「アイドルマスター SideM GROWING STARS」サービス終了について思う所の話
はじめに
2023年4月4日、「アイドルマスター SideM GROWING STARS」(以下サイスタ)のサービス終了が発表されました。完全終了が7月31日とのことなので、2021年10月6日のサービス開始から数えると約1年10か月での幕引きということになります。
Twitter上でもかなりの反響があったように、私自身もそれなりに思う所もあったので今回の記事を執筆しておくことにしました。
どうしても内容が暗くなりがちになってしまいそうだったので、Twitterに直接書き残すのはやめておきました。事実、4月4日当日の混沌っぷりはかなりのもので、トレンド上にもSideMブランド関連のものは勿論、アイマス他ブランドのもの、果てはバンナムに言及するワードまでもが大量に話題になっている始末でした。
なので、一度心を落ち着ける意味でも、Twitterに残ってしまうネガティブ寄りの投稿を一件分でも減らしたいという意味でも今回の内容はnoteで書いておこうと思います。現在この記事を読んでいただいている奇特な方で、もうちょっと読んでみようかなというもっと奇特な方に置かれましてはチラシの裏感覚で目を通していただければ幸いです。
事前告知から発表当日まで
今になって振り返って見ると、今回のサービス終了告知の第一報ともいうべき投稿が行われたのは3月21日のアプリ内お知らせのこちらの公開でした。
大雑把に説明すれば、金額に応じた月間特典アイテムの販売停止といったものでしょうか。内容的には、正直な話課金を促すほどの魅力にはイマイチ乏しい内容ではありました。このお知らせが出た当時もユーザー間においては何やら雲行きが怪しいといった声が散見され始めた時期ではありました。しかしながらこの時点でサービス終了に直結すると考えていたユーザーの割合は、恐らくせいぜいが半分程度のユーザーだったのではないかと推察します。勿論正確な割合などを私が把握していたわけではありませんが、前述の購入意欲の促進に欠けた内容という点も相まって個人的にもそこまでの大ごととは捉えていないのが正直なところでした。私自身、販売内容を改定しての新規販売を計画しているのだろうと考えており、そういった内容でのつぶやきも行いました。
そして、3月31日にサイスタ公式アカウントより投稿された第二報。こちらの内容は第一報の衝撃とは比較にならない威力でユーザー間に動揺を走らせました。
生配信番組の告知でしたが、問題となったのはその内容です。従来のSideM関連の生配信では、出演者には声優陣が配置されることが常であり、ゲームに関する内容以外の生配信でもそれは同じでした。しかし今回の出演者には声優陣は一名もおらず、全員が製作スタッフのみで固められていました。アイマスブランド全体で見れば、制作スタッフのみが出演する生配信は定期的に行われていますが、大型ライブ・イベントに関連する特別番組であったり、俗に「アイマスおじさん」と称されマスコットキャラクターの役割も兼ねて表に定期的に顔を出してくれている一部スタッフによる販促の面がほとんどでした。一方、今回の出演者を見ると、アイマスシリーズ全体のゲーム統括担当である三本氏以外はエンタメ的な要素のある生配信に登場したことはなく、サイスタのプロデューサーである石澤氏においてはほとんど顔出しが初めてといった状態でした。
また、出演者以上にユーザーに大きな不安をもたらしたのが、「重要なお知らせ」という一文。たったこれだけの文字がどうしてユーザーの心をざわつかせたかといえば、2020年に投稿された配信番組のお知らせと全く同じ文面だったからに他なりません。
こちらも簡単に言及しておくと、「LIVE ON ST@GE!(通称エムステ)」はサイスタの前身であるSideMを母体とする音ゲーのアプリで、2017年8月30日から2021年8月31日まで4年間稼働していたタイトルです。こちらの生配信もやはり今回と同じく出演者が当時の総合プロデューサーだった坂上氏と三本氏の二名で、事前情報を伏せたまま配信開始、終了告知という流れでした。この時の記憶が残っているユーザーも多く、告知形式から出演者まで前回の影をなぞるようなスタイルだったことから、発表直後から不吉な雰囲気が露骨に濃くなっていました。それでも、ある程度の割合ではサービス終了ではなく長期間のスパンになる大型メンテのお知らせなのでは?という声も存在していたことは確かです。その声の中にはある程度の根拠に基づく論理的な意見と精神的な希望的観測に基づく意見が混在していたことも事実ではありますが……。
生配信開始
そして当日、重要なお知らせが始まります。順々に画面に映し出される出演者。正直、この時点でほとんどの視聴者の間で伝えられる内容の予想がついてしまったと感じました。重苦しい雰囲気、服装や表情に至るまで、この先に明かされる内容が一時的な理解や協力を求めるレベルに留まる言葉ではないこと、ましてや間違っても朗報でないのは一目瞭然でした。
告げられるサービス縮小から終了への移行を行う案内。後続ゲームの開発を予定していないこと。この時点で、少なくとも一度SideMのゲーム媒体は完全に消滅することを意味していました。
時間にして10分程度。現時点で運営陣から明確な言葉で届けられる事柄が多くなかったことは事実でしょう。残酷な事実をもって配信は終了しました。
配信の是非に関して
Twitter上の投稿で個人的に特に気にかかったのは、「サービス終了のみの案内なら配信などせずネット上の告知でよかった」「開発・運営スタッフを矢面に立たせただけ」との意見です。どちらかといえばバンダイナムコ上層部の判断が不適切だったのでは、という意図を汲み取りましたが、この二点に関しての私の考えとしては些か異なり、配信形式での終了告知を選んだのは開発・運営スタッフの方だった可能性はないだろうか、という意見です。
視聴者の感想通り、発表内容からして実際に前に出て伝える立場の人間に対して悪い印象を持ってしまう恐れもあるし、逆に自分たちが手掛けたサービスの終了を口にしなければいけない当事者たちへの配慮が不足しているという見方もまた間違ってはいないと思います。それでも、敢えて本人たちが文面ではなく直接自らの言葉で伝えようとしたのはコンテンツへの誠意、ユーザーへの誠意だったのではないかと解釈しました。ネット上の告知のみで済ませてしまえば意見の矛先は顔の見えない存在へと向かい、特定個人が傷つく割合は抑えられることもあると思います。それを敢えて顔を出して、頭を下げて謝意をもって伝えてくれたことには敬意を表したいと思うのです。また、仮にこの形式を選択したのが上層部側の判断であった場合、却って不信感が高まってしまうので、そうであってほしいという好意的解釈に基づく私の意見でもあることを明記しておきます。
今後のSideM
以下が4月4日時点での公式から案内のあったSideMの今後の展開に関する案内です。
一点目のソーシャルゲーム版SideMのアーカイブ掲載は既存の告知内容と重なる点もあるため、実質明言されたのは「SideMのソーシャルゲームの終了」「サイスタから誕生したコンテンツ(3Dモデルのライブやストーリー等)の媒体変更による継続展開」「SideMの新規楽曲制作の継続」「8thライブの開催」です。やはり一番注目されるのは、この先どうやってSideMが展開していくのかになるかと思います。率直に言ってしまえば公開されている情報が少なすぎるため、今後の展望を考えるための要素が足りません。例えば楽曲制作の継続といっても、現在展開中の「49 ELEMENTS」シリーズ(ユニット曲+各メンバーのソロ曲で構成)の残り以外がどうなるのかが想像ができません。サイスタ開始後は新規イベント=新曲という図式があり、各ユニットの新曲が追加されていたほか劇中劇の男極参加メンバーによる楽曲やバレンタイン・ホワイトデーにはユニットの垣根を越えたシャッフル曲のイベントが行われており、今後もそのスタイルでシャッフル曲のシリーズの展開を予想していた面もありました。新規ストーリーの展開方法や媒体の詳細が出るまでは楽曲展開さえも休止してしまう恐れもあり、できるだけ早急な続報を期待したいところです。
またゲームという観点では、ソーシャルゲームが消滅する以上、現状で可能性のある媒体が5ブランドのアイドルが登場予定の「アイドルマスターツアーズ(アイマスツアーズ)」のみとなります。こちらもまだロケテストさえ開始されていないうえ、SideMアイドルの登場は本サービス開始からとなっており、空白期間は避けられない状態です。先日モバイル版のSideMが終了してからさほど間を開けずに続いた縮小案内となり、ダメージがより大きくなってしまった部分もあります。
数少ない期待を持ちやすい方面としては、ここ最近アイマスブランド全体で盛んにおこなわれているコラボ案件での展開でしょうか。企業的な体裁も当然あることと思われますが、過去にコラボが実施された企業のアカウントからのサービス終了を惜しむ声や今後の応援を伝えてくれる声はとてもありがたいものだと思います。こういったコラボ案件においてはある程度の反響も計算しやすいため、今後も定期的に実施されていくものと予想します。それでも、ゲームでのプレイから得られる感動や満足を十二分に満たせるものにはならず、ましてや代替になる類のものではないことも事実です。
結論として、まず率先してユーザーに向けての案内・説明が求められていくのは、やはりSideMサービスの具体的な新展開になるかと思います。どういった媒体で、どういった量、どういったスパンでどのようなクオリティが提供されるか。新規ユーザーの獲得も企業として大きな課題になるのは当然ですが、既存ユーザーへの対応にも並行して対処しなくては現時点での不信感にも似たバンダイナムコへの感情を拭い去るのは難しいことと思います。
その他、ネットで見かけた意見への感想
「売上は悪くなかったのでは」「○○よりサイスタの方が売れてた」
売上をサービス終了と結びつけて根拠として考えるのはユーザー側からすれば不可能なのではないかと思います。例として挙げれば
作品A:制作費1億で売上1.5億
作品B:制作費2億で売上2.3億
作品C:製作費3億で売上3億
作品D:制作費4億で売上3.5億
実際ここまではっきりした数字にはならないでしょうし、あまりにも単純ですが、こういう事だと思います。売上の数字自体ユーザーが推測するには穴がありますし、制作費に至ってはほぼ不明といって差し支えありません。仮に正確な売上が判明したところで、元手にいくらかかっているのか分からなければ意味がありません。上の例でいえば売上だけで判断すれば作品Dが優れているように見えますが、実際は赤字です。逆に作品Aは売上は低くても制作費が抑えられているので利益が出る優秀な作品という見方もできます。全てのコンテンツを利益だけで判断しているとは言いませんが(薄利多売なんて言葉もありますし、ゲーム売上に付随する経済効果もあります。1人のユーザーが1億課金するのと10人のユーザーが1千万課金するのも全然意味が違いますし)、商売である以上売上と同じかそれ以上に利益を追求する必要があるので、目先の売上だけを根拠にする話はそもそもがお門違いの論点だと思います。わかりやすい判断材料にはなっても信頼しにくい話です。サービス終了に至った要因の一つであることは正しいと思いますが、少なくとも売上の数字だけで判断して打ち切ったなんて声高に喧伝するのは流石にバンダイナムコに失礼だと思います。やめておきましょう。
同様に他作品と比較するのも意味がないと言えます。上述の製作費の話も同様ですが、ターゲット層がどこにあるのか、ゲームがプロジェクト全体にどれくらいの割合を占めているのかが違う以上、他所と比較しても仕方ありません。また、他作品を貶めるような物言いはその作品を愛しているユーザーからの反感を買うだけの何の得もない行為だと思うので、何の利も無いと思います。意図していないのであれば決してするべきではありません。また意図しているのであれば迷惑なので消えてほしいです。その人が必要とされる場所に行けばいいと思います。
「○○のタイミングに合わせて発表するのは雰囲気ぶち壊す行為」
SideMの登場キャラクターの誕生日と重なったことやアイマスの他ブランドのアニメ公開前日、新サービスの制作発表週に重なったことへの意見です。
誕生日と重なったことはともかく、私の捻くれた視点で見ると雰囲気を悪くしたというよりも別の意図があったのではないかと邪推してしまったので、Twitter上には書きませんでしたがここで一つ述べておきます。
「ポジティブなニュースの直前にネガティブなニュースを出して雰囲気を台無しにしたというよりも、ネガティブなニュースの印象を薄めるため(誤魔化すため)にポジティブなニュースの直前に発表したのでは」
という私の性格の悪さが存分に滲み出た考えです。あくまで私の考えです。
流石に現時点において個々のアイマスブランドが完全に独立して相互作用がないとはバンダイナムコも考えてはいないと思います。それはアイマスツアーズ然り、2023年2月の合同ライブ東京ドーム公演然り、他にも根拠が考えられます。だからこそポジティブなニュースにネガティブなニュースをタイミングを合わせて発表することで、不平不満の中和、批判的な意見の鎮火を企図したのではないかという話です。しかしながらそれが狙いであったと仮定して、ネガティブをポジティブで打ち消せたならまだいいのですが、逆にポジティブをネガティブで潰した印象の方が強すぎた場合です。特に影響ありそうなのが新コンテンツの制作発表。意識をしなくても「SideMを縮小させてまでやりたいコンテンツ」という色眼鏡がどうしても避けきれません。現在公開されているティザーPVだけで判断すると、これまでのアイマスのコンセプトとはかなり毛色の違う作品になりそうですし、前述のSideMを踏み台にしてまで出す商品がこれか、という反感を生み出すきっかけに繋がりかねないと思います。この群雄割拠の時代にVtuber界隈に殴り込みをかける以上、勝算もしくは何らかの成果を出せるという見込みがあるのだとは思うので、なるべくフラットな気持ちで受け止めたいと思います。
タイミングという事よりも、時期的にもう少し決断を先延ばしにできなかったのか、という点で言えばこれも概ね同意できます。現時点で続ければ続けるだけ赤字が嵩んでいく状況であったというなら話はまた違うのですが、先行きの不透明さからくる理由でどこかで判断の必要があったということであれば、せめて7月発表を取れなかったのかとは正直考えました。
7月を推す理由として「モバゲー版SideM終了から半年経過にあたり、一息つけるタイミングだから」「4月期開始のU149と10月期開始のミリオンの両アニメの中間にあたり、他ブランドの勢いを削ぐ要素を少しでも軽減できるから」の二点です。この場合、4月にサービス縮小というワンクッションを置くことも可能だったのではないかと思います。今回の展開の不味さの一つに縮小すら挟まない急すぎる終了という意見もあったようです。そういった意見への解決とはいかないまでも緩和策として打てる手が他にもあったように思います。
正直この意見はバンダイナムコ全体の動きや他のコンテンツの話を一切加味していない、言わば個人的な恨み言のようなものなので説得力を持たせようとは思っていません。それでも人間心理的に悪いことがあった後にいいことがあれば少し気分も軽くなったりするのではないでしょうか。または、悲しい気持ちを少しでも和らげやすくさせようとした狙いで敢えて近接タイミングを組んだという見方もできますが……。もしそこまで加味しての発表タイミングだとしたら、共感はしたくないですが企業戦略として理解はできてしまうな、といった独り言でした。
「ガミPは防波堤の役割だった」「波多野氏はどうなのか」
一つ目は割と共感が強いです。最古参スタッフであり、バンダイナムコの上層部と話ができるであろう立場で、なおかつ現場の最前線でピエロ的な立ち回りまでこなしてくれる。坂上氏の退任はアイマスブランド全体にとって確実に大きな損失だと思います。まあ会社のルールで後進に道を譲ることが決まっていた以上退任自体にケチをつけるつもりはありませんが、良くも悪くも外にとっても内にとってもあまりに大きい存在になり過ぎてしまったのかなっていう所はあります。色んな方面におけるガミPロスはしばらく影響がありそうな予感がしますね。
その点で言うと波多野氏も中々大変なポジションに立つことになったなっていう一方的な同情もあります。3.0VISIONのスタートで内外問わず様々な重責を背負っていくことになるのは確実でしょうし。そんな中、映像として波多野氏を初めて見たパッと見の印象で言えば、坂上氏と比較すると実直・真面目系のキャラクターなのかなーという予想です。生配信においても、重くならざるを得ないテーマにおいて、敢えて柔らかい印象を強く押し出す口調で話していたように思います。能力としてはあのポジションに就くだけのモノを持っているのだろうと思うので今後に期待したいです(謎の目線)。
むしろキャラクター性においての方が今後の課題になってくるのかもしれません。好々爺(というほど老けてはいないが)というか、いい意味で気の抜けた立ち振る舞いをこなせていた坂上氏に比べて、その実直そうに見えたキャラクターが反転して悪く見えないようになってほしいなと思います。実直や真面目の裏返しは堅物・頑固に映る可能性もあります。できるだけ早い段階でポジティブな意味で隙のあるキャラクターを見られたらいいなと。
「他も他人事ではいられない」
核心だと思います。というのも今回のサイスタ終了後のSideMの立場が好転するか否かに関わらず嫌すぎる布石を置かれてしまった形です。
仮にSideMがソーシャルゲームを失っても変わらず一定の支持を集め、コンテンツとしての利益が計算できるとなったして、他のブランドもソーシャルゲーム畳んでも大丈夫だなという判断を下される恐れが出てきたということになります。現状で支障のない数字が出ていても何か月、何年先もそうだとは限りません。その時に「ゲーム無しでも稼げるコンテンツ」として認識されてしまっているとゲームをなくすという流れが滞りなく進んでしまう危険があります。3.0VISIONにおいてはゲーム媒体にとらわれないコンテンツ展開を意図していることは明確なので、今回の前例が良くないほう故意に解釈される可能性も否定できません。
一方でSideMの立場が悪くなってしまう場合はどうでしょうか。単純に考えてソーシャルゲームの展開がなくなる分、コンテンツの訴求力、ひいては集金力が低下する可能性は決して低くありません。そうなれば企業判断として利益の出せないコンテンツの縮小削減を加速させることは目に見えています。10年近い歴史がある以上、存在そのものを消し去ることは流石にないとは思いますが、コンテンツの更新が止まってしまえば、それは最早「死」と同義であると言えます。あまり考えたくはないですが、起爆剤になるような大きな展開がなければ、徐々に衰退していく流れは現実的でもあります。
事態が好転しようがしまいが双方においてコンテンツにダメージが発生する可能性があるというジレンマ。もし以上の内容が正しかったとすれば、つまりアイマスというコンテンツはすべて同じ条件が当てはまるということになります。楽曲は出す。ストーリーは何らかの形で適宜発表。これが基本スタイルになったとしても不思議ではなくなります。もっと言えば音楽が売れなくなれば新曲も出ないしライブもやらない。アイコン扱いできればいいから新規のストーリーも不要。とまで転がり落ちる不安すら抱かせる発表であったと思います。
おわりに
ここまで通してやはり当初の予想通りネガティブ寄りな考えが多くなってしまったという実感があります。アイドルプロデュースをテーマの根幹にしているタイトルにとって、育てる・導く、時に二人三脚で進んでいくという大前提を壊しかねない発表として捉えたユーザーも多く、その結果として厳しい声がネット上でも少なくなかったのだと思います。特に「それではプロデューサーではなくファンだ」という意見は正にコンテンツの意義に背くような発表に対してのやりきれなさが色濃く表れていたと思います。私自身はユーザーの中でも割とファン寄りの目線強めで遊んでいる珍しいタイプのユーザーだと思っていますが、やはり今回の発表を歓迎する気分にはあまりなれませんでした。
企業上層部のコンテンツに対する理解の不足、開発・運営陣の企業側・ユーザー側双方に対する説得力・訴求力の不足、根本的に食いつききれていなかったユーザー側の事情と、単純に一つの原因がもたらした事態ではなく、いくつかの要因が重なって問題が表面化した結果が今回の展開に至った過程にあると思います。全ての要素が嚙み合わなければコンテンツを継続させることはできない、という事実に高すぎる授業料を払って直面した格好です。
事情を知らない外野だからこそ、言い過ぎてしまったり、根拠のない文句を述べてしまうこともあります。それを加味しても、今回の件ではバンダイナムコはもうちょっと上手い立ち回りが取れなかったのかと苦言を呈したくなってしまうのが本音です。恨みつらみが重なって不信感まっしぐらになってしまうユーザーもいれば、完全に見切りをつけてコンテンツから去るユーザーもいると思います。一から十まで理由を説明することは不可能でしょうしそこまでする必要はないとも思いますが、三でも五でも何か伝えられることがあればここまでの炎上にはならなかったでしょうし、あまりに唐突過ぎる発表であった感が否めませんでした。企業側に今回の発表を通して上がった声がどれくらい届き、どれくらい今後に反映されるのかは定かではありませんが、可能であれば良い方向への糧として受け取っていただければと。
今回のSideMのソーシャルゲーム展開終了という方向に切った舵はSideMのみならず確実にアイマス全体に影響を及ぼすものと思われます。
2022年もアイマス史においては特筆すべき事柄の多い一年でした。ASから始まったブランドの姉妹作の10周年達成に始まり、舞台化、外部イベントへの積極参加、オーケストラコンサート、ポプマスの終了といった話題がありましたが、2023年は現在発表されている内容、または実施された各種イベント等でも輪をかけて大きなトピックが連発しており明確に時代の移り変わりを象徴する一年になっています。合同ライブ、総合P退任、モバマス・モバエムの終了、22~23年にかけての新規アニメ3作発表、コンテンツの終焉を連想させるテーマのライブ等。そこに加えてのサイスタ終了。まだ2023年が三分の二以上残されていることも相まって本当に激動の一年となりそうな予感が漂っており、いよいよスタートした3.0VISIONのスタートは決して順風満帆とはいかないようです。それでも、一ユーザーとしてアイマスシリーズをこれからも楽しみたいですし、楽しんでいける土壌づくりをバンダイナムコには是非ともお願いしたいです。少なくとも私の望む未来のステージには他のブランドと一緒にSideMも立っていてほしいのです。どうか何卒よろしくお願いいたします。
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