産後はじめてのひとり旅
ひとり旅のきっかけ
「たんじょうびプレゼント、ほしいものある?」
夫にそう聞かれたとき、なにもほしいものが思い浮かばなかった。
「ひとりの時間がほしい!ひとり旅に行きたい!」
「行っておいでよ!」
夫と子(3歳)に「時間」という誕生日プレゼントをもらい、産後はじめての3泊4日ひとり旅がはじまった。
行き先はどこにしよう
いつか時間ができたら…と願っていた、遠くにいる「友だちに会う」ことを旅の目的にした。
行き先は京都と福岡に決定!のびやかな旅をつれづれに書きます。
旅のスタート
木曜日から日曜日の3泊4日。子を保育園に預けて、新幹線に乗車🚅
子に「ママおでかけするね。しばらくいないけど、さみしくなったらでんわしようね。」と話したら、
「いやだ!さみしい!行かないで!」と言われたこと、その表情を思い出しながら。
罪悪感を感じつつ、せっかくもらった時間だ!私の人生もたのしむのだ!と言い聞かせる。
京都
京都に12:00ごろ到着。
まずやりたかったことは、「おいしいパンを買って、鴨川でのんびりたべる」こと。今回は、いわゆる「観光地」ではなく、ローカルな楽しみ方をしたいとひっそり思っていた。こちらのパン屋さんでソーセージパンとクロワッサンを購入!
夜は、友だちと合流して本がたくさんあるセンスの良いカフェを紹介してもらった。その人にとっての「 地元 」を見せてもらうのってたのしい。
宿はNINI ROOMというホステルに。ホステルやゲストハウスに泊まったことがなかったので、泊まってみたかった。
姉妹が2人でクラウドファンディングを使ってつくられたという背景やセンスの良さが目を引いたのが決め手。
福岡 / 北九州
京都に後ろ髪を引かれながら、福岡へ。佐賀でフォトグラファーをしている友人にプロフィール写真を撮ってもらう約束をしていた。場所は、福岡・北九州市の平尾台。
なぜプロフィール写真?と思われそうだが、circle of closet という「服の交換会」や「服の染め直し」などをする活動をはじめたので撮影したいと思っていた。(活動のきっかけはこちらの記事に…!)
たったひとりの写真を撮ってもらうなんていう経験はほぼなく、最初は恥ずかしさと緊張MAXだったが、だんだんと写真を撮られることがたのしくなったのは良い思い出。ひとりのポートレイト撮影、おすすめです。
福岡 / 八女
福岡で行きたかった場所、八女にある「うなぎの寝床」のお店たち!
商品はもちろんのこと、八女の地域を案内するツアーや宿を手がけていたり、とにかく興味があったのだ。
街全体が観光地化しているというわけでもなく、ちょうど良いかんじでお店が点在していた。地域を活性化させる!みたいなイメージが良い意味でくつがえされた。心地よく、商業とくらしが混ざり合っているんだと思った。だからこそ、地域に根づく本来のものを訪れた人も体感できる。
福岡 / 広川町
福岡県の久留米市と八女市に南北を挟まれた場所が広川町。久留米絣の産地で、工房を見学したくて訪れた。久留米絣は日本三大絣のひとつ。藍染した糸を織ってできる布で、「くくり」とよばれる技法であらかじめ染め分けた糸を用いて模様をつくることが特徴。
ゲストハウスOrigeでは久留米絣工房を紹介してくださったり、藍の生葉染め体験もできるとのことで「ここしかない!」と思った。
Origeのオーナーの方にアテンドいただき、藍森山絣工房さんにて久留米絣がつくられる行程を見学させていただいた。
絣という布ができあがるまでには本当に手のかかる行程がいくつもあり、1日かけて織れるのは10cmほど。糸の白い部分を組み合わせながら模様をつくっていく、その過程と図柄が美しかった。ただ、その分高価になる。昔は男性の着物によく使われていたそうだが、現代だとそうもいかないので久留米絣だけで食べていくのは難しいと、正直な実態も教えてくださった。
たった1日見学しただけで何が言えるというわけではないけど、この伝統的な美しい布や技法がなくなってしまうことは悲しく、何かの役に立ちたいとつよく心が動かされた。細部まで見せていただき、感謝の気持ちしかない。
福岡 / 博多
広川町をあとにし、博多へ向かう。電車で1時間強。
博多に住む友人にすてきなお店を教えてもらった。とても心地よかった。
おわりに
ひとり旅をする前、「え!?ひとりでいくの!?こどもは大丈夫なの!?」と言われることが多かった。そう言われるたびに、わたしは自分勝手な母なのだろうか…と罪悪感を感じた。そして、「誕生日プレゼントである」ことを盾にしたのだった。
家族の協力なくしては実現できないが、もっと母も父も自由に旅したっていいんじゃないかな?こどもを連れて旅に出るのもいいし。
旅で見たこと・感じたことは、日常では感じられないことだったから。旅先で感じる家族へのさみしさも含めて。
あたらしく輝いたものを大切にしながら、また日々を過ごしていくぞ!