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モントリオール小学校留学~5か月経った感想~
モントリオールの冬
小学1年生と4年生の息子を連れたカナダ・モントリオール母子留学をはじめてから5か月が経った。子どもたちは引き続き毎日元気に、小学校(私立)に通っている。
更新がだいぶ空いてしまったが、ここ数週間、”スキ!”をいただいたり、あたたかいコメントをやメッセージをいただいたりと、こんな私の記録に目を通してくださる読者の方がいてくださることがうれしく、私たちの経験が少しでも、どなたかの参考になればとまたパソコンを開いた。
モントリオールの冬は寒い。とにかく寒い。氷点下は当たり前だし、雪もたくさん降る。頼みのバスも遅れることが多い。子どもたちはスキーウエアにスノーブーツ、スキー用グローブ、耳までカバーするニット帽をかぶって毎日登校する。そこまで完全防備でも、風と雪が重なった時は、寒さでむき出しの頬や鼻の頭が痛み、リンゴのように赤くなる。
それでも子どもたちは毎日雪に夢中だ。学校のグラウンドは毎日降り積もった雪で真っ白。氷点下の中でも、黄色い声を上げながら有り余る雪で雪だるまや氷の椅子、かまくらは時間的に無理でも雪の陣地なるものをみんなで作って楽しそうに遊んでいる。
そんな子どもたちの笑い声を聞きながら、空から綿のように降ってくる大粒の雪の結晶を手に取り、古いレンガ造りの建物が雪化粧した景色をみていると自然と心が温まる。モントリオールの冬は身に応えるけれど、悪くない。そう思えるおだやかな時間がモントリオールでは流れている。
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冬休みが終わり、2学期スタート
5か月経った子どもたちの英語力
約2週間の冬休みが終わり、子どもたちは雪の中、学校へ戻っていった。
冬休みはほとんど家族でいたため、日本語での生活となって新学期のスタートを少し心配していたが、何事もなく初日が終わり、気が付けば学校が始まって10日も経っていた。
我が家では、学校の宿題にプラスして、家庭学習で英語を教える時間を作っている。英検の教材を使用し、12月から私自身が週2,3回1時間ぐらいずつ文法の知識の解説やクイズを出している。
現在は、英検4級の教材を使っているの状況だ。基本的に二人とも知らない単語はボチボチあれど、つまずくことなく説いていけるレベル。ほとんど”聞いたことある!”というような漠然とした感覚で二人は解いていくので進み早い。ちょっと簡単すぎるかな?とも思いつつ、例えば、"arrive at~"と”arrive in”の違い(”arrive at~” はどこかの地点への到着、”arrive in ~"は、地点よりも大きい場所への到着)を説明したり、彼らが学校の英語のシャワーでは聞き落してしまうだろうことを探し、それをすくい上げて解説するように努めている。
そんな英語漬けの息子たちの英語の伸び方は、それぞれ違う軌跡を描いているようだ。
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スピーキングよりライティングが伸びる小4男子
英語0からスタートした長男。あれから5か月ーー。小4の長男は、まだまだ会話は自信がないのかおぼつかないものの、英作文で彼が吸収した英語をアウトプットできるようになった。毎日たくさんの英文を学校で読み、分からないなりに辞書や翻訳機を駆使しながら英文を書かされてきた経験が、少しずつ身になってきていて自分の言いたいことを少しずつ文章で書けるようになってきている。長い文章を先生に褒めてもらったことが更に彼の自信となり、宿題でも沢山英文を書こうと前向きだ。
リスニングについても、先生をはじめ周りの子達が言っていることも大体分かるようになったと本人はいう。ただ、リーディングは苦手だそうだ。頑張っているとはいえ、学校の授業についていく単語力や文法の知識はまだまだ未熟。もし文章を読んでくれたら何となく分かるけど、自分で読んだら分からなくなってしまう。内容を推測するしか他ないようだ。
フォニックスの強みを感じる小1の次男
一方、小1の次男は、書くよりもスピーキングが伸びているようにみえる。もともと人懐っこく、誰とでもおしゃべりする性格も功を奏しているのもある。彼は、覚えた単語はすぐ使おうとする。間違っていても気にしない。他の人が言っているのをその場で真似するし、わからなければ意味を聞く。そんな日常の繰り返しが彼のスピーキングの上達と発音の良さにつながっている。もう発音については、高校留学で2年カナダにいた私を超えたと思う。次男は、日本で”あいうえお”をはじめに学ぶように、フォニックスを学び、発音の仕方や単語の読み方をしっかり授業で学んだこともあり、新しい単語もほとんど正しく読め、発音できるようになった。1年生の発音の授業を受けていない兄より、次男の方が初見の単語が正しく読めてしまうから驚く。長男が英単語の読み方に苦戦しているのをみているので、フォニックスを学ぶ大切さを改めて痛感する。
英検3級レベルも理解し始める
また驚いたのは、ためしに英検3級の単語も少しクイズで出してみたが、二人とも結構分かっていたことだ。次男については、haveをつかった過去分詞の文を友達の会話から吸収してきたのか、ある日普通に会話で使っていた(長男は英文でも会話でも使ってないが文法は少し理解しているらしい)。
当たり前なのかもしれないが、二人は英検4級を週2,3回進めるよりもずっと早く英語を毎日吸収してくる。私が日本の中学校で1年~3年まで必死で勉強した英語を、1年も経たないうちに吸収し、追い越していくことを考えると、私の受けていた教育の在り方自体を問い直したくなってくる。子どもの成長は早い!というのを通り越して、時間の流れ自体が違うんじゃないか?とも思ってしまう。きっとこの調子で二人は、私の中学3年間と高校留学で培った英語力も近いうちに越していくんだろう。
そんな未来も現実のものとしてみえるような気がした。
日本の英語教育に対する母のボヤき
改めて、少しだけ日本の英語教育にも思いをはせてみる。
2人の努力とこのようなカナダ留学という機会がなければ息子たちの英語の上達は成しえないことなんだろうけれども、日本の英語教育について考えると、もっと子どもたちを成長させられる余白があると思う。
例えば、小学校では「英語を楽しもう!」という”遊び”に近い発想から英語が始まるが、音を覚えるのに適している小学校の低学年の頃からもっと学校でフォニックスを徹底するとか、もっと”遊び”とかではなく”学問”として英語に向き合うことで子どもたちの将来的な英語能力が伸ばし、ひいては”使える英語”の習得、そして”英語が好き”につながるのではとも思う。
言語を学ぶことは簡単ではない。だからこそ、耳が良い幼いころからしっかり基礎を学べる環境が日本にもあればいいのになと個人的には思う。
最後に
カナダ・モントリオールの冬は寒い。とにかく寒い。でも、だからといってこの場所が嫌だとは全く思わない。むしろ、子どもが多国籍な友達と雪で思いっきり遊ぶ姿や、言語の成長を常に間近でみられる環境は、想像以上に心をあっためるものなのだなぁと思う。
Thank you;
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。私が感じることをありのままに書かせていただきました。何か質問やご感想があればコメントやメッセージをいただきましたら返信させていただきます。
私の経験が、誰かのお力になれればと本望です。