Kアリーナ横浜のSPラウンジに行ってきた話
はじめに
2024年2月24日(土)、25日(日)に「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-4 MILLION THE@TER!!!!」(以下Act4と呼称)がKアリーナ横浜にて開催されました。Kアリーナ横浜には通常の観客席の他にVIPエリアと呼ばれる本来は一般客が立ち入ることのできない特別な区画が存在しており、Act4では通常の観客席の他にこちらのVIPエリアがSPラウンジ席として販売されることになりました。私は何かの巡り合わせで24日のAct4DAY1公演にてこちらのSPラウンジ席に当選することになりました。チケット料金は税込み55000円。この体験はただ楽しかったです(小並感)の一言で終わらせてしまっては55000円の価値がいくらなんでも勿体ないからせめてネタにして昇華したい……もしかしたら他の人にも興味の対象になるかもしれないと思い、今回記事にしてみることにしました。また同会場は2024年4月20日(土)、21日(日)に「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 6thLIVE TOUR Come and Unite! Fantastic Fireworks」(以下シャニマス6th)にも使用され、同様にSPラウンジ席が用意されるとのことなので、そちらの当選者の皆様の予習や心構えの参考になる部分もあるかもしれません。いずれにしろ、私はもう二度と今世で訪れる幸運はない場所かと思われますので、記憶が新しいうちになるべく多くのことを書き残そうかと思います。
一応この記事の諸注意といたしましては
・Act4の公演内容に関することにはほとんど触れませんが人によってはネタバレと捉えられる内容が出てくるかもしれませんのでそれが気になる方。
・逆にシャニマス6thの当日まで未知への遭遇へのドキドキワクワクを1ミリも無駄遣いしたくないという方。
・本文の内容のどこかで自分には合わないと感じられた方。
以上に該当する方には無理にお勧めしませんので、この文章が目に入った瞬間でも、読み進めて気分を害されたタイミングでもどうぞページを閉じていただきたく思います。あくまで暇つぶしに読んでみるよといった気軽な気持ちでこの先の本文に進んでいただければありがたいです。
入場~入室
まず入場に関してです。通常の入場であれば開始時間の前から早めの入場を希望する人が待機列を作ることが常です。今回のAct4では場内にフラワースタンドが掲出されていたこともあり、両日とも結構な人数が入場待機列を形成していました。(シャニマス6thでもフラワースタンドの掲出はあるようです。場所の変更があったとしても恐らくは掲出場所自体は場内かと推測されますので同様に入場待機列は発生するかと思われます。)
SPラウンジ席の入場口は通常の入場口の下手側に専用ルートが用意されていました。(シャニマス6thで場所変更とかはあるかもしれないので、この先の記載内容に関してもあくまでAct4の仕様であることにご留意ください。)
正確な時刻は記録していなかったのですが、恐らく私は会場開始の5分後、16時5分ごろから入場していたと思います。ちなみに待ち時間は正真正銘ゼロです。パテーションで区切られた専用通路で受け付けの係員の方まで一直線でした。受付対応自体は通常入り口と同様でしたが、混雑具合から考えても実施確率が極めて高いだろうと予想していた身分証確認はありませんでした。(通常入り口ではランダムで実施していたみたいな話を見聞きした気もするのでたまたまかもしれません。念の為明記しますが間違っても転売チケットでもバレないから行けるよなんてことを言っているのではありません。転売許すまじ。違法チケットでの入場は絶対にやめましょう。)
来場特典は通常のものと一緒にSPラウンジ席専用のグッズもここで受け取りました。余談ですがAct4では通常の特典よりもSPラウンジ席特典が嵩張るものでしたので、シャニマス6thで来場される方は念のため収納用のカバンを持参すると安全かと思います。最低でもA4サイズの品が入るくらいの大きさが望ましいかと。
で、場内に入ったわけですが、ここで第一のトラップにかかりました。進入してすぐ下手側にエスカレーターがあったのでそちらに乗っかったのですが、SPラウンジ席の進行ルートはそちらではありません。何度かスタッフの方にお聞きして正規ルートに戻ったのですが、SPラウンジ席の正しいルートは進入後上手側に進むルートでした。表示のカードもちゃんと貼ってあったのですが混雑に気をとられて見落としました。ガバですね。そのままある程度進むとSPラウンジ席行き対応用のエレベーターがあります。そこにも専属のスタッフさんがいました。正確にいうとこちらの方たちはSPラウンジ席および関係者席チケットを持っている人の案内を行っていたようでした。
(直接話を聞いたわけではないのですが、終演後の退場の際にSPラウンジ席にはいなかった人とエレベーターで乗り合わせたこと、私が実際に見た限りでもSPラウンジ席の下手側の同様の高さにも客席があったことから関係者席がそこに設置されていたのではないかという推測です。他の人のつぶやきも統合して考えると合ってると思われます。)
移動の際の注意点なのですが、このエレベーターに乗るとあとはSPラウンジ席のあるVIPエリアに直行します。もしシャニマス6thでもAct4同様に場内でフラワースタンドの掲出がある場合は通常のフロアになるかと思います。VIPエリアに入った後も通常エリアに移動すること自体は可能だと思いますが、そのたびにエレベーター乗ってチケット確認して……と煩わしさがあると思うので、場内の掲出系イベントを楽しむ際はSPラウンジ席に移動する前に済ませておく方が安全かと思います。
エレベーターのスタッフの方にも座席チケットを確認してもらい、ここで搭乗許可が貰えます。ボタンもスタッフの方が押してくれるので寄り道は不可能です。移動中にボタンを押すことも可能かと思いますが、もしそんなことしてバレたら強制退場させられても文句は言えないのでやめた方がよいでしょう。
SPラウンジ席はLEVEL5のミドルスタンド上部にあり、エレベーターは6階に移動します。ちなみにエレベーターは4階以外には停まれるようにはなってました。エレベーター内のドア上部にはそれぞれアリーナとかロアースタンドとかラウンジ5とかの記載がありましたが6階だけは何も書かれていません。秘密のフロアみたいでドキドキしますね。そうして6階に到着するとそこでもスタッフさんが待ち受けています。ここでそれぞれの座席に案内してもらえるようです。
数十秒ほど歩くと遂にVIPエリアに到着しました。ここでまず私はビビり散らかします。ガチのバーカウンターみたいなのがあるし、カウンターのスタッフさんが5、6人で私のような異常独身男性に丁寧にいらっしゃいませと挨拶してくれるのです。この時点でライブ前のテンションとは違う方向にどえらい緊張が走りました。ちゃんとしたホテルのロビーの横にありそうなラウンジの前にオタクが一人放り出されたのです。いらっしゃいませの声に対して3回くらいお辞儀しました。客は私の方ですが生物ランクが低いので腰も低いのです。ちなみにこの時点で場内で販売されていたフードいかがですかとも声をかけられてちゃんとしてるなと感心しました。売ってるものは他のエリアで売ってる弁当とかカツサンドなのですが、VIPエリア限定でドーナツが売ってます。ラウンジ入って落ち着いた後に記念に食べました。ピスタチオ味はフカフカでおいしかった。後で調べたらミサキドーナツさんっていう神奈川のドーナツ屋さんのやつでした。神奈川県内にもいくつか店舗があるし通販もやってるみたいなので興味ある方は是非どうぞ。
(24/03/08加筆 ドーナツはSPラウンジ以外にも7階売店にて購入可能とのお話を伺いました。訂正してお詫びいたします。)
そして遂に、Rat A Tat!!!と夢のとびらを叩きまくる時間がやってきました。
嘘です。ビビりながらコソコソとドアを開けたのです……。
夢のとびらの向こう側(個室編)
ということで、入室の時間です。ドアからして重々しい。映画館のドアのような感じです。そんじょそこらのオタクなど決して通さないぞという気概を感じますが私の薄汚れた手でもあっけなく扉は開かれました。
一歩足を踏み入れると、まずカーペットの厚みが尋常ではありません。足音がまるで鳴りません。足裏消毒してから入るべきだったと後悔しました。そしてこれは幸運というか光栄というか生意気にもというか、このSPラウンジに最初に足を踏み入れたオタクは私でした。中に誰もいませんよ。扉の向こうは正に別世界。ライブ会場とは思えない完全VIPルームでした。
この部屋の凄い所は、まず圧倒的な防音設備です。客席の音響具合は既にネットでも多く語られているように大変立派なものでしたが、逆にこのSPラウンジは個室のドアを締め切った状態では一切会場の騒音が届かないのです。室内はよくわからないオシャレな音楽がほんのり流れていましたが、オタクで充満した会場の騒音を遮断するとオシャレな音楽がゆっくり聴きとれるような状態です。そんな上流階級御用達の4 Luxury空間ではありますが、こちらも出すもの出してここに来ています(金銭的な意味で)。成金オーラ全開で室内を物色することにしました。
とりあえず最初に目に入ったのがこれ
この写真はとりあえず許可が堂々と描かれていたのでまず激写。その後はゆっくり室内を徘徊していきます。色々と見て回りましたがすべてが新鮮に感じました。ライブを見に来たのに凄い施設の見学に来たような心持になってました。かれこれ4~5分くらいでしょうか、2人目のお客様が入室。私と同じように唖然としてました。というかこの先入室される方は程度の差はあれ入室の瞬間みんな一様に「なんじゃこりゃ」って顔に書いてありました。あとみんな話し声も心なしか小声気味になってました。みんな異世界転生に慣れていないので知らない世界に来てしまった感満載でした。
何人目かの入室をお迎えした後、意を決してラウンジスタッフのお姉さんに質問しました。
「ここの設備って使っちゃっても大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ(ニッコリ)」
「写真とか撮っちゃっても大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。ただし公演中の撮影はご遠慮くださいね(ニッコリ)」
虫けらのようなオタクを相手にしても懇切丁寧に対応していただいて感謝しかありません。お話によると、VIPルームに一般客が入るのはAct4抜きにしても本当に初めてのことだと伺いました。私たちほどではないにしろスタッフの皆さんも慣れない中にも拘らず最初から最後まで感じのいい対応だったことはここにハッキリと明記しておきます。
ここら辺でようやく室内の高級感あふれる空気にも徐々に順応してきたこともあり、撮影したり徘徊したりにも本腰が入ってきました。
ここから先は少し室内の様子を載せてみたいと思います。私の勝手なこだわりでX(旧Twitter)には画像は先ほどの一枚しか載せませんでしたが、わざわざこんな異常者のnoteをここまで読んでる人なら別に配慮とかいらないだろう(失礼)と思いますので、特に役には立たないけど面白がってくれる人もいるかもしれない画像たちです。
とりあえずこんなところで。室内の設備に上部モニターも備え付けられてたけどこちらは公演中は使用していませんでした。まさか頼めば使えたりするのだろうか。あと室内には冷蔵庫があったり謎のオブジェが飾られてたりしました。オブジェの作者は中林丈治さんって方。不勉強なもので存じ上げなかったけどググったら普通に出てきました。とにかく室内の異世界っぷりだけでも相当楽しめる空間だと思います。
夢のとびらの向こう側の向こう側(観覧席編)
お次はライブを実際に見る観覧席の様子を少々語っていきます。
まずは座席数ですが、前後10席の計20席。ステージに向かって下手側から1~10、後ろが11~20の番号です。5と6、15と16の間が階段用の通路で分断されます。この記事のヘッダーにチケットの画像を載せてますが、私が座ったのが1番の席です。たしかV-1、みたくV+数字で座席名になってた気がします。2日間合計で40人しか座れない狭き門でした。改めて考えるとよくもまあこんな確率引き当てられたな自分……。
スタンド席と異なり千鳥配列ではないけれど、前後の席で高低差が50~60センチくらいはあったし、何より前を遮る障害物が一切ないので、前の席の人との身長差が50センチくらいあるとか、前の席の人が頭上でUOグルグルするバカチンとかの条件にならなければステージが見えないっていう状況はまず発生しそうにありませんでした。ちなみにDAY1ラウンジにはUOグルグルマンはいませんでした。
構造としては通常のスタンド席と同じで座るとクッションが下りるよくあるやつです。ただしクッションの厚みが一般席より明らかに分厚い。映画館みたいな長時間座っても体に負担がかかりにくいようなタイプのに思えました。前後幅も余裕があり、座ったままでも前を通れるくらいのスペースがありますのでトイレに行きたくなってもあまり迷惑は掛からなそうです。席の横幅自体はそこまで広いわけではなかったです(それでもスタンド席よりはやや余裕があったかも)が、席の間に20センチ四方くらいのスペースがあり、そこにグラスや双眼鏡、ペンライトくらいなら多少置けるくらいの広さが確保されており、結果的に隣の方との間隔が広々としていました。普通にしてれば隣同士でぶつかることもほぼなさそうです。
ステージまでの距離としては、LEVEL5最上段より遠いということになるので決して近いとは言えません。それでもKアリーナ全体の構造として体感的にステージが見やすいことも相まってアリーナ後方とかよりは悪くないかと個人的には思います。また前述の通り個人ごとに使えるスペースが通常の席とは比べ物にならないくらい余裕があるので、双眼鏡などをMC中だけ使用してペンライトを横に置くなどの融通が利かせられます。費用は掛かりますが検討の余地があるかもしれません。
個人的に唯一といっていい気になった点は照明の問題です。今回の設備上たまたまかもしれませんが、ステージ上部に設置されたライトの高さが丁度SPラウンジの目線と揃ってしまい、曲によってはかなり眩しく感じる場面もありました。通常の席でも照明の関係で体調を崩された方がいたようなので、光の明滅に弱い方は念のため対策をしておくことも考慮してください。ステージ真正面なのでライトが飛んでくる頻度も当然高まります。杞憂に終わればただの笑い話でいいと思うので、頭の片隅にでも置いておいてもらえればいいかと。
個人的反省点
・もったいぶらずにDAY1終わった時点でSPラウンジのすばらしさをウザイ位に拡散しまくればよかったかもしれない。今こうやって記事書いてるけど記憶が薄れてしまった部分の補完の意味でも当日のハイテンションをさらけ出していくべきだったかも。
・どうせならもっと同席した方々と交流しておくべきだった。あんな非日常空間はこの先どんなライブに行ってもなかなかお目にかかれない。あの場所を味わってしまった限界オタク同士でしか通じ合えないものがあると思うので、もっと仲良しになっておけばよかったかなと。終演後も1時間ほど居座れたらしいので、打ち上げの予定を入れていない方とかはあの場でプチ打ち上げとかしたら絶対楽しいよ。
・公演中は個室を開放して場内の音入れながら盛り上がって観覧してたけど、観覧席側の方うるさくなかったかなって今更ながらすこし不安。当日は注意されたわけではないけど、こっちが一方的に楽しみまくってその陰でストレス感じてた方がいたのではないかと思ってしまったり。杞憂であることを祈りたい……。
・入室前にフラスタ見に行けばよかった。通常チケットの入場よりも格段に素早く動けたわけだから、あの大行列でも比較的余裕を持って動けただろうという反省。まあその分ラウンジでゆっくる時間を過ごせたところもあるから一長一短ではある。
・終演時に出現したキャスト陣の直筆メッセージボード、DAY1時点で注意喚起しておけばDAY2のSPラウンジのメンバーがもっとスムーズに対応出来てより多くの人にメッセージを拡散させられたかもしれない。というかDAY1に見た時点でまだDAY2のみの出演キャストの分は空白になってたから、翌日にすべて埋まってTwitterに公開されるんだろうなーくらいに思ってた。結局公式からは正式公開されないみたいだし、もっと大勢の目に届く手伝いができたかもなと割と真面目に後悔してる。DAY2参加者が頑張ってくれたようで全員分のメッセージ自体はTwitterで見られると思うので、もし万が一この記事でその事実に触れた人は是非探してもらいたいです。
(24/03/08加筆 公演終了後に販売されているデジタル色紙にてこちらの寄せ書きの内容が記載されているようです。ですのでSPラウンジ席では少し早めに文章を読めたのと実物の寄せ書きボードが見られたのが特典になっていた模様。)
(24/03/09加筆 上記のデジタル色紙ですが、実際に購入して確認したところラウンジで見たボードの内容と異なっていることが発覚しました(明らかに異なっていると保証できるのは個人的に内容のメモを残していた香里さんのものだけですが……)。大まかな文意は近かったですが、デジタル色紙の文章の方がより長文のメッセージになっていました。文章の違いは39人それぞれで個人差とかもあるのかもしれませんので、この記事では私が責任をもって断言できる香里さんのメッセージにおいて異なっていたことを記載するのみに留めさせていただきます。繰り返しの訂正失礼いたします。)
まとめ
結論として、55000円出した価値は十二分にある。余裕で元取れました。同室された方たちと話してもポジティブな感想しか出てきませんでした。初対面の方がほとんどでしたが入室直後の緊張感や開演後のアホほど盛り上がったおしゃべりもまた改めて語り合いたい充実した時間でした。ラウンジスタッフの方々は実に丁寧に接してくださり感謝しかありません。最初はキョドっていた私も、2杯目のお酒を注文する頃には平気な顔して電波感傷Tシャツでロビーに飛び出していました。その注文の際にも「盛り上がってますか?」と声をかけていただいたり、1日通して一人も不快な対応をされることがありませんでした。開演前にわかちこPと梅木さんが顔出してくれたのもお金で買えない価値ある出来事でしたし(わかちこPもこんなところ来たことないって言ってました)、メッセージボードを直接目にすることができたのも滅茶苦茶貴重な経験です。39人分埋まってないのはもうDAY2特権と思って特に気にならなかったし、個人的には歌織さん(香里さん)のメッセージが見れただけで満足すぎるほど満足でした。
もしまたどこかのライブでSPラウンジあるよってなったら絶対応募します。多分当たらんだろうけど……。ライブの思い出ってモノではなく体験にお金を出すものだと思うので、ライブ本編の思い出も相まって間違いなく一生記憶に残る思い出になりました。直近のシャニマス6thでの募集はもう締め切られてるけど、当選された人にはきっと楽しい思い出になるよって伝えたいし、この先の何かのライブでSPラウンジの募集があった時、「迷うけど高いからパス」ってなりそうな人には迷うくらいなら騙されたと思って応募してみろ!って伝えたい。狙って行けるところではないけれど、もし行く機会があればきっと素敵な思い出になりますよって伝えたい。
私はきっとこの先も、SPラウンジの思い出を胸にオタクしていきます。
あの場所を訪れる全てのオタクに、幸多からんことを。