2008年製のWALKMANでCONDOR44を聴いてた
大好きなバンドCONDOR44が話題になっているとのことで自分がどのようにして彼らの音楽に出会ったのか書き記したくなってしまった。かなり特殊な入り口で話が長くなりそうだが。
遡ること2008、9年頃。
当時、お絵描きBBS.comという色んなジャンルのお絵描き掲示板スレッドを集約したサイトがあり、その中に邦楽アーティストのファンアート(FA)を投稿するスレッドがあった。ペンタブを手に入れ早々に挫折した私はROM専としてそのスレッドに入り浸っていた。
投稿者の中には個人サイトを持つ人もいて、自分が好きなアーティストのFAを描く人のサイトに飛んでは閲覧し、Linkページに貼られているその人と交友のある邦楽FA絵描きのサイトに飛んでさらに閲覧、それの繰り返し、、といった人に言ったら引かれるようなインターネットの徘徊の仕方をしていた。
今思えば当時はまだSNSが広く普及される前だったので自分と同じように音楽が好きで絵を描く人を認知する術が音楽雑誌の投稿コーナーぐらいしかなく半分仲間を探しているような感覚だったのかもしれない。
そんなある日、チャットモンチーのFAを描く人のサイトを見つける。自分より少しお姉さんでチャットモンチーの他にはアナやBUMP OF CHICKEN等を好んで聴くとbioページに書いていたような気がした。(多分、記憶が曖昧である)
その人のブログには日々のことや聴いてる音楽について記されており時折見に行っていた。後に色々あって通信制か定時制の高校に編入したと書かれていたことも、自分も人生や心身に色々あり定時制高校に進んだ身として似た境遇に勝手に励まされるような気持ちになったりしていた。
そのブログの中でこの曲良いと紹介していたのが
CONDOR44の「db」だった。
鋭く冷えたリフレインからサビで一気に解放される美しい轟音。
ロッキンオンジャパンで取り上げられるようなメジャー系の邦楽ぐらいしかほとんど聴いてこなかった中学生の自分にとって雷に打たれるような衝撃だった。
これを聴いていた当時でいうと残響レコードから出ていたバンドなどが音色として近いと思うがそのムーブメントの中で鳴らされてる音楽とも違う気がした。今思えばどこか洋楽に近い体験というか。
多分この人たちの音楽好きかもしれない...と思いYoutubeで検索をかけ次に聴いたのがこの曲で一気にハマることになる。
後日Hush&Vaneが入った「00203」を探しにTSUTAYA(田舎の数少ない文化資本)に行ったがなく、代わりに手に取った「Good Bye 44th music」が後に自分の感性の礎を作るほど人生において大切なアルバムとなる。
改名後の44th music名義のアルバムの楽曲も粒揃いに素晴らしくて。「ハルカリ」などに見られるように、硬質なオルタナティブロックだけで無くポップスのソングライティング力も非常に高い。「ハイビス」に関してはTotal Feedbackより44thで収録したバージョンの方が個人的に好きである。
低温で乾きのあるサウンド、インタールードなど曲間の繋がりを大事にするようなアルバム構成だったり長尺の中で聴かせるプログレみたいな編成など、こういう特徴の音楽を好きになりやすいのはコンドルでの音楽体験が根底にあるからだと思っている。
CONDOR44に出会うきっかけをくれたファンアートサイトのお姉さんには本当に感謝したい。
大人になった今でも出会った当時と同じぐらい高揚できるから。いつ聴いても色褪せない。
10年前のライブを最後に活動が止まってしまい、ウェブサイトは閉鎖、Twitterの更新も2021年で止まっている。今音楽を続けているのかどうかも分からず事実上解散に近い状態なのかもしれない。
彼らが活動している頃に大人でありたかったなとライブを観られなかったことや生まれてきた時代に長い間悔やんでいる。
でもまだ諦めきれない自分もいて、今回のことが契機でまた活動再開してくれたらなという淡い期待を抱いたり。もし音楽から離れてしまったとして、そこからまたやるとなるとかなりのエネルギーが必要になるから難しいんだろうな...
それにしても自分がずっと好きで聴いてきたバンドが思わぬタイミングで日の目を見ることになって本当に嬉しい。こんな素晴らしいバンドが埋もれていくなんてあってはならないとずっと思っていたから。
いいでしょう、かっこいいでしょ。
2024年の今出会ったみなさん、dbもめちゃくちゃ良いですが他のアルバムも最高なので聴いてください。
CONDOR44名義のアルバムはほぼ廃盤になってないはずなので今でもフィジカルで入手しやすいと思いますし、サブスクならSpotifyにはないけどApple Musicにはありますので是非。
それでは。