Grandscape浜名湖@舘山寺 楽曲解説(モチーフ編)
2021年11月に浜名湖で開かれる湖上舞台『Grandscape浜名湖@舘山寺』の音楽を作曲した佐藤です。
私がこのショーで担当した曲は、10曲中4曲(「大草山の春」「喜びの里」「遠江の冬」「火事」)です。
この4曲では軸を真っ直ぐに保つため、「共通するモチーフやテーマ」を取り入れました。
今回は、モチーフがそれらの曲に、どのように入っているのかを解説します。
①大草山のテーマ
このテーマが流れる場面は、江戸時代の農村の風景ではありますが、どこかで今を生きる私たちにも繋がることがある、と感じていただくことが大切だと考えました。
そのため、穏やかで懐かしい雰囲気を持つ「旋律」に対し、Popsなどで用いられるような現代的な「ハーモニー」を付けることで、江戸時代と現代の私たちの感覚の壁を取り外すことを試みました。
また、このメロディの音型が、大草山の形をしていることもポイントです。
このテーマは、メインテーマ「大草山の春」以外にも、「喜びの里」「火事」でも、リズムや形を変えて現れます。
②太陽(火)のモチーフ
山陰から太陽が姿を見せる様子から作曲しました。
また、太陽=火ということで「火事」のシーンでも、このモチーフはリズムを変えて登場します。
③主人公「遠江の娘」のテーマ
主人公のテーマを作るときは、「大草山のテーマ」とは対照的に、若く瑞々しい旋律にすることを心がけました。
このテーマは「大草山の春」の中盤で初めて登場しますが、それ以下にも、主人公が薪に火をつけ皆で焚き火を楽しむ場面で流れる「遠江の冬」では主要テーマとして用いています。
ここでは書ききれないほど、たくさんの場面に、これら3つの「モチーフ」が散りばめられています。
ぜひ「モチーフ」に耳を傾けて、楽しんでいただけると嬉しいです。
Grandscape浜名湖@舘山寺は11/23まで開催しています。
当日券もございますので、ぜひお越しください。