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地位にふさわしい振る舞い

あこがれても、同じ人間


人は誰かにあこがれを持ちます。
それはスポーツ選手であったり、芸能人であったり、偉人であったりします。
一般の人がいくら努力しても、大谷翔平選手のようにホームランは打てません。私は今から総理大臣にはなれません。もちろん芸能界のスターにもなれません。

それは致し方ないことですが、彼らと共通点があります。大谷選手も総理大臣も、芸能界のスターも私と同じ人間です。

ただ、大谷選手は一流のプロ野球選手になる才能があり、総理大臣は選挙に当選し、政界出世術を会得しているから、現在の位置に到達しているのです。もちろんスターも運と才能に恵まれたからスターになったのです。

全人格的にあこがれを持つものでもありません。

大谷選手は人格的にも素晴らしいという声も聞きますが、大谷選手のような人格者は皆さんの近くにも、よく目を凝らせばいるはずです。一般の人がごみを丹念に拾っていても世間的にクローズアップされません。

有名人の善行


ですから著名人、有名人は積極的に目立つ善行をしてほしいと願っています。

俳優の杉良太郎さんは慈善活動を積極的に行ない、多額の費用を使っています。杉さんの行為は売名行為だといわれることも時々あるそうですが、「売名行為」と思われてもかまわないと言っています。

大谷選手も全国の小学校にグローブを送ったり、子供たちを留学させる費用を寄付しています。有名人の行動は波及効果が一般人よりはるかに大きいので、有名人が率先して寄付行為をして、日本も欧米並みの寄付文化が発展するのを期待します。

国会議員は尊敬されているのか?


裏金疑惑の国会議員が「不記載のお金を納税しません」と断言する言葉を聞くと、とても悲しくなるのは、私一人ではないでしょう。

国会議員の発言、行動も有名人と同様に波及効果は絶大です。

国会での論戦のやり取りを聞いていても、論戦がかみ合わない発言が繰り返され、うんざりしてしまいます。

国会中継をみて子供たちが、若者が国会議員を尊敬するようになるか? 
現状ではイエスの答えはむずかしいと判断するのが妥当でしょう。

私立大学出身で初めて警視総監になり、法務大臣をつとめたことがある秦野章さんの発言に、「政治家に徳目を求めるのは八百屋で魚を求めるのと同じだ」というのがあります。

秦野さんの徳目は清潔とか正直など、人として当然すべき道について言ったのでしょう。それが現実なのかもしれませんが、政治家には徳目は必要だと私は思います。
(徳目:儒教では人が守るべき、仁、義、礼、智、信の道、古代ギリシアでは
知恵、勇気、正義、節制、キリスト教では信仰、希望、愛などをさす)

政治家は「先生」か?


政治家は国会議員でも町会議員でも「先生」とよく呼ばれます。
中には「先生」と呼ばないでほしいという議員もいますが、私には偽善っぽく聞こえます。
「先生」は尊敬すべき人に対する敬称だと私は理解しているので、政治家を先生と呼んでもかまわないと思っています。ただ、徳目が備わっていないから、先生といわれるのが後ろめたいのでしょう。

私が生まれる以前の昔は「末は博士か、大臣か」といわれるくらい、大臣はあこがれであり、尊敬の対象でした。ですから政治家の方々が先生と呼ばれるのはおかしなことではありません。

先生と呼ばれるのに値する実力がついていないのが問題です。

同じ大臣でも


私は記者時代、何人かの大臣にインタビューしましたが、私でも実力差がはっきりとわかりました。

竹下派七奉行と呼ばれた奥田敬和議員には運輸大臣のときにインタビューをしました。
私の質問に紙を持たずによどみなく答えられました。
運輸省に関わる、当時の問題しか尋ねなかったので、運輸省のトップがよどみなく答えるのは当たりまえに思えますが。

同じ運輸大臣でも違っている人がいました。

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