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スキャンダル、窮地を乗りこえる


スキャンダル

週刊誌のスキャンダル報道を見て、批判的にいう人が少なくありません。
確かにプライバシーまでずかずかと踏み込んで、報道されると、たとえ真実であっても、街を歩くのが恐くなるのが経験しなくてもわかります。

イギリスのダイアナ妃がフランスで交通事故に遭い、亡くなった悲劇はパパラッチなどゴシップ紙の行き過ぎた報道がもたらしたと私は思っています。

日本におけるゴシップ報道も人の生活を破滅的に陥れます。市川猿之助さんの親子心中事件も週刊誌報道が一因といわれています。

ですから、週刊誌の記者に対しての批判はよく聞きますが、彼らがどう思っているかあまり知りません。

週刊文春
先日、週刊文春と文藝春秋のトップで、両誌の発行人、新谷学さんの話を聞きました。

週刊誌の記者は有意義な記事を書きたいというのが根底にあるそうです。商業誌ですから、売れるのが前提になります。ですから有意義で売れる記事が一番いいのですが、なかなかうまくいきません。

河井克之法務大臣夫妻が起こした選挙違反事件は報道すべき事件と位置づけたそうで、買収の裏付けをとるため、広島に記者を何人も出張させ、一人ひとり買収された議員に会い、供述をとるため、取材費が膨れ上がりましたが、その時の週刊文春は売れなかったそうです。

反対に芸能人のスキャンダル記事はよく売れ、タレントのベッキーさんの記事はよく売れたといっていましたが、こういう記事ばかり書いていると記者のモチベーションは下がるそうです。

取材したものは真実であり、出す価値があるものであっても、自殺をされないかなど、取材対象者の人権も考えるといっていました。

スキャンダル議員への配慮

国会議員の育児休暇の活動を活発にしていた宮崎謙介衆議院議員が、妻の金子恵美議員が妊娠中にもかかわらず、不倫をしていた報道について、胎教のことも考えて、出産後に掲載を延期した話を聞き、少しほっとしました。週刊誌もマスコミの一役を担っている以上、矜持は必要だと思いました。

宮崎、金子夫妻は二人とも、辞職したり、落選したりして、議員を辞めることになりましたが、今ではお二人ともテレビに煩雑に出演し、コメンテーターやタレントとして活躍しています。

希望の党騒動で落選した若狭勝さんは特捜検事出身の弁護士として、テレビで分かりやすい解説をしています。

また、「このハゲ―」の暴言を秘書にあびせ、辞職した豊田真由子元衆議院議員も、週刊誌等に散々叩かれましたが,厚労省出身議員の経験を生かしたコメンテーターで、穏やかな解説をして私も好感を持っています。

その他、初当選ではしゃいでいた、杉村太蔵元議員など、週刊誌やマスコミに批判の嵐に巻き込まれた人たちも、マスコミの舞台に受け入れられています。

とても面白い現象ですね。人生はやり直しができる見本です。それなりに真面目に仕事をしていれば、役立つ機会があることがわかります。

仕事の表面だけではなく、仕事をしている人の裏側の思いを知ることによって、報道記事で何を知らせたいのかが、よりわかる気がします。

SNSで匿名の発言や表現も悪質なものは摘発されるようになりましたが、いわば、既存のマスメディアでの発言は大きな責任と覚悟が要求されます。

週刊文春の記者は半分上が契約社員で、朝日新聞や日経新聞など大手新聞社からの転身組は多いそうです。近年の新聞の衰退を聞いていますので、忖度が当たり前と見られる大手マスコミから離れて、週刊誌に流れる記者の気持ちがよくわかります。

スラップ訴訟

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