ってみた印象
結論:これから始めるならこれ買っておけば間違さそう
初めてのマルチエフェクター購入、これからオーディオインターフェースを買って宅録環境を整えるのであればB6一台買っておけば間違いないだろうなという印象でした。
特に後者については、ベース録音だけであればオーディオインターフェースを買う必要も無くなります。
操作性もわりと直感的で◯
操作についてはメニュー階層も浅いため基本的には直感的に触れました。
目的としていたフットスイッチでのエフェクター切り替えもかなり快適です。
ただし音量関係の設定がエフェクターの設定/OUTPUT VOL/MASTER VOLというように複数あったり、そのうちOUTPUT EQとOUTPUT VOLは同じ画面にありながら適用される位置が違うなど分かりづらい箇所もあります。
このあたりは説明書内のブロック図を見ながら操作し、実際にどう作用するのか確認しながらいじると理解が早いと思います。
ただしタッチパネルについては最近のサクサク動くスマホの感覚を想像しているとストレスだと思うんでその点はご注意を。あらかじめそうでないことを知っていれば特に気にならないと思います。
より快適さを求めるのであれば別売りですがBTA-1(Bluetoothアダプタ)を購入してスマホから操作できるようにしましょう。
地べたに座って操作しなくていいので腰にも優しいです。
なお、PCのある環境で触れるのであればBTA-1は買わずともPC接続していればGuitar Labでより簡単に操作できるのでそちらの方がおすすめです。
思ったよりもコンプの効果が分からなかった
マルチエフェクターという点もそうですしコンプ自体もまだ使いこなせておらずふわっとしていますが、音量が均一になったり音圧が上がったりという印象はありますがマルチバンドの効果はよく分からないです。
これに関しては素直にBC-1Xなど単体のコンプ買ったほうが分かりやすく満足度も高かったのかも、という気がします。
とはいえB6はコンプも種類も多く、それぞれ触れるパラメーターも違うのでいろいろと弄って研究してみます。
やっぱり気になるメモリ不足問題
メモリ不足問題は結構な頻度でぶち当たります。
これが今のところ一番の不満点ですね。
MB CompとGlam Compがいい感じなのですがメモリ消費量が高いため、これにプリアンプ+歪み+アンプ+空間とかは結構キツいです。
加えてIRはメモリ消費量39%と激重なのでこれらと組み合わせるのはほぼ無理です。
IRを使う場合はせいぜいプリアンプ+アンプ+IR、プリアンプ+歪み+IRが現実的なのかなと感じました。
なんかね~、"あと数%"が足りないんですよ。
一例を挙げるとこんな感じです。
以下、プリアンプとIRを設定した状態です。
続いてエフェクトを選ぼうとするとこの時点ですでに75%です。
ドライブも20%近く消費するものが多いためドライブを足すと95%に。
で、さらにコンプや空間系を足そうとするとほぼ無理なのでIRを使った場合は内蔵エフェクトでの音作りの幅がかなり狭まります
メモリ不足問題はZOOMのマルチでは結構言われているのでSEND/RETURNがあるB6にしたのは正解でした。
なお、SEND/RETURNもエフェクターとして追加して好きな位置に配置できます。
とはいえマルチ側で気に入ったエフェクターがある場合に実現できないのは辛いところですけどね。
そんなわけでどうしても一台で完結させたいということであれば、B6よりも2エフェクト多い「最大9エフェクト+1アンプモデルの同時使用が可能」と謳っているG11を買った方が良さそうです。
アップデート関連が手薄い
発売して2年半以上経ってますがファームウェア含めて更新された形跡が無いんですよね。
公式サイトの説明だと「追加エフェクト/パッチを入手できる、Mac/Windows用ソフトウェア『Guitar Lab』対応」と記述されているんですが、追加エフェクトもパッチも配布されておらず「入手できる(提供するとは言ってない)」状態です。
ベース用マルチについてはB3n向けに数点追加がある程度で全体的に手薄ですし今後にもあまり期待できなそうだなというのが正直なところです。
"完成されている"ということなのかもしれませんがスマホをはじめとして「自分が使っている製品が進化していく」というが当たり前の世の中になっているのでそういったワクワク感は欲しかったですね。
その点では他社製品と比較するとちょっと弱いなーと感じました(価格も違うのでフェアじゃないですが)
ギターの練習/録音環境として
さて続いては本筋から外れてギターの件。
音を聞いた感じそこまで差はないなと感じたので録音して波形を見てみることにしました。
聴いた印象としてもそうだったのですがTASCAM US-2x2で録音した音と比べると若干低域が増したかなという感じがします。
かといって必要な帯域が削られたとかではなく全体的に厚みが増しリッチな音になったように感じます(それがオケに馴染むかとかはいったん置いといて)
これが謳われた「新開発のアナログ入力回路による優れた低域レスポンス」の力なんですかね。
ただ、仮にそうだとするとベース重視で考えるとやはりG11よりもB6なのかも?となかなか判断が難しい部分ではあります。
とはいえ外部のルーパーを使って比較したわけではないですし、弾き方にもよるので一概に言えませんが個人的には違和感は無いため十分使えるかなと。
上記の動画ではいずれもオフにしていますがSEND前にコンプ、RETURN後にボリュームペダルとリバーブを配置して使用する予定です。
ボリュームペダルはハムに切り替えた時の音量差を吸収する目的です。
この結果を踏まえ、より便利な環境にするためABボックスを作ったのでそれはまた別の記事にします。
おまけ:デカい
YouTubeでガタイの良い外国人と並んでもデカく見えてたので覚悟はしていましたが実際に置いてみるとマジでデカい。
"一周した人"がコンパクトマルチに落ち着く理由の片鱗を見た気がします。
とは言え頻繁に持ち出すわけではないですし大きいからこそ使いやすい点も多いので今のところはあまり気になりません。
まとめ
長くなりましたが以上が第一印象として感じたことです。
なお音に関して言及していないのは音作りについて模索中であるためです。
初日は思ったような音が作れず「失敗だったかなー」と思いましたが、少しずつコツが掴めてきました。
とは言えまだ正解だったとは言い切れないのでもっと使い込んでみます。
ちなみになんで正解と言い切れないかと言うと私の場合Fender Rumble 40 Studio(マルチエフェクターとしての機能もある全部入りアンプ)を持っています。
圧倒的にB6が優秀であれば正解と言い切れたのですが、音については今時点でRumbleの方に軍配が上がるというのが理由です。
じゃあなんでB6買ったんだって話ですが、Rumbleはかなり優秀なものの機動力ゼロなのでゆくゆくは手放し、B6を核としたコンパクトな環境にしていくことも念頭に置いてるためです。
B6だけになればレイアウトの自由度も上がり身軽になるのでそうなればいいなと。
といってもこれは特殊な事情なので「これからマルチを買う、かつ拡張性も持たせたい」ということであればB6を買っておけば当面は遊べると思います。
とりあえず今のところこんな感じの音を作ってみました。