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離職手続きと、いちご味のかき氷

かき氷のシロップって色と香りだけで、味は変わらないらしい。



北九州に来て一週間。
ちまちまと引越し作業だとか、行政手続きを進めた。
行政手続き、昔はあまり好きではなかったんだけど
それは一回で完璧に終わらそうとしているからだと気づいた。

あの書類が足りない、印鑑が足りない、何日後にもう一度。行政手続きというのは往々にしてそういうものだ。結婚して苗字を変えるときが、一番大変だった。

真面目にやろうとすると喰らってしまうので、
最近、行政手続きはゲームの「クエスト」みたいなものだと思うようにしている。

あまり自分ではゲームやらないんだけれど、
旦那はゲーム好きな人なので、となりでよく見ている時間が増え、いろいろ覚えた。
クエスト、というのは単純に訳すと「探し求める」という意味で、
ゲーム上では次のステップに進むための課題になる。

RPG系のゲームでは、大抵、冒険者が街とか村の誰かに話しかけると「クエスト」が発生する。
〇〇を何個持ってこい、とか、
〇〇を倒してこい、とかの課題が出て、
それを解決してもう一度その人に話しかけるとクリアになる。
なかには二回目話しかけに行ったら「次はこれもお願い」みたいに追加で課題を言われることもある。

やってみないと課題がわからなくて、
クリアしないと次のステップに進めない。

まさに、トライアル・アンド・エラー。

事前に調べはするものの、行ってみて足らないものがあればそれを揃えに行く。最初からそのスタンスだとちょっと心待ち楽になる。
全部その日に完璧に終わらせようとすると、上手くいかないとき慌てたりいらいらしてしまうので。

北九州に来るにあたり、
住民票なんかの手続きは終わっていたので、
今回のクエスト(やらなければならないこと)は、
主に離職関係の手続きだった。

・国民健康保険への切り替え
・国民年金への切り替え
このふたつ。

(厳密にはハローワークに行くってクエストもあるんだけど、それはまだ先になりそうなのでとりあえず今はこのふたつ)

これは仕事辞めたらすぐ出来るようになるわけでもなく、退職した企業から貰う「健康保険資格喪失証明書」を持っていかなくてはならない。
そしてこの証明書は、離職日の次の日に健康保険組合から郵送されるので、辞めた日の3〜4日後に届く。

はい、難しい〜。

なんとかそれを手に入れ、
いろいろ調べた結果、ほかにも年金手帳や印鑑、本人確認書類が必要だということがわかったので、
それらを集めて鞄に入れ、いざ参らん。

結果、ふたつともすんなり切り替え自体は出来た。
並びはしたけれど、大きなトラブルもなく終わらせられた気がする。

ただひとつ、追加クエストが発生した。

私は旦那の転勤都合で離職しているので、
「自己都合」ではあるものの、行政手続き上の
「特定理由離職者」になる。

「特定理由離職者」は、やむを得ない退職、として、失業保険の給付制限期間がないなどの措置がある。

国民健康保険においても、「特定理由離職者」は払う分を少し減らしてくれる「減免措置」がある。
ようするに、払う額をちょっと減らしてくれる。

切り替えの際貰った国民健康保険料にはそれが反映されていなかったので尋ねてみると、
「減免措置」には、ハローワークで貰う「雇用保険受給資格者証」が必要らしい。

あらかじめハローワークでもらってきたら良かったのに、と思いたいが
実はハローワークに行くには、退職した企業から届く「離職票」が必要であり、その「離職票」が届くのは退職してから20日前後になる。

なので、「特定理由離職者」の「国保、年金加入者」は、
① 離職後3〜4日後に届く「健康保険資格喪失証明書」を持って役所に行き、国保・年金の手続きをする。
② 離職後20日後に届く「離職票」を持ってハローワークに行き、失業保険の手続きをする。そして「雇用保険受給資格者証」を得る。
③ 再び役所に行き、「雇用保険受給資格者証」を提示して減免措置を受ける。
この流れで動く必要がある。

はい、難しい〜。

そもそも離職したときにも、
健康保険を国保にするか、元の企業の健康保険の任意継続にするかを選択する必要があるなど、いろいろ考えることがある。
(先述した減免措置を受けられたので、私は国保にした。正直本当にそれで良かったのかは最早わからん)

こういうのって、人それぞれ事情もあるからか
誰も教えてくれないし、よくまとまったマニュアルなんかも存在しない。マジで難しい。

やり切るコツは、やっぱり一回で全て終わらせようとせず気長に「クエスト」だと思ってやっていくことだと思う。テクニックではなく、根性論。笑

そんなこんなを乗り越えた1週間。
週末には、旦那が企画してくれた旦那の会社の方とその奥さまとご飯に行った。

旦那が少しでも土地にでも馴染めるようにと、
気を利かせて企画してくれた会だった。
……のだけれど、
自分より歳上の方との初めましての飲みの場。
人と話すのは好きなんだけど、
お酒の全く飲めない自分にとって、初めての人との飲みの場は実はあんまり得意じゃない。

みなさんすごく優しくて良い方ばかりで、
あったかい環境だったんだけど、
旦那の上司ともなればやはり緊張はしてしまって、
飲みの終わりはへとへとになってしまった。

そのあと旦那に連れられて、
すぐ近くでやっていた地元のお祭りに行った。

結構大きな祭りで、地元の大企業が人と名を連ねて「百万踊り」なんかを練り歩いていたりする。

めちゃくちゃ素敵な地元のお祭りだったんだけど、
慣れない土地で初めましての人との飲みの場を経て、
初めての土地の祭りを見ていたら、

「ああ、私は本当に名古屋から出てきてしまったんだ」と思って急に泣けてきてしまった。

我ながら、名古屋が好きすぎる。

多分、疲れてたのもあるんだと思う。
そこにノスタルジックな気持ちがいい感じに乗ってしまい、帰り道「愛知に帰りたい……」と号泣した。

旦那に買ってもらったかき氷、
何故かコメダが出店したかき氷だったらしく、
コメダは愛知のものなのにここは愛知じゃない……とまた謎に悲しくなって泣いた。笑

そのあとも家に帰って一時間くらいシクシクして、
そしたらちょっとスッキリした。

そのあいだ、旦那は酔っ払ってたので
「おれは味方だよ……」って言いながら寝落ちていた。


頑張りすぎるとこういうことになってしまうから、
くれぐれもぼちぼち行かないといけないね、と反省した日でもあった。

泣きながらスマホをいじっていたら、
禅の言葉の「日々是好日」という言葉を紹介している記事を見つけた。

人生は良いときとそうでないときの繰り返し。
どちらも変わらない、一日。

良いときにできるかどうかは、
私の受け止め方でいくらでも変えられる。
境遇が私の気持ちを決めるのではなく、
私自身が私の気持ちを決める。

新しい生活を楽しめるかどうかは、私次第だ。

なんだか精神論に寄ったエッセイになってしまった。
こんな日があっても良いかな。


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