
ゆりかごから墓場まで
美しい静寂に包まれたまち、 水郷・柳川。
水面の表情に季節を知り、
のどかな流れに人生を想う。
花嫁舟に導かれ、結ばれたふたりが向かうのは、
300年の時を紡ぐ国指定名勝の藩主邸。
松の緑が鮮やかな日本庭園「松濤園」
総木曽檜で造られた和建築の「大広間」
明治時代鹿鳴館様式の流れを汲む
洋建築の「西洋館」
かつて国内外の要人を迎えたこの場所が、
結婚式の舞台として新たな時代を迎えています。
宿泊、料亭、団体昼食、宴会、物販、見学、そしてブライダル。
私が10月から所属している、柳川藩主立花邸 御花では、上記の通り、様々な事業に取り組んでいます。
そして、私はこの2ヶ月弱で、多岐にわたる部署で現場研修をさせて頂き、ブライダルにも(サービススタッフとしての経験も合わせて)3回、関わることが出来ました。

その中で、こんなことを聞いたのです。
「両親もここで披露宴を挙げました。
だから僕たちもここで披露宴を挙げたい。」
私はとても感動しました。
初代藩主立花宗茂から数え、約400年の歴史・文化を受け継いできた、ここ御花だからこその出来事だったと思います。
でも、それだけで終わりではありませんでした。
「そして、いつか息子にも
ここで披露宴を挙げてもらいたい。」
親子3世代。
人生の節目、節目を御花で祝う。
そんな素晴らしい歴史が始まった瞬間でした。

さて、一年間をかけて、3か所の地域と宿泊施設を巡ってきた私ですが、この時、ハッと気付かされたことがありました。
人が住み、結ばれ、命を繋いでいく、という
循環により、地域が創られていく。
これは地域だけでなく、宿泊施設にとっても同じことが言えるのではないか、と思います。
あなたが過ごした時間が、眺めた風景が
出会った人々が、今日も歴史を紡いでいく。
私に残された時間は、あと1ヶ月。
まだまだ可能性を秘めている御花の魅力をたくさん見つけていきたい。
そう感じる今日この頃です。
これからも御花が「永遠の心のよりどころ」であり続けるために。