引越し初日、赤茄子のステーキ
北九州の街は曇りが多いらしい。
それが理由かわからないけれど、名古屋に比べると4度くらいは最高温度が低い。
連日40度近い最高気温が続き、息をするのも苦しかった名古屋に比べると、なるほど確かに北九州は少し、呼吸がしやすい気がする。
いや、でもそれにしたって暑い。
7kg以下にして飛行機の持ち込み荷物にしてやろうと目論んでいたにも関わらず、最後家で測ったら全然12kgあって、泣く泣く課金したスーツケースを引きずれば、嘘みたいに汗が吹き出してくる。
代謝が悪く、汗をかかないのが悩みでもあり、楽な部分でもあったのに、いつのまにか頭から足元まで汗でべたべたになる。暑い、暑すぎる。
博多でお茶しよう、なんてコーヒー屋の目星までつけてたけど、いざ着いたら疲れすぎて家に直行。
行きたかったお店は無念。まあでもこれからずっといるんだから、焦らずゆっくりいこう。
家に着いたら、冷房が付けっぱなしだった。
普段からそうなのかなと不安になったけど、旦那が私が暑いなかやってくるのを見越してわざと今日は付けたままにしておいてくれたらしい。
優しさだった。電気代……とか思ってごめん。
茹だる暑さのなか、ほんの少しオアシス(家)で休息をしたらもう夕飯の時間。
冷蔵庫は案の定空っぽで、野菜室には所狭しとハイボール用のソーダ水が詰めてあった。酒飲みの冷蔵庫。
家の近くのスーパーに繰り出し、夕飯の調達をする。
ここのスーパーは安い。ディスカウントストアの形態らしい。あと海に近い街だからか、海産物が前住んでいたところよりも豊富な気がする。
九州初日、といえどそんなに凝ったものは作れないので、シンプルに冷しゃぶにでもしようと思った。
野菜を探してると普通の大きさの茄子が2本で300円。うーん、ちょっと高い。でも茄子を買う気分だったので迷ってたら隣に「赤茄子」というバカでかい茄子がほぼおんなじ値段で並んでいた。
せっかく買うならこっちにしようと思い、他にもちまちま野菜やらなんやらを購入し帰宅。
茄子は煮付けか焼き浸しにでもしようと思っていたけれど、どうやら赤茄子は身が柔らかくてアクが少なく、そのまま焼いて食べるのが美味しいらしいので、茄子ステーキにした。
茄子ステーキは塩と胡椒を軽くふっただけ。でも確かにジューシーで美味しかった。熊本の特産らしい。
当たり前だけれど九州のものが簡単に手に入るのが、九州のいいところ。
こっちでしか手に入らないものを、少しずつ楽しみたい。