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キントキイモスリケンケーキ赤橙スリケン添え

発端

今年もまたニンジャスレイヤー222の日がやってきた。さてどうするか。

昨年末に私は栗きんとん用に張り切ってでかいキントキイモを2本買ったのだが、いざ作りだしたら「一本で十分だな…」という結論に達し、もう1本が長らく床下収納でジャガイモやタマネギの横に鎮座したのを思い出した。

キントキイモ……金時……キンカク・タイム

うむ、ニンジャ的だ。

こいつを使ってニンジャ的甘味などこしらえようではないか。そのように思った。
同時に、私は多年にわたる数々の残念な代物クリエイト経験から、自分にお菓子作りの適正が甚だしく欠けることも知っていた。

お菓子作りの適正、それは何か。計量と温度・時間管理である。

だいたいこんなもんじゃろ、あるだけ使い切ろう、ダイジョブダッテ、そのようなラフ&タフ料理で日常を回す手腕はそれなりに熟達してきたという自負があるのだが、それ故に私に元々欠けていた精緻な作業管理スキルは底を突いたままである。

しかし、現代社会には見事にそれらを補う技術の結晶がある。つまりホットケーキミックスと炊飯器だ。
計量はホットケーキミックスが、温度・時間管理は電気炊飯器が担ってくれる。
インダストリアルかつサイバーなお菓子作りというわけだ。

さらに惰弱なインターネット肉である私は「サツマイモ ホットケーキミックス 炊飯器」などのキーワードで検索し、世間のホットケーキミックス炊飯器レシピサツマイモバージョンのアレンジ方などを得た。敵を知りまた己を知れば百戦ノーアブナイ。勝利は約束された。


材料

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キントキイモとホットケーキミックスの残り約200g こいつらが今回の主役だ。

すでにして、イモが相対的にでかすぎるのでは……?という気もするが、イモをホトミでまとめたような感じになればケーキじゃろ、そう思うことにした。年末は気分が高揚するので、とりわけでかい立派なイモを買ったのだ。

さらに、牛乳200㏄、卵2個、バター適当も用いる。

この辺の分量はホットケーキミックスの説明書きと、世間のアレンジレシピのアトモスフィアから導き出されている。お菓子作りに必要なのは計量とか言っていたくせに、既にもういろいろ適当だが、プロが調整した配合比を、食品メガコーポの巨大マシーンがまとめた粉が何とかしてくれると思う。私はインダストリーを信じる。

作り始める

まずは、キントキイモを適当に皮付きのまま輪切りにし、スリケン型を切り出していく。キンカクに連なる存在であるからハッポースリケンはやはりあった方がいいし、ハッポースリケンは不規則な形状であるからしてラフにザクザク切り出した。8枚刃を切り出すのはやっぱり面倒だったので、残りはオーソドックスな4枚刃スリケンにしていった。

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4枚刃スリケンも、まっすぐ飛びそうにない歪な形状が多々見られるが、かえって不規則な軌道で相手を翻弄するかもしれない。そう思いながら私は複雑で美しいコリ・スリケンを作り出すフロストバイトさんへのソンケイを新たにした。

スリケンの残りの部分は賽の目に切り、赤黒の皮と金色断片というニンジャスレイヤーイメージ破片とする。そしてスリケン型と共にしばし水に晒し、レンチン行為する。

これは野菜レンチン蒸しタッパーだ。内側にザルパーツがあり、蒸しあがった野菜をざっくり水切りして取り出せる蒸気は爆発しない程度に勝手に出してくれるので、軽率な野菜まとめレンチン行為に大層便利である。普段は白菜を何枚かまとめてレンチン蒸ししてすりごま・味ぽんをかけるとか、野菜炒めに入れるニンジン等の予備加熱で愛用している。

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今回はイモ量が世間より多いことを鑑みて600W 4分+1分とした。食べるにはもう一押し、程度に加熱された。こんなもんじゃろ。

ボウルに温まったキントキイモ断片をいくつか取り出し、こやつらの熱でバター(適当な量)を溶かす。赤黒の皮の熱を喰らえ。

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バターが溶けたらここに卵2個、牛乳200㏄を投入し攪拌する。さらにホットケーキミックス粉を加え、混ぜる、混ぜる、混ぜるなどし、最後にキントキイモ断片を全部入れてまた混ぜる、混ぜる。

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やっぱ、イモ多いな…… まあいい。タネができた。

次は炊飯器の内側にサラダ油を塗り、スリケン型に切ったキントキイモを炊飯器釜面に張り付けていく。

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スリケンの刃が折れたりもしたが、これもイクサのワビサビ…ということにする。ここにボウルの中のタネを流しいれ、炊飯器スイッチオン。

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後は炊き上がりを待つばかりよ…とゲームとかしてたらもう炊飯モード完了していたので蓋を一旦ひらいたところ、まだっぽかったのでもう一度炊飯スイッチオン!さらにもうちょいだったので三度目オン! 世間のレシピも「炊飯器によっては何回かやって」とあったし、今回は量が多めなので既定路線である。

できた

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キントキイモスリケンがケーキに埋没しておる……

ハッポ―スリケンがすでに埋もれた存在、つまりサツガイさんからジツを授かったケーキになったようだ。もともとキンカクにゆかりが深いケーキだからそれも自然な話だね。


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しかし、見た目のスリケン性が足りないな…と思った時、多数回の炊飯スイッチオンによって夕食の支度の時間が迫っていること、そして今夜は厚揚げ入りの鍋的なものにニンジンを使うことから、茹でニンジン赤橙スリケンを添えることを思いついた。うむ、実にニンジャな仕上がりだ。

かくしてインダストリとサイバーの力によって、キントキイモスリケンケーキ赤橙スリケン添えが完成したのである。

こいつは夕食後に食べよう

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